定時後に映画館

ITパスポートの記事が人気の、映画ブログです。

初めてのTRPG(テーブルトークRPG)

人はみんな演じながら生きている。

人生という壮大なストーリーを、自らが主人公となって攻略しているようなものだ。

なりたい自分を描き、他のプレイヤーと関わりあいながら最良の結果を求めて、時に空気を読みながら、自らのキャラクターを変容させながら、生きていく・・・。

 

みたいなことをスカイダイビングを一緒に行った友人と話していたところ、テーブルトークRPGというゲームの存在を教えてくれ、都合のよいことにその友人がそのゲームを開催してくれるということなので、やってみることにした。

 

なかなか面白かったので、備忘録を残しておく。

 

テーブルトークRPGとは

テーブルトークRPG - Wikipedia

wikiが便利なので、ぜひこちらを見ていただきたいのだが、1回プレイした私がざっくりとまとめると・・・。

 

■シナリオの語り部となる司会者1名と、プレイヤー複数人でゲームを行う。

■まず、プレイヤーは自分がシナリオの登場人物のキャラメイクを行う。サイコロを転がしてステータス(体力・知力・見た目の良さ・素早さ・学力などなど、かなり精緻に設定を行う)を割り振り、キャラクターの設定を基にスキルのようなものも決める(交渉ができるとか、パンチが強いとか、語学ができるとか、もうこれも色々)。

■キャラクターが決まったら、司会者が語り部となってゲームが始まる。RPGと言われているぐらいなので、シナリオのところどころにプレイヤーが何をするかの選択肢を求められ、プレイヤーは何をするかを決定する。これを繰り返して、シナリオのクリアを目指す。

 

といった感じだ。

プレイした印象としては、プレイヤーは役者として壇上で他の役者と即興の劇を求められ、傍から脚本兼演出家の司会者が「今はこういうシチュエーションだよ、さあ演技して!」と指示してくるようなイメージであった。

ただし、プレイヤーは常に演じている必要もないようで、プレイヤーとして演じながらシナリオを攻略しテクノでもよし、恥ずかしければ「私のプレイヤーはこの場面ではこういう動きをすると思うので、この行動をします」と神の目線からキャラクターを動かすのでもよし、とプレイスタイルは結構柔軟になっている。

我々が行った時は、演技3割、神の視点で自らのプレイヤーを動かすのが7割、といった割合で話を進めていった。

 

私は司会者をやったことはないのだが、司会者はオリジナルの脚本を用意していることが多い様だ(今回はとある映画を元ネタにシナリオを作ってくれたらしい)。ステータスの振り方や敵との戦闘のルールなど、TRPGとしてのルールブックはあるため、そのルールブックに沿う形でシナリオを進行させていけばよいとのこと。

つまり、同じルールでもシナリオを変えればいくらでも楽しめる素晴らしいゲームなのだ。また、一度作ったキャラクターはシナリオを通じて育っていくという設定もあるらしく、成長したキャラクターを別のシナリオで使う、みたいな楽しみ方もあるらしい。

 

ふざけた20代後半の社会人4名が集ったTRPGの悲劇

今回の参加者は20代後半の大人である。社会人であり、働いており、既婚者さえいた。

そんな我々がシナリオに則って演じるのである。気心知れた仲とはいえ、多少の恥をかくのは覚悟のうえで臨むべきだ。

 

そんな中私は意気揚々と内部進学青学英米在学中の女子大生21歳趣味でVtuberをやっており足立区出身という地獄のようなキャラクターを作り上げた。どうせ演じるならば女の子を演じたい。名前をみどみーとした。カメラなどが回っていたら二度と社会復帰できない、地獄の設定で作り上げた。

職業柄、ペルソナを描くのは得意である。実家でVtuber活動をやっているから聞き耳を立てるスキルはあるとか、人の気持ちを掌握する力があるとか、司会者を納得させられるようなスキル構成を考える。

 

そしてゲームが始まる。私たちは豪華客船に乗っており、次の瞬間には遭難して無人島に漂着していた。Vtuberという設定が崩壊し、ただの闇を抱えながらもきらきらとした女子大生として精いっぱい生きるみどみーとしてシナリオを乗り切らなければいけなくなった瞬間である。

だが、幸いにも他のプレイヤーはイケメンのコックと狂った犯罪者だったので、差別化は十分なされていた。さっそく猫なで声でイケメンコックにこびてみたところ、気持ち悪いと一蹴された。

狂った犯罪者は単独行動を望み、しまいにはかよわいJDに対して拳銃を突きつける。我々は演じるキャラクターの思考回路をストーリー上で再現する必要がある。神の目線で「シナリオはこう進めるべきであろう」と分かっていてもだ。

そのため、私演じるJDそしてイケメンコックは狂った犯罪者と対立することを余儀なくされる。結果、プレイヤー全員で協力しながら進めるはずが、メインのプレイヤー二名(私演じるJDとイケメンコックだ)が、一人の反乱分子を機に駆けながらシナリオを進めるというハードモードに突入してしまったのである。

結果、シナリオを合理的に進めていくために犯罪者と、我々JDチームは別行動を余儀なくされるわけだが、2つの視点から物語を進めることになるので、当然時間は2倍かかり、結果として6時間の大作となってしまった。

終わった頃には我々はへとへと。

そもそも対立をさせることを前提としたストーリーもあるので、そのようなシナリオ進行もなくもないとのことなのだが、今回のシナリオは協力を前提としたストーリーだったために、物語の話者(つまりは司会者)の予想に反した進行の仕方であったと反省会にて告げられた。一人の悪ふざけが物語を大きくゆがめてしまうという教訓である。

 

今回TRPGを楽しんだ友人たちは中学からの同級生なのだが、もう我々は大人になったと気づかざるを得なかった。6時間を超えるシナリオの攻略に耐えられるほど我々はもう集中力を保てないし、悪ふざけをしはじめた友人に対して、我々はゲラゲラと雑にツッコむのではなく、真摯に対応してしまう。ふざけた本人でさえも途中でまじめになろうとするぐらいだ。

もう少し、もう少しだけでいいから、若い時期に出逢いたかった。だが学生にこのゲームに出逢って、「演じる」という多少の恥が伴う行為を心から楽しめていたかどうかは疑問が残る。

結果として、僕はこのゲームを真剣に楽しめる方法がよくわからなくなってしまった。ゲームも演じるのも、現実を生きているだけで十分なのである。

 

今じわじわとFE if暗夜ルナティックの攻略記事を書いているが、それも20章近くで飽きてしまった。

集中力、集中力が欲しい。

また次回、更新する日まで。