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【打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?】あのオチの意味を教えてほしい(感想:ネタバレなし)

www.uchiagehanabi.jp

 

流石に気になってたから見てきたぞ。

豪華キャストが集結したアニメ映画。僕が好きな人々が集結している。そりゃ見るしかないってことで、8月19日(土)TOHOシネマズ六本木で見てきました。

 

news.livedoor.com

気になる記事もあったけれど、そりゃ完璧な作品なんてないさ。

結構楽しめた作品だったと思う。所謂オタク向けに受ける作品を世に送り出してきた新房監督が、一般受けする作品をありったけの資産(スタッフやキャスト)を使って作り上げたという新しい境地を見れたって感じかしら。

しかし、絶妙に「オタクには受けにくい」「オタク以外には受けにくい」要素が混在してしまっていたので、良いところを打ち消しあってしまったような印象はあった。

 

べた褒めはしないし、上記リンクのようにぼこぼこにするほどの作品ではないと思う。

 

ちなみに、僕がどんな人間かという話をしておくと。

岩井俊二原作の「打ち上げ花火、下から見るか 横から見るか」は見ていない。

◇本作脚本の大根仁監督作品は結構好き。

◇本作総監督の新房昭之作品は、物語シリーズまどマギしか見ていないけれど、馴染みはある。

◇本作の企画・プロデュースをした川村元気が携わっている作品が気になる。見る作品を選ぶ際の基準にはなっている。好きとか嫌いとかではない。

広瀬すずのマヨビームに悶絶。菅田将暉が出ていたらとりあえず見ておくか、っていうぐらい菅田将暉は好き。

◇米津玄師、結構好き。

 

つまりは、「打ち上げ花火、下から見るか 横から見るか」のキャストは僕にとってのオールスター感謝祭みたいになっているわけです。好きバイアスがかかっていることをご了承ください。

 

語りたいことがたくさんあるけれど、主に以下4点について書いていこうかと。

◇声優

◇映像について

◇音楽

◇ストーリー(脚本)

 

では参りましょう。

※最後のストーリー(脚本)の部分はネタバレ多少あります。

あらすじ

公式の「ストーリー」↓を見ていただければだいたいわかるけれど。

映画『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』

 

簡単に説明すると、

親が再婚して引っ越しすることが決まっているヒロインなずなちゃんが、主人公典道と逃避行する話。

典道くんが「投げると時間が巻き戻る不思議な球」を入手し、何度も何度もなずなちゃんとの逃避行を成功させようと試みるというのが話の大筋。

 

最初の時空で逃避行失敗→「もしもあのとき・・・」で時間を戻す→もう一度チャレンジするが、逃避行失敗→「もしもあのとき・・・」で時間を戻す

 

を何度か繰り返す映画。ちなみに、主人公の典道の時間を戻す前の記憶は保持されたままで、それ以外の登場人物は当然その記憶はない。本人が覚えている系のタイムリープ作品。

 

こういう作品は「何度も成功させようと試行錯誤した結果どうなったか」が結構大事だと思うんだけど、「オチがどうだったか」ということについての意見は後述します。

個人的には不完全燃焼だったんだけど・・・まぁ余韻のある終わり方って捉え方もあるのかな。

 

声優について

主演の広瀬すず菅田将暉、あとはなずなのお母さんを演じた松たか子以外は、「声優」を本業としている声優さん達をキャストとして登用。

脇を固める声優さんたちにはやはり安定感がある。あとは松たか子さんはエンドロールを見るまで声優さんがやっているのかと勘違いしていたぐらい、上手かった。流石エルサで一世を風靡しただけありますね。

 

問題は、上のほうで張り付けた記事でも批判の対象となってしまっていた、すずちゃんと菅田くんの演技について。

「話題作り」での起用なんだろうな、と思ってしまうようなキャスティングではあったけれど、演技力に問題があったかといったら、僕はそうでもないと思った。少なくとも、「声優が棒過ぎて物語が頭に入ってこない」レベルではない。

すずちゃんは「バケモノの子」でも声優をこなしていただけあって、ちょっと慣れている感じはあったし。

初挑戦の菅田君も間の抜けたよな声ばっかり出していたけれど、主人公のキャラクターを考えると、それもそれで味になっていたのではないだろうか。

 

というわけで、主演声優を理由に見るのをやめている皆、もったいないぞ。

 

※余談だが、光石先生の声を当てた櫻井さんがまんま忍野メメで笑ってしまった。セクハラ発言をあまりしないでほしい。

映像について

シャフト・新房監督のアニメ映画である。それ以上でもそれ以下でもない。彼のアニメーションが好きな人には刺さるし、そうでない人には刺さらないと思う。

 

新房監督の作品は物語シリーズとまどまぎシリーズしか見ていないのだけれど、似てるなあって思ったところが多数。顔のアップ(特に目のあたり)で人の心情を語らせるとか(物語シリーズでたくさん見た)、なずなちゃんがアイドルっぽくなって歌っているシーンのきらきら感とか(まどマギっぽかった)。

顔のアップする感じはちょっと人によっては気持ち悪いと思うだろうし、なずなちゃんの歌唱シーンはちょっと煌びやかで現実離れしすぎて、視聴者の気持ちが離れてしまいそうだなぁと心配になった。まぁ僕は慣れているから別に気にならなかったけどね。

 

水の描写と花火の描写には力を入れていましたね。あの風景美のようなものは、一般受けするんじゃないかなと思いました。

 

音楽、というか主題歌について


DAOKO × 米津玄師『打上花火』MUSIC VIDEO

作品が終わった余韻に浸りながら聴く「打上花火」は最高だったぞ。

文句ないエンドロールだったと思う。

 

それだけ。それだけを言いたいがために、わざわざ「音楽について」という大見出しを作った。

 

ストーリー 脚本について(ネタバレあり)

大事なところだよね。

大根仁さん脚本ということで楽しみにしていたのだけれど、結構アニメーションにリアルなセリフを言わせている部分が気になった。

主役二人は中学一年生で、特に男子側は中一っぽい下ネタをガンガン言っているんだけど、妙にリアル過ぎてアニメーションでやってしまうと浮いてしまう。実写で中一が言っているならリアリティなのだが、アニメで言われてしまうとちょっと露骨過ぎる下ネタで引いてしまう。そういうシーンがいくつかあった。

リリーフランキーが言う下ネタなら笑って済ませられるんだけど、綺麗な背景を携えたアニメの男の子たちが露骨な下ネタ言っていると・・・、なんだかなあ、って感じ(これは個人的な感想なので気にしなくていいかもしれないけれど)。

 

ストーリーについては、ラストシーンでタイムリープした結果の「元とは違う世界」が崩壊して、元の世界だと思われるところに戻ってきたけれど、その元の世界でなずなと典道がどうなったのかが描かれていないのは消化不良だったかな。

僕の読解力不足かもしれないけれど、典道くんが先生に何度も呼ばれたのに、返事をしなかったところもよく分からない。「この世界は間違えている」という典道のセリフが劇中にあったのにも関わらず、元の世界で典道となずながどうなっているのかが描かれずに、「もしも」の世界での出来事を描いただけで映画が終わってしまうのは残念だった。

しかし、キャラクターの行動には矛盾がなく、感情移入がしやすい作品だったと思う。なずなと典道の距離が、典道の決断の積み重ねで段々近くなっていくのもラブストーリーとしては真っ当な感じで描かれていたし。

特によかったのは、典道と同じようになずなのことが好きだった祐介が、シチュエーションによって典道への態度を変えていたこと。自分が有利な時は典道の恋を応援して、かといって出し抜かれたらちょっとイライラして・・・というのがとても等身大の中学一年生って感じで好感が持てた。彼がこの映画を大いに盛り上げていたと言っても過言ではない。

 

総括

色々書いたが、キャラクターと映像美を楽しめる作品ではあったものの、オチが弱くて「あれ?ここで終わり?」といった印象を持ってしまった、っていう作品でした。これこそノベライズしてあのオチの意味は何だったのかを説明してほしいなぁ、最近流行ってるし出てこないかしら?

 

⇒調べてみたら、あった。読んでみるかな。