【トリガール!】史上最カワオタサーの姫な土屋太鳳ちゃん(感想:ネタバレなし)
夏が終わってしまう。
映画に限らず創作の良いところは日常から失われていくものを補ってくれるところにある。
私は夏っぽい映画が見たかった。
恋!!!
海とか空とか、広がりのある青色!!!
熱血な感じ!!!
何となく、夏といったらこういう映画なのだ。
わかってくれるかい?わかってくれるよな。
というわけで、見てきたぜ「トリガール!」
1人で‼チェックシャツで‼メガネで‼
見終わった僕は、もう立派な太鳳ちゃんを囲むオタサーの一員である。別にファンではなかったが、もうすでにファンである。
ラブコメを一人で見に行くハードルを跳び超えて、あるいは飛び超えて!見てきた甲斐があったぞ。しっかり「夏」な映画だった。
というわけで、Netflix特別お題「夏」に乗っかって、「トリガール!」の感想を書いていくぞ。
ポイントは、「完璧なラブコメ」と「頭空っぽにしてみるには勿体ない熱血部活もの要素」だ。
あらすじ
公式サイトがしっかりしてて、コピペ引用が出来ないから、ざっくりと書くぞ。詳細のは公式のリンクから見てくれ。
①大学1年生の鳥山ゆきな(土屋太鳳)は人力飛行サークル(TV番組の「鳥人間コンテスト」に出るあれだ)の圭先輩(第一のイケメン・高杉真宙)に一目惚れし、パイロット班に入会。
②圭先輩と人力飛行機で飛ぶことを目標にトレーニングを積むが、坂場先輩(第二のイケメン・間宮祥太朗)の圧倒的な力を前に、本年度のパイロット候補から降ろされる。
③ふてくされるゆきな。しかしテストフライトで圭先輩がケガをする。結果、坂場先輩とゆきなが一緒に飛ぶことに。犬猿の仲な坂場先輩とゆきな。果たして本番、しっかりと飛ぶことが出来るのか!?
的な感じである。
ラブコメは「きゅん♡」しなきゃいけない
24歳男性である私も、ラブコメのメインターゲットであろう若年層女子とおそらく同じ思考を持ち合わせている。
ラブコメでは、イケメンと美女の幸せな恋愛を見たい。
重たくない、軽快な恋愛が見たい!!
「きゅん♡」な恋愛と、へへ、とちょっと笑ってしまうようなギャグ。
まぁ究極これさえあれば楽しめるのだ。
「トリガール!」はどうか。
完璧だった。
まずは、イケメン美女の恋愛について。
あらすじを見る限り、ゆきなが圭先輩と坂場先輩の間で揺れ動く~的なのを想像すると思うが、実はそうでもない。
爽やかメガネイケメンである圭先輩は確かにゆきなが入部したきっかけであり、憧れの存在・かつ部の中心人物として君臨し続けるが、やがてゆきなとの接点は薄くなっていく。そもそも圭先輩はゆきなを女性としては見ていない。
むしろ、本作のきゅん要素はワイルドイケメンなのに子犬のような精神を持ち合わせた間宮祥太朗演じる坂場先輩との絡みにある。
ゆきなも負けず嫌いで快活な性格をしているだけあって、「狂犬」とまで言われている坂場先輩との相性は最悪。常に喧嘩をしているような仲なのだけれど、一緒にトレーニングを積んでいく中、2人の仲に変化が訪れ・・・?的な「友達以上恋人未満」を楽しめるのである!!!!
なお、ゆきなと坂場先輩のこの絡みは男女両者をきゅんさせることが出来る完璧なカップリングであると認識している。
◇僕みたいな弱小メンタルを持ち合わせた男性からすると、快活なゆきな(土屋太鳳ちゃん)みたいな後輩が可愛くてしょうがない。
◇見た目ワイルドでイケメン、しかし母性本能をくすぐるようなメンタルの弱さと、ガサツに見えてちゃんと後輩を思いやれる優しさを持ちあわせた坂場先輩(間宮祥太朗氏)が嫌いな女子がいるわけがない。
ラブコメを若い女性が楽しむものと思っている男性諸君。
なめてはいけない。ラブコメを、そして土屋太鳳ちゃんを。
女性の皆さん。間宮祥太朗がイケメンだぞ。もうそれだけで見ているだけで幸せだぞ。
とにかく、ゆきなと坂場先輩のやりとりが最高にきゅん♡なのだ。
ちなみにちゃんと2人の関係は物語のクライマックス、コンテスト本番の高揚感の中決着がつくぞ。ここも見どころなのだ。
また、理系が大半のサークル・大学を舞台とし、脇を固める大量のオタクっぽい男子が常に笑いを生み出すという盤石な環境の下イケメン美女が恋愛に興じているので、「コメディ」要素も抜かりない。
ちなみに坂場先輩は正真正銘のサブカル好きなオタクなので、それもそれで見ていて面白い(彼が聴いていた「secret base ~君がくれたもの~」はちゃんと「あの花」仕様になっていたはず。芸が細かい)。
それだけでなく、そこそこの頻度でナダルが出現し、例の話し方で説教を噛ます。彼は話しているだけで面白いから卑怯だ。
かつてメガネとチェックシャツを基本装備としていた私は、「こんなオールドタイプなオタクいじりやめろよ」と「オタクが美少女の笑顔を生み出している」という二つの感情の間を揺れ動いていたが、本作のラストシーン、コンテスト本番のサークルの一体感を見たら、もはやそんなことはどうでもよくなる。オタク万歳なのだ。熱く笑えるオタク、最高だぜ。
王道の部活ものとしても機能しているトリガール!
まぁラブコメとしては100点なのだが、ちゃんと青春スポーツ部活ものらしさがちゃんとあるのがいいところ。設定として人力飛行サークルに所属していることをしっかりと活かせている。
「人力飛行サークル」には機体を作るための班がいくつも存在し、全員が協力して一つの飛行機を作りあげ、その機体にパイロットが乗りコンテストに挑む。チームとして一つの目標に突き進む熱さがこの作品にはしっかりとあった。
準備期間のチーム同士の摩擦や一体感を描けているからこそ、ラストシーンの本番フライトが映える。ラブコメ要因としては大きな役割を持てなった圭先輩も、チームをまとめる中心人物として大きな役割を持てていた。
特にコンテスト中、飛行機に並走する形で船の上に圭先輩が乗っかっているのだが(フライトは琵琶湖の上空で行われる)、彼が必死にパイロット2人を応援する姿に感動して泣きそうになってしまった。お前パイロットとして飛びたかったのに・・・いいやつだなあ・・・って。
あとはゆきなと坂場先輩が行うトレーニングは基本的に自転車こぎだから、こう・・・絵として映えるよね。風になっている感じ?スピード感?スポーツっぽい感じがいいよ。本番のフライトも、広大な湖の上空を2人で飛ぶわけだからね。トレーニングも本番も最高。
いつもじゃれてるゆきなと坂場先輩だけど、トレーニングの時は坂場先輩が真面目になってゆきなに愛の鞭を振るう感じもナイスきゅん要素だったよ。
まとめ
◇太鳳ちゃんが可愛い。間宮祥太朗がイケメン。
◇ちゃんと「部活」してる
◇ラストのフライトシーンにラブコメ的、青春部活的クライマックスが重なっているから、かなり熱い。
こんな感じの映画だった。映画館で見たほうが高揚感は味わえるかもしれないぞ。劇場に急げ!
ちなみに
実は 原作の中村航さんが大好きなので見に行ったんです。こちらも読んでみると面白いかも。
以上。夏の終わりにチェックシャツな私からお送りしました。
一番好きな映画は?と聞かれたときに、答える3本
社交界にてだいたい初対面の人同士で交わされる話題といったら、「趣味は何ですか?」である。
他に語るべき趣味もないから、私は映画を趣味と答えている。
すると、大抵は「今までで一番おすすめの映画は?」と訊かれることになる。
学生の時には一番など意識したことなく、「うーん」と唸っている間に相手に愛想をつかされてしまうということが数多くあった。そもそも母数が多すぎて一番など決められない。
しかし、社会人となってそういったロスが許されなくなってしまった。先輩に「映画が好きなら、ちゃんと答えられるようにしておきなよ」と注意された。もっともである。趣味に対して、いやあらゆる事象に対して、私は怠慢すぎるのだ。
そこで、私はどうにかこうにか膨大な作品群の中からベスト3を決めることにした。
その3つの作品の魅力と、なぜベスト3として他者に紹介するのかを書いていくぞ。
3本目、「アーティスト」
2011年の映画。アカデミー賞作品賞を受賞しているし、ご存知の方も多いかと思う。
サイレント映画からトーキー映画へ移り変わっていく1927年~1932年のハリウッドを舞台としており、サイレント映画のスターだった主人公が没落していく一方で、彼のファンだった新人の女優であるヒロインがトーキー映画のスターに上り詰めていくという映画。
以下動画見ていただけると分かるのだけれど、時代性を反映してサイレント映画かつ白黒の映画となっている。
なぜ、オススメするのかというと
◇2011年公開で白黒かつサイレントってだけで興味を持つ人が多い。
◇話が分かりやすく、ちゃんとハッピーエンド。脚本が良い。
◇オチが最高。
サイレント映画時代のスターの主人公が、ヒロインに夢を与えたように、物語の後半でスターに上り詰めたヒロインが没落した主人公に手を差し伸べ、最終的には2人にしかできない形で居場所を取り戻す、という話の流れが美しくて好き。
特にオチはサイレントだからこそ!白黒だったからこそ!な演出で膝を打ってしまった。
2本目、「スティング」
1973年の映画。wikiの説明がとてもよかったので、これは引用してしまう。
1936年のシカゴを舞台に詐欺で日銭を稼ぐ1人の若者が、親同然の師匠を殺害したギャングに復讐するために伝説的な賭博師と協力し、得意のイカサマで相手組織を徐々に追い詰めていく様を軽快に描いたコメディ映画。
なぜ好きかというと、
◇主演の二人、ポール・ニューマンとロバート・レッドフォードがカッコいい。二人がコンビとして活躍している様を見ているだけで心が躍る
◇テーマ曲が好き。「The Entertainer」聞いたことがあるのでは?
The Sting Theme (Joplin - The Entertainer)
◇詐欺を働くシーンの高揚感と、終始騙されている感覚。
カードで騙すシーンや大がかりな競馬場の詐欺など、自らがギャンブルに興じているような高揚感が味わえる。また、最後まで主演の二人に騙されている感覚が良い。オチで「こういうことだったの!?」となるはず。
3本目、「LIFE!」
こちらはまだオフィシャルサイトがあった。映画のサイトはクローズされているけど、DVDの紹介だけされている。
3本目は結構気分で変えたりしているけれど、今は「LIFE!」と答えている。裏方的な仕事をしているから、共感してしまうのだ。
あらすじはこちら(LIFE! : 作品情報 - 映画.com)を見ると分かりやすいが・・・。
「LIFE」という雑誌の最終号の表紙の写真をなくしてしまった写真管理部の所属の主人公が、写真家を追って世界を旅する話。
ナイトミュージアム主演で有名なベン・スティラーが監督および主演をしている。
何が好きかって言うと。
◇仕事頑張ろうって気持ちになれる。
→LIFE誌最終号の表紙の写真が何だったか、楽しみにしてほしい。このオチが大好き。
◇世界中旅する映像が綺麗。冒険ものはやっぱりワクワクする。
◇旅をする前に不甲斐なかった主人公に共感できる。
→まぁ・・・私もこんな感じの人間なのだ。
てな感じで3本いつもあげているんだけど・・・。有名だと思うんだよね、どれも。
しかし、だいたいは知らないって答えられる。なぜだ。もっと盛り上がると思っていたのに。
だから最近は
これと
これと(君の名は。よりこっちの方が好きだったので、ここは妥協できなかった)
劇場アニメーション 『言の葉の庭』 (サウンドトラックCD付) [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: 東宝
- 発売日: 2013/06/21
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これ
って答えてる。まぁ、嘘じゃないしね。全部大好きな作品だよ。
ただ、「映画好きなのにこういうメジャーなのあげる?」って声が怖いよ。
もう映画が趣味って言わないほうが良いのかもしれないね!
全ての映画好きに幸あれ!!!!
【オリエント急行殺人事件 (小説と1974版映画)】映像にする価値(感想:ネタバレあり)
最近映画を見ると、いつも予告がやっていて気になっていた。
エルキュール・ポアロ(ケネス・ブラナー)が渋いおじさんでかっこいいなあって思っていたら、この人ポアロ役だけじゃなくて監督も兼任してるんだね。てか「マイティ・ソー」の監督かよ、見なきゃ!
って感じで。
↑ちなみに「オリエント急行殺人事件」(2017)は、12月8日公開とのこと。
せっかくミステリの名作が原作の作品なのだから、ちゃんと読んでおこうと思って、本を手に取った。
↑これです。
僕はミステリが好きなのだけれど、海外文学に弱い。特に「オリエント急行殺人事件」のように、登場人物が多く全員名前がカタカナ(当たり前だ)だと人の判別が難しい。読んでいるのだが、内容が滑って頭に入ってこなくて困った。
しかし、どうにか読破したわけだ。オチもトリックも名探偵ポアロ氏が言っていたことを足りない頭で必死に咀嚼した。
しかしそれにしてもイメージが出来ない。じゃあ、せっかくだし実写映画を見てみよう。
というわけで、「オリエント急行殺人事件 (1974)」にたどり着いたわけだ。
もう「オリエント急行殺人事件(2017)」への準備は万全である。
まずは小説の感想を、最後のほうに映画(1974)の感想を書きたい。
あとは、最後に2017年版への期待をちょっとだけ。
この手の推理小説の記事については「ネタバレが見たくて読みに来たよ!」という方が非常に多いと思うので、泣く泣く解決篇のネタバレもしておくことにする。推理小説の感想にネタバレ書くのあまり好きじゃないんだけどね。
作品情報
僕は知らなかったのだけれど、「オリエント急行殺人事件」は「エルキュール・ポアロシリーズ」の9作目とのこと。
つまり、いきなり「オリエント急行殺人事件」を読むよりは、ポアロシリーズを1から読んでいった方が、少なくとも主人公についての理解は深まった状態で作品を楽しめるわけだ。
しかし安心してほしい。僕はポアロシリーズを1作も読んだことなかったが、内容がわからないということはなかった。一つの独立した作品として楽しむことが出来る。
ざっくりとしたあらすじは、「オリエント急行の殺人 - Wikipedia」を見てくださいと言った感じなのだけれど。
ポイントは、
◇探偵役はポアロ・彼の友人のブーク(ブック?)・コンスタンチン医師。
◇雪の影響で線路上で立ち往生しているところ、ラチェットという人物が殺害される。
◇死因は刺殺。
◇殺害されたラチェットはアメリカで起きた幼女誘拐事件の犯人だった。
◇車両の行き来、列車からの乗降は事件発生時には不可能と判断される。容疑者は12人。
といったところだろうか。
その解決篇が特異であることから、「オリエント急行殺人事件」は有名な作品となったと言われているけれど、クローズド・サークル下での事件というのがその特異性を生み出している。
全くオチを知らずに読みだしたけれど、「なるほどこれは面白いなあ」と確かになった。
解決篇について(ネタバレ)
12人の証言をかみ合わせても、どうしても一人の犯人が浮かんでこない。
そこで、ポアロは2つの解を示す。
①第三者による殺人
前提をぶっ壊してるじゃないか!と僕もブーク氏同様に憤慨したのだけれど、時間のトリックでその前提をぶっ壊しており、大まかには矛盾はない。
しかし一緒に操作をしていたワトソン的な助手を務めたブーク氏が憤慨。
そこで、第2の解が出てくる。
②容疑者12名全員による共犯
捜査を進めるにつれて、全員被害者のラチェットに関わりがあり、彼に何らかの恨みを持っていることが判明。
順に12名が1回ずつ睡眠薬で眠っているラチェットを刺したというのがポアロの出した答え
全員が全員をかばっているから、特定の人物が犯人として浮かばなかったというわけ。
解決篇でポアロは2通りの解を示すのだけれど、オリエント急行を運営する会社の重役であるブークが①を採用すると決定したところで本作は終了。犯人12名は罪に問われずに済むのであろう。
解は二つともユニークなものだ。推理小説を読んでいる我々の盲点を突いている(容疑者全員が犯人/前提条件をひっくり返す)。それが1930年代に生まれたというのが一番の驚きだ。
映像化しても映えるわけ
この作品はポアロ氏がアクロバティックなアクションを繰り広げるわけではなく、単に事件が発生してから順に12名の取り調べを進めていき、謎を解決するというだけのものである。
推理小説なのだから、当たり前なのだが、現在のエンタメめいた推理小説と比べたら、ずいぶんと動きが少ない。
被害者死亡⇒取り調べ(ほぼ会話のやりとりだけ)⇒解決篇
なので、これは映像映えするのだろうか?と原作読了後はちょっとだけ不安になった。
まぁしかし、映画の方も見てみたけれど、しっかりと面白い。
ちゃんと12名の容疑者一人一人のキャラクターが立っており、それぞれにラチェットを中心としたドラマがあるからだろう。
原作で読んでいて気になったのが、かなり心理的な分析するアプローチが多かったこと。この人なら、こういう取り調べの仕方が良い、とか。あんな人が、殺人を犯すわけがない、とか。そういった会話がかなりの割合を占めている。だから自然と登場人物一人一人の掘り下げが出来ており、ヒューマンドラマとして成り立っているのだろう。
そして、名探偵ポアロ氏のキャラクターが濃い。鼻持ちならない、と言われているがその通りで、挑発はするわ自由だわで主役にするにはもってこいである。その相棒ブーク氏も一々彼の言動に反応しては物語を盛り上げてくれていてとてもよい仕事をしている。
動きはないにしても、人の感情を描写してしっかりと面白い作品に仕上げているのは流石名作家といったところだろうか。
映画版(1974)の話
映画版は基本的には原作に忠実であるが、やはり話の流れが分かりやすい。取り調べ中の細かい要素をそぎ落として、解決篇に一気に説明しきっている部分もあり、視聴者が混乱しないような配慮が出来ていた。
あとはラチェットが起こした誘拐事件を冒頭にひとしきり説明してしまっている(当然犯人がラチェットなのは伏せられているが)。これも物語がスムーズに頭に入るような丁寧な工夫だったと思う。
原作は結構重たいので、映画版を見てから原作を読むという順番の方が、推理小説初心者には安心かもしれない。
しかし、必要以上にポアロ氏の鼻持ちならない特徴が助長されており、決してポアロはかっこいい名探偵ではなく、「推理が出来る変人」のように描かれているのに注意してほしい。見た目もずんぐりむっくりだ。
2017版のポアロとはかけ離れているが、まぁ原作に近しいのはもしかしたら1974年版のポアロなのかもしれない。
ちなみに1974年版のポアロを演じたのはアルバート・フィニー。
オードリーヘップバーン主演の「いつも2人で」にも出演。「いつも2人で」ではなかなかのイケメンだったのだが、こんな演技もできるのかと驚かされた(公開年は「いつも2人で」の方が7年ほど早い)。
映画版(2017年)への期待
http://www.foxmovies-jp.com/orient-movie/character.html
全く新しいエンターテイメントに生まれ変わる、そうだ。
素晴らしいキャストがそろっているので(ラチェット役がジョニー・デップなのは最高だな)、彼らの演技が楽しみでしょうがないが・・・
シナリオは変えなくて、いいと思うぞ?
【ベイビー・ドライバー】ミュージックとカーアクションとイケメン美女で殴りつけてくる作品(感想:ネタバレなし)
見てきた。
私は洋楽に疎い。
クルマなんて、よくわからない。カーアクションものなんてあまり見ない。
なぜ見たか。
公式サイトを見てほしい。
・・・適当過ぎてビックリした。こんな紹介の仕方があるのか。
確かに「ベイビー・ドライバー」は大々的なプロモーションが行われている作品ではないが、大ヒット作品に乗っかるにしてもちょっとおかしいだろうこれは。
というわけで、洋楽もカーアクションもあまり知らない僕ではあるが、見に行くことにしたわけだ。ラ・ラ・ランドが好きだったから、「こんなんラ・ラ・ランドじゃねえよ!」と言ってやりたくて。ブログで、言ってやりたくて!!!
というわけで、「こんなんラ・ラ・ランドじゃねえよ!」って一言を薄く引き伸ばした感想を書いていくぞ。
カーチェイス版『ラ・ラ・ランド』ではない
結論から行こう。
「ラ・ラ・ランドじゃねえよ!」
↑久々に文字の大きさ変える機能を使えて、楽しい。
「ラ・ラ・ランド」じゃない。あれはミュージカル映画としての側面があるが、音楽の力で万人に楽しんでもらえるようになった、ふかーいヒューマンドラマだったと思っている(この感想があさーい感じ出てるが許してほしい。)。
↑まぁこんな映画だった。
「ベイビー・ドライバー」はそんな難しいことを言っているわけじゃない。夢を叶えるための恋人と別れ。夢を実現させたかったはずなのに、本来とは違った道を歩んでしまっている葛藤。そんなものは一切ない。
「ラ・ラ・ランド」なんて言い方をしてしまった公式に、僕は憤慨している。
なぜなら、「ラ・ラ・ランド」とは全く違ったベクトルで、圧倒的に面白かったからだ。
魅力の伝え方が大いに間違えているのだ。
頭を使わなくても楽しめる最高の映画
面白い映画にも種類がある。
後腐れなく、感想が「面白かった」で済む、頭空っぽにして、ストレスなく楽しめる映画。
心に染みるが、見るのに多少精神力を使う深い映画。
「ラ・ラ・ランド」は後者に近そうではあるが、前者的な要素を軽快な音楽で補てんして見やすくなっていたのが、なかなかの評価ポイントだと僕は勝手に思っているのだけれど・・・。
「ベイビー・ドライバー」は圧倒的に前者だ。
「面白かった!最高だった!!」とひたすら頭の中で熱いシーンを反芻しながら、火照った身体で劇場を後にし、翌日には細かいストーリーはまぁどうでもよくなるが、とりあえずもう一度見たくてしょうがなくなる映画である。
音楽とカーアクションで殴りつけてくるのである。ブログを書こうなんて下らない余念を消し飛ばしてくれるほどの圧倒的なアクションで、頭を空っぽにしてくれるのである。
それでいて主人公とヒロインがイケメン&美女なのだから、完璧だ。
そういう映画なんだ。ただ、ミュージックに乗っけたカーアクションがカッコよくて最高な映画なんだ。僕の文章力ではこれ以上の表現は出来ない。
もう動画を見てくれ。
映画『ベイビー・ドライバー』特別映像【Driven By Music】
とは言ったものの、オススメさせてほしい。
一応映画の感想を書くブログなので、「最高だぜ!」で済まされるとは思っていない。
何が良かったか、のディテールを一応書いておく。
特別映像でもキャストの方々が言っていたが、この映画の中心は音楽だ。
主人公が常日頃からイヤホンをつけているキャラクターなので、彼は常に音楽を背景に行動することになる。上映中、常に何かしらの音楽が流れている、と言っても過言ではない。
そりゃ物語の起伏をつけるためにアクシデントは起きるわけで、音楽が流れていないシーンはあるわけだが、主人公がドライバーとしての能力を覚醒させるためには彼が気に入った音楽を再生する必要があるので、必ず見どころとなるシーンには音楽が流れており、その音楽の抑揚にあわせ、アクションの見どころが展開されていく。
ちなみにその音楽というのも、当然ながらバックミュージック的な扱いではなく、登場人物が聴いている音楽という扱いだ(カーラジオとかミュージックプレイヤーとかで)。
アクションに音楽が乗っているのではなく、音楽が最大限に活かされるように、人々の行動やカーアクションが乗っかっている。だから、音楽との親和性が非常に高い。
例えば銃撃戦では必ず、銃声が音楽の一部としてマッチしているように撮っているし。
音楽スタートと同時に強盗開始、逃げ切ったタイミングで音楽が終了といったタイミングも完璧(主人公がそうなるように再生する音楽を調整している)。
日頃音楽を聴いて気分を盛り上げる人とか、街を歩きながら音楽を聴いてステップが華麗になっている人とかは、必ず楽しめる作品だと思う。なお、私もそういう人間なので、思いっきり楽しんでしまった。
これがすべてである。音楽を中心とした、作品。音楽がないと成り立たない作品。それだけで、この映画の価値は全て説明できてしまう。
洋楽が分からなくても大丈夫
劇中使用曲はいかに記載されている。僕が知っている曲は「Tequila」しかなかった。
http://www.babydriver.jp/music.html
でも楽しめる。歌詞が分からなくても、初見でも盛り上がるものは盛り上がるのだ。
Queen - Brighton Rock (Official Lyric Video)
クライマックスのお互いハイスペックマシーンに乗って殺し合いに興じるシーンで流れたBrighton Rockは最高だったが、映画を見る前は知らない曲だった。
しかし、音楽に思い入れがあった方が楽しめるのは確かっぽいので、事前に音楽を予習してから見たほうが良いと思う。せっかく既存の曲を使ってくれているわけだからね。
あとはポータブルプレイヤーに音楽を入れておくこと。見た後、必ず家に帰るまで再生し続けたくなる。
カーアクションについて
僕はあまりカーチェイスもののアクション映画をみないので「カッコいい」としか言えない。
が、主人公や敵が乗るクルマの種類は多岐にわたっており、それぞれのクルマでのアクションシーンが楽しめる映画だということは分かった。クルマ好きのほうがいいよなってのはある。
また、逃げる・追うだけじゃなくて、クルマで人を殺そうとするシーンがしっかりとある。銃撃戦も結構ある。ドライビングテクニックを見せつけるだけのスマートな映画ではないということは言っておきたい。
まとめ
ドライブでは音楽を必ず流したい人。
街中で音楽聞いてノリノリで歩いちゃう人。
そういう人は必ず楽しめる映画なのでぜひ見てほしい。
ちなみに、人が死んだりはするけれど、どぎついグロ映像はないので、カップルでも楽しめる映画だぞ。
【ビニー/信じる男】狂気じみた熱中が似合うマイルズ・テラー(感想:ネタバレなし)
ちょっと前に見てきたけど感想を放置していた。「セッション」のマイルズ・テラーが音楽映画ながら完璧なスポコン主人公を演じていたので、彼がボクサーを演じると知って飛びついたわけだ。
『ビニー/信じる男』×『セッション』スペシャルコラボ映像/マイルズ・テラー
↑こんな映像もあるぐらい。
「マイルズテラーの演技が好き」で片付けてしまおうか迷ったけれど、せっかく見たので、だいたいどんなシーンが見どころで、どんな話だったかだけ簡単にメモしておく。
あらすじ
まず、前提として史実をもとにした映画である。実在するボクサー「ビニー・パジェンサ」の物語だ。
で、映画の内容のすべては公式サイトの「ストーリー」に記載されている。
簡単に書いてしまうと、
①ビニーがプロモーターに引退勧告される。
②ケビン・ルーニー(アーロン・エッカート)というトレーナーのもとトレーニングを積み、階級を変えてチャンピオンに。
③交通事故発生。首の骨折をしたが、ハロー手術を受け、復帰を試みる。
※ハロー手術だとリスク(歩けなくなるとか)が大きい分、復帰の可能性が多少あった
④見事ボクサーとして復帰。ロベルト・デュランとの対戦に臨む。
なお、ロベルト・デュランとの闘いで勝ったか負けたかは「ストーリー」にも記載されていないので、一応伏せておく。まぁ、基本的には史実に沿った映画なので、wikiを見てしまえば結末は分かってしまうのだが、一応お楽しみということで。
事故の前後で試合のスタイルが変化しているのが面白い
この映画の見どころは事故にあっても闘うことを諦めずに見事復帰したビニーの気持ちの強さと、彼をサポートした家族やトレーナーとの関係性だと思っている。
ビニーの自らを信じる気持ちとその強靭な意志の強さは一貫して失われてはいなかったが、事故の前後で彼の闘い方が変わっているのが面白い。
事故のより前、引退勧告される⇒トレーニングで階級を上げ返り咲くという「ただのボクサー」としてのビニーが結構丁寧に描かれているので、彼がどのようなパーソナリティを持っているのかがよくわかる。
事故の前のビニーは、自分が強いと信じ込んでいる。トレーナーのケビンにはその無鉄砲すぎる性格について注意を受けていた。試合中相手を挑発し、わざととどめを刺さないような場面も。
それでも、彼は実際に強かったから、チャンピオンになることが出来たが、事故をきっかけに一度ボクサーから離れることになる。ハロー手術によって、身体の自由が利かない状態に。
その後、復帰戦に臨むわけだが、その試合中のビニ―の立ち回りが必要以上に慎重になっている。作品中試合の場面は2~3回ほどあったのだが、ケビンが彼のトレーナーになってからの仕合は臨場感たっぷりで尺も長めにとっていたので、スポーツなど一切見もしない僕でもその違いがよく分かった。
ビニーは一般人離れした意志の強さで決して親近感を持てるタイプの主人公ではないが、初めてその場面で人間味を感じることが出来た。
大きな事故を起こし自らの身体を労りながらトレーニングを重ねてきたのだから、慎重になるのは当たり前なのだけれど、その人間として当然持ち合わせているであろう危機意識のようなものがビニ―にはなさそうだったので、その試合のシーンがぐっときたわけだ。
で、そんな荒くれものが最後に慎重になっているところ、彼の本来の力を引き出したのがトレーナーのケビンの一言だった、というのもとても良い。ビニ―とケビンの絆の集大成を試合中に見れるわけだ。ラストのロベルト戦はまさしくクライマックスに相応しかった。
ビニ―がブレない中、周りが脱落していく
基本的には信じる男であるビニーは化物であり、人間的ではない。もちろん彼の葛藤は作中で描かれているが、事故を起こしてもなお闘おうとしている人間に僕は感情移入が出来なかった。おとなしくリタイアしろよ、って気分でいっぱいだった。
そんな信じられない男である私の気持ちを代弁してくれているのが、ビニ―の周囲にいる人間達。普通の感覚を持ち合わせた登場人物たちが、ビニ―の異常性・凄まじさを浮き彫りにし、かつ我々一般人が置いてきぼりにならないようにしてくれている。周りを固める人間達の多様性のおかげで、いろいろな視点からのビニ―が描けていたような気がした。
・一貫してビニ―が闘う姿を直視できないビニ―の母親
・事故前にはセコンドについて一緒に闘っていたが、事故の後はサポート出来ないとビニ―から距離を置いた父親(もちろんそれでも応援はしていたけれど)。
・ビニ―を商品としか見ておらず、闘えないと思えば容赦なく切り捨て、金になると思った瞬間に試合のカードを取り付けてくるプロモーター。
・ハロー手術後離れていった恋人
そして、何よりこの映画で良い味を出していたのが
・事故直前にビニ―の階級変更による復活をサポートし、事故後も唯一ハローベストを装着しているビニ―のトレーニングを指導したトレーナーケビン。
物語でフォーカスされていたのはこういった人々。当然ビニ―との接し方やビニ―が闘うことへの考え方はそれぞれ違う。にもかかわらず、ビニ―はケビンの助言以外はほぼ気にせず自らの道を突き進んだわけだが、それもまた彼の強さの証明となっている。
また、基本的にビニ―は諦めを知らず、挫ける様子もほぼ見せないのだが、周りが凋落していく様で彼の状態の絶望感を表現していたのも良い。
お陰で
「いや、ビニ―ぴんぴんしてんじゃん。復活するっしょ」
って気持ちで作品を見ずに済んだ。
しっかりと絶望的であることを、周りの人のリアクションが証明してくれている。例えば闘うビニ―を誇りに思っていた父親がセコンドから外れたこと。そしてケビンが酒を飲んで警察に捕まったこと。あとは冷静にチャンピオンベルトを返還しろと言ったプロモーター。
都度都度そういった「信じる男であるビニー」と「復活を信じない一般人」のギャップを演出して、視聴者を置いてきぼりにせず緊張感を保てていた。
※今書いてて気づいたけど、ビニ―への態度が一貫して変化しなかった母親ってやっぱりスゲーな。
まとめ
超人ビニ―の異常性を楽しむ映画ではあったが、彼自身ではなく彼の周りにいる一般人をしっかりと描くことで、ビニ―が映えていたということも忘れてはいけない。
特にトレーナーのケビンはもう一人の主人公であり、彼こそスポーツものの醍醐味である栄光と挫折、そして復活を体現していた「一般人」だったと思う。ぜひ彼の活躍にも注目してほしい。
【打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?】あのオチの意味を教えてほしい(感想:ネタバレなし)
流石に気になってたから見てきたぞ。
豪華キャストが集結したアニメ映画。僕が好きな人々が集結している。そりゃ見るしかないってことで、8月19日(土)TOHOシネマズ六本木で見てきました。
気になる記事もあったけれど、そりゃ完璧な作品なんてないさ。
結構楽しめた作品だったと思う。所謂オタク向けに受ける作品を世に送り出してきた新房監督が、一般受けする作品をありったけの資産(スタッフやキャスト)を使って作り上げたという新しい境地を見れたって感じかしら。
しかし、絶妙に「オタクには受けにくい」「オタク以外には受けにくい」要素が混在してしまっていたので、良いところを打ち消しあってしまったような印象はあった。
べた褒めはしないし、上記リンクのようにぼこぼこにするほどの作品ではないと思う。
ちなみに、僕がどんな人間かという話をしておくと。
◇岩井俊二原作の「打ち上げ花火、下から見るか 横から見るか」は見ていない。
◇本作脚本の大根仁監督作品は結構好き。
◇本作総監督の新房昭之作品は、物語シリーズとまどマギしか見ていないけれど、馴染みはある。
◇本作の企画・プロデュースをした川村元気が携わっている作品が気になる。見る作品を選ぶ際の基準にはなっている。好きとか嫌いとかではない。
◇広瀬すずのマヨビームに悶絶。菅田将暉が出ていたらとりあえず見ておくか、っていうぐらい菅田将暉は好き。
◇米津玄師、結構好き。
つまりは、「打ち上げ花火、下から見るか 横から見るか」のキャストは僕にとってのオールスター感謝祭みたいになっているわけです。好きバイアスがかかっていることをご了承ください。
語りたいことがたくさんあるけれど、主に以下4点について書いていこうかと。
◇声優
◇映像について
◇音楽
◇ストーリー(脚本)
では参りましょう。
※最後のストーリー(脚本)の部分はネタバレ多少あります。
あらすじ
公式の「ストーリー」↓を見ていただければだいたいわかるけれど。
簡単に説明すると、
親が再婚して引っ越しすることが決まっているヒロインなずなちゃんが、主人公典道と逃避行する話。
典道くんが「投げると時間が巻き戻る不思議な球」を入手し、何度も何度もなずなちゃんとの逃避行を成功させようと試みるというのが話の大筋。
最初の時空で逃避行失敗→「もしもあのとき・・・」で時間を戻す→もう一度チャレンジするが、逃避行失敗→「もしもあのとき・・・」で時間を戻す
を何度か繰り返す映画。ちなみに、主人公の典道の時間を戻す前の記憶は保持されたままで、それ以外の登場人物は当然その記憶はない。本人が覚えている系のタイムリープ作品。
こういう作品は「何度も成功させようと試行錯誤した結果どうなったか」が結構大事だと思うんだけど、「オチがどうだったか」ということについての意見は後述します。
個人的には不完全燃焼だったんだけど・・・まぁ余韻のある終わり方って捉え方もあるのかな。
声優について
主演の広瀬すずと菅田将暉、あとはなずなのお母さんを演じた松たか子以外は、「声優」を本業としている声優さん達をキャストとして登用。
脇を固める声優さんたちにはやはり安定感がある。あとは松たか子さんはエンドロールを見るまで声優さんがやっているのかと勘違いしていたぐらい、上手かった。流石エルサで一世を風靡しただけありますね。
問題は、上のほうで張り付けた記事でも批判の対象となってしまっていた、すずちゃんと菅田くんの演技について。
「話題作り」での起用なんだろうな、と思ってしまうようなキャスティングではあったけれど、演技力に問題があったかといったら、僕はそうでもないと思った。少なくとも、「声優が棒過ぎて物語が頭に入ってこない」レベルではない。
すずちゃんは「バケモノの子」でも声優をこなしていただけあって、ちょっと慣れている感じはあったし。
初挑戦の菅田君も間の抜けたよな声ばっかり出していたけれど、主人公のキャラクターを考えると、それもそれで味になっていたのではないだろうか。
というわけで、主演声優を理由に見るのをやめている皆、もったいないぞ。
※余談だが、光石先生の声を当てた櫻井さんがまんま忍野メメで笑ってしまった。セクハラ発言をあまりしないでほしい。
映像について
シャフト・新房監督のアニメ映画である。それ以上でもそれ以下でもない。彼のアニメーションが好きな人には刺さるし、そうでない人には刺さらないと思う。
新房監督の作品は物語シリーズとまどまぎシリーズしか見ていないのだけれど、似てるなあって思ったところが多数。顔のアップ(特に目のあたり)で人の心情を語らせるとか(物語シリーズでたくさん見た)、なずなちゃんがアイドルっぽくなって歌っているシーンのきらきら感とか(まどマギっぽかった)。
顔のアップする感じはちょっと人によっては気持ち悪いと思うだろうし、なずなちゃんの歌唱シーンはちょっと煌びやかで現実離れしすぎて、視聴者の気持ちが離れてしまいそうだなぁと心配になった。まぁ僕は慣れているから別に気にならなかったけどね。
水の描写と花火の描写には力を入れていましたね。あの風景美のようなものは、一般受けするんじゃないかなと思いました。
音楽、というか主題歌について
作品が終わった余韻に浸りながら聴く「打上花火」は最高だったぞ。
文句ないエンドロールだったと思う。
それだけ。それだけを言いたいがために、わざわざ「音楽について」という大見出しを作った。
ストーリー 脚本について(ネタバレあり)
大事なところだよね。
大根仁さん脚本ということで楽しみにしていたのだけれど、結構アニメーションにリアルなセリフを言わせている部分が気になった。
主役二人は中学一年生で、特に男子側は中一っぽい下ネタをガンガン言っているんだけど、妙にリアル過ぎてアニメーションでやってしまうと浮いてしまう。実写で中一が言っているならリアリティなのだが、アニメで言われてしまうとちょっと露骨過ぎる下ネタで引いてしまう。そういうシーンがいくつかあった。
リリーフランキーが言う下ネタなら笑って済ませられるんだけど、綺麗な背景を携えたアニメの男の子たちが露骨な下ネタ言っていると・・・、なんだかなあ、って感じ(これは個人的な感想なので気にしなくていいかもしれないけれど)。
ストーリーについては、ラストシーンでタイムリープした結果の「元とは違う世界」が崩壊して、元の世界だと思われるところに戻ってきたけれど、その元の世界でなずなと典道がどうなったのかが描かれていないのは消化不良だったかな。
僕の読解力不足かもしれないけれど、典道くんが先生に何度も呼ばれたのに、返事をしなかったところもよく分からない。「この世界は間違えている」という典道のセリフが劇中にあったのにも関わらず、元の世界で典道となずながどうなっているのかが描かれずに、「もしも」の世界での出来事を描いただけで映画が終わってしまうのは残念だった。
しかし、キャラクターの行動には矛盾がなく、感情移入がしやすい作品だったと思う。なずなと典道の距離が、典道の決断の積み重ねで段々近くなっていくのもラブストーリーとしては真っ当な感じで描かれていたし。
特によかったのは、典道と同じようになずなのことが好きだった祐介が、シチュエーションによって典道への態度を変えていたこと。自分が有利な時は典道の恋を応援して、かといって出し抜かれたらちょっとイライラして・・・というのがとても等身大の中学一年生って感じで好感が持てた。彼がこの映画を大いに盛り上げていたと言っても過言ではない。
総括
色々書いたが、キャラクターと映像美を楽しめる作品ではあったものの、オチが弱くて「あれ?ここで終わり?」といった印象を持ってしまった、っていう作品でした。これこそノベライズしてあのオチの意味は何だったのかを説明してほしいなぁ、最近流行ってるし出てこないかしら?
⇒調べてみたら、あった。読んでみるかな。
【怪盗グルーのミニオン大脱走】主役が食われている作品(感想:ネタバレなし)
少し前に見てきたのだけれど、感想を書いていなかった。「ミニオンが可愛いぜ!いえーい!!!」と書くしかないかなぁというわけで、記事にしていなかったわけだけれど。感想が書きやすい作品と書きにくい作品ってやっぱりあるわけさ。
しかしそれでも今更になって書く理由とは。すげーヒットしているらしいから、である。
映画のランキングみたいなものをあまり見る習慣がないのだけれど(映画に関するブログを書いている人間としてどうかと思うが)、たまたま目にしたら何やら本作ずっと1位らしいじゃないか。
↑スパイダーマンより上・・・?
売れているものはちゃんと記録に残しておきたい!というわけで、感想を書きます。
あらすじ(ネタバレあり)
本作は「怪盗グルー」シリーズの3作目である。「月泥棒」「ミニオン危機一髪」に続く作品。
「月泥棒」で父性に目覚め、家族を持ったグルー。
「危機一髪」で悪党から足を洗い、「反悪党同盟」の仲間入りをしたグルー。ついでにルーシーといい感じに。
そして本作「大脱走」では、グルーとルーシーは結婚しており、養子三姉妹と一緒に暮らしている。物語序盤で、グルーはバルタザール・ブラットと呼ばれる悪党の捕獲に失敗。その結果、「反悪党同盟」を解雇されてしまう。バルタザールは巨大なダイヤモンドを盗むことに成功。ダイヤの力を使ってハリウッドの破壊を目論む。
そんな時、グルーの双子の兄弟であるドルーから手紙が。グルーファミリーはドルーの屋敷に招待される。ドルーは悪党に憧れるものの才能がなく、悪党のカリスマであるグルーに悪党の手助けをしてほしいと依頼。グルーは悪党から足を洗った身だったが、バルタザールのダイヤを盗み「反悪党同盟」に返り咲こうと企み、ドルーに協力することにする。
無事ダイヤをバルタザールの基地から盗むことに成功したが、ルーシーに化けたバルタザールに娘3姉妹と一緒にダイヤを取り返されてしまう。娘とバルタザールを追ってグルー・ドル―・ルーシーはハリウッドへ。刑務所から脱走したミニオン達の活躍もあり、無事バルタザールを捕獲。グルーとルーシーは「反悪党同盟」に復帰、ドルーはグルー達と同居するが、相変わらず悪党を続けるつもりで、ミニオン達と悪事に出掛けて行ったところを、グルーとルーシーが追いかけようとするところでエンド。
珍しく公式HPにあらすじが見当たらないので、ざっくりと物語の大筋を書いてしまった。まぁミニオン達が可愛ければ皆見に来るからね、ストーリーなんて関係ないぜ!
肝心なミニオン達はどのような活躍をするのかというと、
①悪党に戻ろうとしないグルーへストライキ。2匹を残して全員出ていく。
②TV局への不法侵入で逮捕
③刑務所でグルーのもとに帰りたいと思い返し、脱出
④バルタザールが暴れているところに合流。
といった感じだ。正直彼らがいなくても物語は成立してしまうのだが、彼らは可愛いのでしょうがない。
テーマは家族の絆
グルーとドルーという双子の関係、そしてルーシーと三姉妹の関係が中心的に描かれている。
まず前者。元々グルーは兄弟がいないと思っていたため、自分に瓜二つな双子がいると知って大いに喜ぶ。グルーは悪党をやめ、ドルーは悪党を目指すという考え方の違いから衝突があったものの、最終的には一緒に暮らすほどの仲良しになったので、めでたしめでたしといったところだろうか。グルーは従来通り悪党を取り締まる側に、しかしドルーはやはり悪党を目指しておりミニオンと共に夜の街に繰り出す。こういった相反する関係でありながらも、家族としてともに暮らすことが許されているというのがほんわかポイントだった気がする。夢のある家族像である。
そして後者。ルーシーがグルー抜きで三姉妹と街に繰り出すシーンがあるのだけれど、彼女が母親らしくなろうと奮闘している姿が描かれている。長女のマーゴとプチ衝突がありながらも彼女と和解していく様や、三姉妹の一番下のアグネスには「ママ」と呼ばれ喜んでいるルーシーが微笑ましい。娘たちが崩壊するビルに取り残されたとき、それを助けに行ったのはルーシーだった。
「月泥棒」ではグルーが父親になり、「大脱走」ではルーシーが母親になる。ちょっと似たようなテーマだったのが残念だったが、ちゃんと楽しかった。
やはりミニオンが可愛い映画
色々と書いたものの、結局のところはこれである。ミニオンが好きならば楽しめ、ミニオンが別に好きでないならばこの映画は普通の映画なのだろう。
ミニオン語で一緒に歌おう♪映画『怪盗グルーのミニオン大脱走』本編映像(カラオケバージョン)
予告映像を見れば分かるけれど、ものすごくミニオンが推されている。ミニオンが檻の中でグルーとの思い出に浸っているシーンがあるが、そこはちょっとジーンときてしまった(予告の釣りのシーンとか)。あとはミニオンが歌っているシーン。やっぱり歌があると映える。
要は何が言いたいかと言うと、ミニオンが可愛い。
ぜひミニオンを見に行ってほしい。ということで今回のオチとします。