定時後に映画館

仕事の片手間に映画の話をします。

【パノラマ島美談】今日子さんとの一瞬の邂逅(感想:ネタバレなし)

 

パノラマ島美談 美少年 (講談社タイガ)
 

 読んだ。

 

日常の謎を青春ものっぽいテイストで描く「学園×ミステリー」小説はたくさんあるけれど、美少年シリーズは登場人物の味付けが強すぎる非日常の謎(人は死なない)を扱っている青春のかけらもないが平和な推理?小説。

一作目と、それ以降の作風がだいぶ変わっているような気がするけれど、方向転換が上手くいったと僕は思っている。

↑1作目。トゥエンティーズのおかげで結構シリアスな内容だった気がする。

 

僕は西尾維新さんの人が死ぬ推理小説(物騒な言い方をしてしまった)が好みなので、ストライクゾーンは多少外れてしまうけれど、あれだけ味付けが濃いキャラクター達を総じて気に入っているという奇跡の下、美少年シリーズを楽しめているわけだ。

特に眉美ちゃんがいい。正真正銘のクズになりきれない天邪鬼、最高だぜ。

 

シリーズ1作目の感想を書かないのはもう恒例なのだけれど、一応わざわざ5作目の「パノラマ島美談」の記事を書こうとした理由を説明しておく。

HPから引用します。

俺達の旅には謎が必需品。
美少年探偵団冬期合宿――五つの館に隠された五つの芸術を発見せよ!
あの<白髪の名探偵>が登場!? スペシャルショートストーリー収録!

taiga.kodansha.co.jp

 

今日子さんだ!!!!

 

 

「忘却探偵」のヒロインこと掟上今日子が登場するということで、読む前から記事を書かねばという気分になっていた。クロスオーバー作品はいつだってテンションが上がるよな。

 

ま、その期待は残念ながら打ち砕かれてしまうわけですけれど、それは記事の後半で。ネタバレなしのざっくり感想スタート。

 

パノラマ島美談

3作目「屋根裏の美少年」で登場した永久井こわ子さんが暮らす無人島で、美少年探偵団が5つの「絵」を探すというストーリー。

 

シリーズ物は巻数を重ねるごとにキャラクターが深堀りされるので、面白さがどんどん増していくわけだけど、「パノラマ島美談」はキャラクターが全員個人行動をしていることもあり、眉美と美少年達の1対1のコミュニケーションがふんだんに描かれている。

 

「眉美×創作」「眉美×学」はこれまでのシリーズでやりとりしているシーンがあまり印象に残っていなかったので(特に前者)、新鮮だった。

 

前作「押絵と旅する美少年」に引き続き「美観のマユミ」の優しいさ、自由行動日以外もれなく寝坊するお茶目さ、・・・その他もろもろ眉美ちゃんの魅力が輝いていたのはいつも通りとして。「美観」らしさと、彼女の自由奔放さが巻を重ねるごとに色濃くなっているのは日々の活動の賜物でしょうか。

 

5枚の「絵」の内容については、本編を読んでのお楽しみということで。前半3枚は「あり得るな」といういい意味でも悪い意味でも納得感のある謎だったけれど、後半2枚については賛否が別れそうだったな。雲雀館のネタには唸ったけど、鳳凰館のはあまり納得がいかなかった。

 

「曲線どうか?」

太った眉美が、満のごはんを食べ過ぎないようにミラクルフルーツ(食べると酸味を感じなくなる)を仕込む話。

もちろん満は彼女に満足させようと味覚が制限された彼女に美味しいごはんを提供しようとするのだけれど、なかなか納得感あるのアプローチでそれを達成してきた。

 

2人、ラブラブだよね。「曲線どうか?」もそんな話だった。

 

「白髪美」

今回のメインコンテンツ、今日子さんと眉美の絡みが見れる短編。見開き8P。

「混物語 まゆみレッドアイ」ぐらいのガッツリとした絡み(身体的なものではなく、会話的なものだ)を期待していると、残念ながらその落差にがっかりすることになる。

 

美術館の絵画がトゥエンティーズに盗まれたという事件のネタを探る話。眉美の一言をきっかけに、その場に居合わせた今日子さんが解決篇を披露するといった流れだ。

 

今日子さんのイメージカラー「白」をトリックに使った謎だったのは乙だったけれど、もう少し・・・もう少しだけ絡んでもよかったんだよ!?

そんな気分になった作品でした。まあクロスオーバー作品の考え方は色々ある。「あまりやり取りが行われないで世界観が共有されている程度で良い」という考え方もある一方で、「会うはずのない登場人物同士がどのようなやり取りを繰り広げるかを見たい!」という考え方もある。僕は後者を望んでいたわけだが、今回は残念ながらそういった深いやりとりは生まれなかったわけだ。

 

次回以降のクロスオーバーに期待したい。

ちなみに

「混物語 まゆみレッドアイ」が好きで好きでしょうがないので、いずれ記事を書きたい。阿良々木君の変態性が存分に活かされているし、ちょっと人見知りっぽくなっている眉美も新鮮で面白い。

 

midoumairu.hatenablog.com

 ↑「あかりトリプル」の記事は書いたんだけどね。これも面白かった。

 

入場者特典がたまたま「まゆみレッドアイ」だったので、美少年シリーズを読みだしたわけだけれど、クロスオーバーものはそういう広がりがあるから良いよな。西尾維新さんはシリーズたくさん生み出しているわけだし、活かさない手はない。

 

混物語はあと4作入手方法が不明なままなので、少なくともあと4作はクロスオーバー作品を読めるわけだ。早く情報来ないかな。