【傷物語Ⅲ 冷血篇】劇場に相応しきエログロ(感想:ネタバレだらけ)
どうも。先日見てきた傷物語Ⅲ 冷血篇の感想を書きます。
このコンテンツの特徴上、全くこの映画の結末を知らずに見に来たという人は限りなく少ないであろうという予測をし、いきなりネタバレ全開で記事を書きます。
↑こんな記事も先日書きました。こちらは読まなくてもいいかもしれません。
ちなみに、私は原作者西尾維新さんのファンであり、物語シリーズは原作をすべて読んでいます(結物語は未読)。しかしアニメは化物語だけしか見ていません。
化物語をアニメで見る
⇒原作を読む
⇒西尾維新のファンになる
⇒深夜アニメ視聴から離れる
⇒映画だし傷は全部見ておこう。混物語もらえるし。
といった流れで視聴に至りました。
↑視聴したのはTOHOシネマズ新宿。シアターの前にパネルがたくさん。阿良々木君のパネルにはサインも描かれてますね。
↑ちなみに貰った混物語は、「あかりトリプル」。戯言シリーズのメイドさんですね。戯言シリーズを読んだのはずいぶん昔なので、もう一度読み返してから楽しみたいと思います。
久々の物語シリーズのアニメということで、Ⅰ~Ⅲまでしっかりと楽しめましたが、「Ⅲ 冷血篇」の魅力を、あるいはアニメーションとしての傷物語の魅力を、書いていきたいと思います。
しっかりとグロい
冷血篇は、キスショットの四肢を3人のヴァンパイアハンターから、そして心臓を忍野メメから取り返すシーンから始まります。
見どころは、キスショットがギロチンカッターを食べるシーン。ここの残虐性をしっかりと描くことで、阿良々木暦の「キスショットを生半可な優しさで救った後悔」が映える。
僕はアニメ化物語のするがモンキーで、VSレイニーデビルの描写がずいぶんファンシーになっていて驚いたのですが(血の色が赤じゃないので、全然グロくない)、傷物語はド直球で血の描写をしています。
ほぼデフォルメなしで、人間の身体をキスショットが捕食している姿が表現されており、それはもう目を伏せたくなるようなグロさだった。だが、「傷」の物語には必要不可欠な描写であって、阿良々木暦の傷を生む「人間はヴァンパイアにとって食料である」という絶望的な真実をド直球で突きつけた瞬間だったな、と思います。
あれはTV放送のアニメで出来たのだろうか。難しそうなら、劇場版にした価値はそこにもあるのかも。
思えば鉄血篇でキスショットが四肢をもがれて生きたいと必死にもがくシーンも、血が飛び散っていて、とても直視できない絵だった記憶があります。熱血篇で羽川が死にかけたシーンも。
生きるとか、死ぬとか。そういう大切な場面を茶化さず、視聴者の心をずったずたにする勢いで描いているのが傷物語3部作の魅力なのかと。
しっかりとエロイ
物語シリーズ最強のヒロイン(と僕が思っている)、羽川翼さんに阿良々木暦がセクハラをするシーンが、非常に官能的に描かれています。
もはや、性行為を行っているのかと疑うレベルの描写力。ここは声優さんに拍手を送りたいのですが、阿良々木暦が羽川翼にエロいセリフを言わせる場面が、もはやヤっている男女のやり取りに等しかった。
こればかりは、劇場に見に行ってくれと言うしかない。すごかったぞ。このために1500円払ってもいいぞ。
劇場に相応しい、始まりの物語(シリーズ全体のネタバレあり。注意)
物語シリーズの主人公、阿良々木暦の「弱っている人には全員優しい」という偽善、そして「都合のいいことばかり考えてしまう」という彼の甘さ。それが詰まっているのが傷物語だと思います。
想像力が及ばず、人類の敵であるキスショットに「可哀想」という理由で優しさを見せる阿良々木暦。
都合よく、キスショットを殺さず全員が不幸になる選択肢を選ぶ阿良々木暦。
この性格は物語シリーズ全体でぶれない彼の強い個性であり、魅力的な部分でもあります。(阿良々木ハーレムを築き上げたのも、忍野扇という闇を生み出してしまったのも、上記2つの彼の性格が起因しているので)
ちゃんと始まり物語らしく、阿良々木暦の性格を80分ちょっとの冷血篇で理解できるように描き切ったのは良かった。
キスショットの言葉で、羽川翼の言葉で、彼の性格がちゃんと語られている。この映画の最大の価値は、ここじゃないかな。
余談
キスショットの過去を語るシーンがあって、そこが絵本風になっていた。
その絵を担当している人が化EDの絵師のウエダハジメさん。
あぁ、懐かしい・・・。と感傷に浸ってしまいました。好きなんだよな、この絵柄。
ということで、今回の記事は以上。あかりトリプルの感想・ネタバレ記事もそのうち書きますね。