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【スパイダーマン: スパイダーバース】スパイダーマンは1人じゃない(感想:ネタバレあり)

www.spider-verse.jp

第91回アカデミー賞長編アニメ映画賞受賞とのことで、というか受賞していなくても見に行くんだけど、見てきた。

 

僕はMCUが好きで、アメイジングスパイダーマンが(監督のマークウェブが好きなので)好きで、スパイダーマンに対しては「ファンではないけど、好意的」程度の立ち位置だと認識してほしい。アメコミを読んだことはないし、予告で出てくるスパイダーマン達を見てピンとくる人はピーターパーカーしかいない。


映画『スパイダーマン:スパイダーバース』本編映像<スパイダーマンは1人じゃない編>(3/8全国公開)

 

が、とても面白かった。スパイダーマンをかじっている私でも幾度もの実写作品で刷り込まれた「スパイダーマンってこういう映画だよね」という感覚は持ち合わせていて、それを忠実に再現したアニメーション作品であり、何と言うか今までアニメーションで動いているスパイダーマンを見てこなかった僕からすると「ようやく原典に出逢えた」といった印象だ。

 

本作は簡単に言うと、本作のヴィランが創った"凄い装置"で、時空の歪みが生じ、別の世界のスパイダーマン達が一堂に会する夢の作品。

主人公はただの13歳男子のマイルス。彼が生きる時空が本作の舞台で、ピーターパーカーは物語の序盤(マイルスが蜘蛛に噛まれスーパーパワーに目覚めた直後)にヴィランに敗れ死亡する。この時空のピーターパーカーは時空の歪みを生じさせる装置の発動を阻止することは出来なかった。ただ、死に際にマイルスにその望みを託す。

その後、別の時空から「マイルスの時空」へ巻き込まれた、中年になったピーターパーカー、その他スパイダーマン達(ヒロインのクヴェン、ノワール、ペニーパーカー、スパイダーハム)と力を合わせ、ヴィランが"凄い装置"をもう一度利用するのを阻止、元の時空に帰ろう!というのが本作の大筋。

ついさっきまで一般人だったマイルスが、様々な時空の"プロスパイダーマン"達と同様のパフォーマンスを披露することが出来るわけがない。ただ、視聴者が想像する通り、彼はスーパーヒーローになって終盤大活躍するわけだ。本作は、第二のスパイダーマンが誕生するまでの物語なのである。

 

「ヒーローがヒーローになる物語」は既存のスパイダーマンも含めこの世の中にいくらでも溢れているのだが、中でも「スパイダーバース」の良いところは、ヒーローになるきっかけがスパイダーマンらしくあること(「スパイダーマン」という作品である必然性)と、そして「13歳」なだけあって、ヒーローとして育っていく過程が物語の大半を占めていること(ピーターパーカーのスパイダーマンでは描けない独自性)だと思う。

 

作中でマイルスは、目の前で象徴的なヒーロー(ピーターパーカー)を失い、さらに親愛する叔父も亡くすこととなる。街を守る存在の欠落と、自らを愛する者を失う悲しみは、スパイダーマンが生まれる理由に説得力を持たせている。物語の終盤まで気持ちはただの子どもであったマイルスが、ヒーローにならなければならないという使命感を抱く動機付けがしっかりしている。ピーターパーカーや他のスパイダーマンと同じように、「大切な人を失う」というターニングポイントがないがしろにされていないのが良い。

また、彼をヒーローとして成長させる師にあたる中年ピーターパーカーやメイおばさんの存在が、本作のプロモーションで散々使われているコピー「スパイダーマンは1人じゃない」を体現しており、これが本作のオリジナリティに繋がっている。

僕が良く知っている中にピーターパーカーが入っているスパイダーマンはあくまでも一人で強くなっていっている印象が強い。そんな中、マイルスには師がおり、同じスパイダーマンの仲間がいる。彼らとの交流を通じて、マイルスがじわじわと成長していき(本作の尺はほぼマイルスの成長物語で使われている)、最後プロスパイダーマン達のピンチに成長した彼が現れるという最高のクライマックスを迎えるわけだ。

多くのヒーローものは「ヒーローものらしい映画」にするため、ヒーローになるまでの尺は生前前半まで、後半は自覚を持った強いヒーローがヴィランとドンパチする構成だと思う。だが、本作はヒーローであるスパイダーマンが複数人既におり、彼らの背中を見ながら主人公が成長していく物語なので、マイルスの成長の過程を丁寧に描けるし、かつお手本となるヒーローのカッコいい姿も描けているのがポイントだ。

 

作中でカメオ出演している故スタンリー氏が、ピーターパーカーが死亡し、スパイダーマンにならないといけないという使命に燃えているマイルスを励ますシーンがある。そして、本作のエンドクレジット中には、「目の前の困っている人に手を差し伸べることが出来るのがヒーローである」(正確な言葉ではないが、そういう類の文章だ)というスタンリーの言葉と一緒に、彼への追悼が。「スパイダーマンは1人ではない」は文字通りスーパーヒーローは1人ではないということだけではなく、我々一般人もヒーローになれるという熱いメッセージでもあるわけだ。それを、ただの13歳であったマイルスが体現してくれているわけである。

 

「ヒーローになるまでの物語」が丁寧に描かれているのが、本作の最大の魅力であったと思う。そして、その物語を彩るアニメーション表現。これは見てくれとしか言いようがないが、アメコミを映像に落とし込んだらこういう演出があって然るべきという期待を見事に体現してくれていた。ふきだしや効果音、その全てがカッコいい。

そして、別の時空のスパイダーマン、モノクロのノワールや日本的なペニーパーカー、よりコミカルなスパイダーハムとのギャップも楽しい。僕は字幕で本作を見たのだけれど、日本人あるある「外国のキャラクターが日本語をしゃべると嬉しい」ではとどまらず、「外国の世界観で日本的アニメーションが馴染んでいる感動」を楽しませてくれた。

 

アカデミー賞は私がとても好きだった「インクレディブル・ファミリー」が受賞してほしかったと思っていたが、本作ならば作品賞受賞も納得である。映像もこの作品の楽しみの一つなので、ぜひ劇場で見てほしい。

 

【天才作家の妻 40年目の真実】身勝手な男と賢い女(感想:ネタバレあり)

ten-tsuma.jp

公式URLが「ten-tsuma」なの、最高にウケますね。

グレン・クローズさんが第91回アカデミー賞主演女優賞ノミネートした「天才作家の妻」見てきました。

 

女性は「こういう身勝手な男、いるわ~」、男性は「うっわ身勝手だわ気を付けよ」になる、我々の生き方に大いに貢献してくれる作品だったので、感想を書きます。

これはネタバレをしないとまともに感想を書けないので、いきなりオチを書きます。どちらかというオチが大事というよりは過程を楽しむ映画です。

あらすじ

簡単に物語の流れを説明してしまうと、

①ジョゼフ・キャッスルマンがノーベル文学賞を受賞。妻のジョーンと息子のデビッドも授賞式に同行することに。

②記者のナサニエルが、妻ジョーンがジョゼフの作品を代筆していると推測。ジョーンやデビッドに揺すりをかける。

③ジョーンは当然否定。しかし、真実は物語の構成力があるジョゼフが初稿を書き、文章力・表現力に秀でているジョーンが完成させる共同著作であった(過去を回想する形での描写なので、物語中ジョーンは一切デビッドやナサニエルに真実は告げていない。)。

④ジョゼフの度重なる身勝手な行動にジョーンが激怒。喧嘩になり、ジョーンは離婚を言い渡す。喧嘩中にジョゼフが心臓発作となり死亡。

⑤帰りの飛行機でナサニエルに「夫の名誉を傷つけるような記事を書いたら訴える」と伝え、隣にいたデビッドには「真実を帰ったら話すわ」と伝えてエンド。

と言った感じ。

この作品の面白さは、作中の至る所に夫ジョゼフのクズ感を散りばめているところと、それを踏まえたジョーンの決断にある。

 

さぁ、ジョゼフのクズっぷりを振り返っていこう!

①浮気癖

そもそも、ジョゼフとジョーンが結婚したのも、浮気がきっかけ。既に妻子持ちのジョゼフがジョーンを誘惑、ジョーンが寝とる形で結婚した。

作中ナサニエルとジョーンが酒を飲むシーンがあるのだが、その時ジョゼフの元妻の話となる。

ジョゼフの元妻は「あの夫を引き留めてくれてありがとう」とジョーンに伝えてくれと言ったそうだ。

 

ちなみに、それだけでなくノーベル賞授賞式に同行していた若い専属カメラマンとも浮気しようとした始末。それもジョーンにばれて喧嘩になりかけるが、孫が生まれた報告の電話が都合よくかかってきて、喧嘩は収まる。その時のジョゼフのセリフが「つまらない喧嘩はやめて」だからもう救えない。いや、お前の浮気が原因だろうと。

 

なお、それ以前にも何度もジョゼフは浮気を繰り返しており、その度にジョーンはそのやり場のない怒りや悲しみを自らの作品に投影することで感情のセーブをしてきたとのこと。ジョゼフが彼女にそれを強要したかどうかはジョーンが激怒状態での主張なので定かではないが、そもそも浮気を繰り返している時点で問題ありである。

②自らの作品という意識

ジョゼフが売れるきっかけとなった作品は、はじめてジョゼフが初稿を完成させ、ジョーンが推敲・編集をした作品であった。その時は「僕たちが書いた」と言って二人で喜び合っていたのだが、物語序盤でノーベル賞受賞の電話を受け取ったときには「僕が書いた」と喜んでいる。

作品内で描かれている順番はノーベル賞受賞のシーン→過去の回想シーンなので、最初見たときに違和感はなかったのだが、あとから思い返すと「僕がノーベル賞を取った」と言って手を取り合って喜んでいるシーンの直後、我に返ったように冷静になるジョーンには含みがある様にも見えたかもしれない。

 

また、予告編にもあるが、夫は「妻は書かないよ」と平然と言ってのけている。妻の前で。


映画『天才作家の妻 -40年目の真実-』予告編

 

③熱い手のひら返し

物語の中盤、ジョゼフが自らに疑惑の目が向けられていることを知ったのだが、それ以降の態度の変わりっぷりが清々しい。

②で記載したとおり、自らの作品であることを主張していたのに、「詐欺」と疑いをかけられてから急になよなよとしだし、ジョーンがあらかじめ「挨拶では私のことに触れないで」と言われていたのに、自らの挨拶を全てジョーンへの賛辞で使い果たしてしまう。(これが原因でジョーンは激怒した)。

 

その後ホテルに戻った後の迫真の夫婦喧嘩でも、結果「ではなぜ僕と結婚した」と妻に責任転嫁(まさしく転"嫁")する始末。どうしようもない。

 

まぁ、このように、作中でどんどんジョゼフの屑っぷりが露呈していくのだが、対してジョーンはひたすらに賢いのだ。

自らのプライドを胸にしまい、決して対外的に自らの功績を公表しようとしない。なぜなら、それをしたところで自分が得するわけがないから(自らが書いた作品がノーベル賞を受賞したのに、その名誉さえも汚されてしまう)。

だが、ラストシーンの描写を見る限り、彼女にとって大切な家族にはおそらく真実を話すのだろう。自らのプライドを保つための、行動を最適化する頭の良さ、計算深さを僕は終始感じていた。しかし一方で、ジョゼフがいなければ自らが著作で大成することはなかったと分かっているし、長年連れ添った彼に対して愛情を感じているからこそ、ジョゼフに敬意を払っている。

あまりにジョーンの人間が出来すぎており、たいしてジョゼフが屑過ぎて「ちょっとこれは仕組まれた感が強いな」と冷静に考えようとするのだが、問題は、ジョゼフの屑っぷりも、それに対しての彼女の反応もあまりにリアリティがありすぎて、「これって普遍的な夫婦が抱えている問題だよな」と深刻に考えてしまうところにある(その"問題"こそが本作の最大の魅力なのだが)。

 

決して心が晴れる作品ではない。だが、人間が抱える自尊心や夫婦関係の闇などをリアルに描いた素晴らしい作品だ。

僕からの警告を1点。絶対に恋人や家族とは見に行かないほうが良い。僕は一人で見に行って良かったと心から思っている。

 

 

【ファースト・マン】ワーカーホリック・ゴズリング(感想 : ネタバレあり)

firstman.jp

 

見てきたぜ。

ラ・ラ・ランドデイミアン・チャゼル監督×ライアン・ゴズリングな作品。

本作は人類で初めて月面に降り立った人物「ニール・アームストロング」を主演のライアン・ゴズリングが演じており、おおよそ史実に基づいた作品となっている(史実を正確に知らないので、どこまで脚色されているかはわからない)。

 

なので(というのが正確なのかは定かではないが)、「セッション」や「ラ・ラ・ランド」のようにドラマチックな見せ場はない分、とても手堅い作品になっている。「ニール・アームストロング」という人物と、彼の周囲(特に家族)との関係が濃密に描かれていて、ライアン・ゴズリングの演技に酔いしれるような作品になっていた。

とはいっても、広大な宇宙の世界を描く映画である。第91回アカデミー賞の録音賞・音響編集賞・視覚効果賞・美術賞を受賞しているだけあって、ビジュアルや音響も楽しめる映画だった。僕の趣味バイアスは間違いなくかかっているのだけれど、音の使い方も素敵。

 

ということで、ぼちぼち感想を書く。ネタバレありです。

ちなみに公式サイトの「ストーリー」に本作のあらすじが丁寧に書かれているので、

 

周囲の人間の死を重ねて目が死んでいくライアン・ゴズリング

ニールがNASAジェミニ計画(簡単に言うと、月面に降り立つ「アポロ計画」の布石となった宇宙に人を送り込む計画、詳細はググって。)に応募するところから物語が始まる。

アポロ計画を成功させ、地球に降りたって家族と再会して物語は終わるのだが、その過程でニールの心の弾性がどんどん失われていく。本作の一番の見どころは、彼の人間性の変化だと僕は思う。

 

ニールは壮大な宇宙への計画を二度も成功させる幸運な人物でありながらも、その分抱えている影が濃い。ジェミニ計画に応募する直前、彼が愛する娘カレンを病気で失い、以降も職業柄親しかった同僚を次々と失っていく。

当然カレンを失った際に彼は涙を流し、ジェミニ計画の直前に同僚を失った際にも葬儀の場で故人の悪口を言う男に怒りを向けるなど、大切な人間の死と向き合う心がしっかりとあったのだが、アポロ計画で3人の宇宙飛行士が亡くなったときから彼の表情が明確に変わる。

アポロ計画の悲劇を電話で聞いたニールは、無意識に力が入ってしまい手に持っていたグラスを割ってしまうのだが、流血した手を冷静にナフキンで処理するところから完璧にスイッチが入っていた。

税金の無駄遣いという世間の逆風も取り合わず、訓練中にケガをしても大したことないと切り捨て、犠牲を払うことについての意見は「この段階で考えるには遅すぎる(既に多くの犠牲が出ていたため)」。極めつけはアポロ11号で月に向かう前、家族との会話をせずに淡々と家から出ていこうとする。

もはやニールが見ているのは月に向かうというミッションだけだった。死んだ目で淡々とミッションをこなす様、前半と後半での人間性の違いを綺麗に演じきったライアンゴズリングは見ていて気持ちが良かった。

 

「セッション」「ラ・ラ・ランド」と目標に向けて大切なものを犠牲にする作品を生み出してきたデイミアン・チャゼル監督の強みがここでも発揮されていたな、と感心しながら見ていたのだが、彼の本領はこれだけではない。

「セッション」ではラストの講演で主人公が指揮者を演奏で従えたように、

ラ・ラ・ランド」ではすれ違いつづけた男女が夢見る最良のifストーリーをクライマックスに据えたように、

ファースト・マン」でも「いやこの流れでこう来ますか」という視聴者の感情を揺さぶるような場面をしっかりと組み込んでいた。

 

あまりにも素晴らしかったので、ここで書いてしまうが、あれだけ月へのミッションに固執していたと思われるニールが、月面に持参し、その場に置いてきたのは失った娘カレンの名があしらわれたブレスレットだったのだ(ちなみにそのブレスレットは序盤のカレンの葬式の時に机の引き出しにしまってから作中で一回も出ていない、完璧な伏線として機能している)。

これ凄いなって心から感心していて、僕はバカな視聴者だから完全にニールの心は家族から離れてもはや月に行くことしか念頭にない状態になっているのかと思ってしまっていたわけ。彼の行動は家族から遠ざかっていたし、それに対して妻も激怒してぎくしゃくしていたわけだし。

しかしまぁ気付く人は気付くと思っていて、なんだかんだ言って妻との思い出の曲のカセットテープを宇宙船に持参して宇宙で聞いたりしているわけだよ。いきなりカレンブレスレットを登場させずじわじわと家族を想起させるような創りにしているのも本当に上手い。

 

本作のラストシーンも隔離された(免疫検査期間は隔離される)ニールと妻がガラス越しに手を合わせるところで終わっていて、この作品のテーマが月に邁進する偉大な男でありそうなのだけれど、結果家族であることをちゃんと明示している。ワーカーホリック男に成り下がってしまった、かと思いきややっぱり家族だったか、という静かなどんでん返しが気持ちよくてたまらん。

ここらの「ラスト〇〇分の衝撃・・・!」映画よりずっと心が震えたよ。

 

映画館で見る価値

私、映画館の音響は素晴らしいなって思いつつも、映画館だからこそ感じられる静寂も好きなんです。宇宙船から月への扉が開かれたとき、結構な時間無音だったのよ(宇宙の分かりやすい表現だね)。宇宙飛行士の話だから当然このシーン以外にも宇宙を描写しているところはたくさんあるのだが、音楽と効果音と静寂のバランスがとても気持ち良かったからDVDで見るのはちょっともったいない。

ぜひ映画館で見て。

 

今回のオチ

J・K・シモンズさん、今回も出演するかな、って期待してたんだけど、今回は出ませんでした。残念。
 

 

「恋するワンピース」「コビー似の小日山」から考える「パロディ漫画」。

ONE PIECEは私が最初に好きになった漫画であり、今でも先輩からいただいている回し読みジャンプで毎週追いかけている漫画でもある。

私はジャンプ+という無料で漫画が読めるアプリを愛用しており、そこにONE PIECEのスピンオフ(パロディギャグマンガ)が2本掲載されている。

ONE PIECE コビー似の小日山 〜ウリふたつなぎの大秘宝〜」と「恋するワンピース」という作品なのだが、両者とも好きな作品なので、紹介したい。

が、後者の「恋するワンピース」が本命である。この作品、ジャンプ+の現在の連載の中でも上位に食い込む面白さだと思う。

 

月曜日連載 : ONE PIECE コビー似の小日山 〜ウリふたつなぎの大秘宝〜

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コビー(海軍入隊前)に似ているがONE PIECEを知らないため自覚がない小日山をONE PIECE好きな友達が弄り倒す四コマ漫画(最近は小日山がついにコビーに似ていることを自覚した)。

小日山中心の話だけではなく、ミスターワン似の男を中心とした話(気が弱いミスターワン似の学生が不良に絡まれるとか無駄に恐れられるみたいなネタが多い)、不愉快なマルコ似の男を中心としたオフィスでの話などが毎話ローテーションを組んでいる形での連載だ。

ページ数も多くなく、何より四コマなので読みやすい。すらすらと引っかかりがなく読めるのであるが、どうも爆発力にかけてしまう。

まんがタイムきらら系のネタとしては面白くなくキャラクターをひたすら愛でる漫画があると思うのだが、作品としての方向性はこちらに近しいかもしれない。キャラクターの魅力を構築し、小笑いや"萌え"をコンスタントにとっていくような作品(少年漫画かつ登場人物の多くが男性の漫画がこの構造でよいのか、という議論は必要であるが)。

 

ネタとしての面白さが追求しきれないのは、表現方法が限られており、オチをコンスタントに生み出さないといけない四コマ漫画での限界があるので仕方がないのだが、登場人物のキャラクター立ちはしっかりしているので、長く愛される作品にはなれそう。原作がある分、原作キャラクターと、それに憑依している「小日山」のキャラクターのギャップで、原作をある程度理解している人にとっては永遠に面白い作品になっているのではないだろうか。

私はジャンプ+で連載している毎日1話更新の「猫田日和」を愛してやまないのだが、「小日山」も毎日1話で読者が触れる機会を増やした方が良いような気がする。1週間作品から離れてしまうのが惜しい。

 

日曜日連載 : 恋するワンピース

shonenjumpplus.com

私が愛してやまない漫画である。

「山本海賊王(ルフィ)」というキラキラネームを授かった無害良いやつ系男子に恋をする「小山菜美(ナミ)」が本作の主役かつ唯一のツッコミ役を担っている。

ONE PIECEを愛してやまない「中津川嘘風(ウソップ)」と呼ばれるクレイジーな男が本作の主要なボケ役であり、彼が比較的まともな上記2名を巻き込み「海賊部」を発足。後々その他メンバー(ゾロ/サンジ/チョッパー/ブルック/尾田栄一郎など)に該当するキャラクターも作中に登場するのだが、主要メンバーは基本上記3名。

 

漫画を読んでいただくのが手っ取り早いのだが、嘘風は「自らの行動を全てワンピース準拠で行おうとする」かつ「現実で起きた出来事を、無理矢理ワンピース風に解釈する」ため、行動が基本的にすべておかしい。それに対して常識人である菜美が鋭いツッコミを入れるというのが基本的な笑いを取るパターン。伝説のギャグマンガである「ボボボーボ・ボーボボ」のビュティを彼女のツッコミに垣間見た。

回を重ねるごとにキャラクターが増えていくのだが、嘘風の巻き込む力に菜美以外は屈服、彼に乗っかる形でボケをかましてくるので、それもまた面白い。

 ↑参考書籍。3話での人気投票ネタ、遊戯王武藤遊戯とのコラボレーションはもはや伝説。

 

この漫画の素晴らしいところは、菜美への共感にあると思う。ただのワンピースを知っているだけの一般人である菜美をツッコミとして立たせることで、「ワンピースが分からない人間にも面白い」をちゃんと意識できている。

 

パロディ漫画は難しいと思う。パロディ元の作品のネタがディープすぎると読者は離れてしまう。ONE PIECEは国民的な漫画ということで、漫画を読んでいる層ならばある程度内容を理解しているのは救いではあるが、それでも「どこまで掘り下げれば良いのか」という視点を失えば、途端に内輪ネタの寒い漫画となってしまう。

その点、「恋するワンピース」は深すぎるネタには「わからない」と菜美がツッコミを入れるもしくはスルーするし、ツッコミの内容も我々のような一般人が嘘風の奇行を目の当たりにしたときにするっと出てきそうな言葉だ。

彼女が我々読者に近い立場として作中でツッコミを担ってくれているお陰で、この漫画は「内輪感」を極力減らすことに成功していると思う。

 

かつて週刊少年ジャンプで連載されていた「太臓もて王サーガ」は見境なくパロディしていたが元のキャラクターに魅力がありネタにも勢いがあったのでわからないネタは読み飛ばせていたし、「トマトイプーのリコピン」は比較的広い層が知っているであろう時事ネタを扱い分からない状態をつくらないようにしていた(賞味期限が限られているのがもったいないけれど)。

 ↑伝説のパロディ漫画。パロディし過ぎてパロディ元の漫画のキャラクターが人気投票でそこそこ上位に食い込んでいた。

トマトイプーのリコピン 1 (ジャンプコミックス)
 

 ↑こんなかわいい顔したキャラクターが時事ネタを放り込んでくるという魅力。

 

パロディ漫画の手法も数多くあるけれど、「私たちと同じ視点のツッコミ」がいてくれることの安心感を「恋するワンピース」は教えてくれた。 

恋するワンピース 1 (ジャンプコミックス)

恋するワンピース 1 (ジャンプコミックス)

 

 1巻が発売されているので、ジャンプ+で読んで気に入った人はぜひ購入してみてほしい。

 

 

手元に残している1巻完結漫画をおすすめする

私は図書館に足しげく通い、時にはGEOやTSUTAYAにも行くので、本は無料で借り、漫画も低額で借り、手元に書籍は置かないタイプである。かつて購入していた漫画も断捨離をし、今となっては手元に残っているマンガは僅か数冊になってしまった。

 

そんな私が、厳選し手元に置いている漫画を紹介したい。

徐々に更新していくので、とりあえず1冊で読み切れる作品から紹介。

 

1.ソラニン/浅野いにお(新装版1巻/ヤングサンデーコミックス2巻)

ソラニン 新装版 (ビッグコミックススペシャル)

ソラニン 新装版 (ビッグコミックススペシャル)

 

サブカル野郎に大人気な浅野いにお作品。映画化の影響もあり一番有名な作品ではないだろうか。新装版で1冊にまとめられたので、ギリセーフということで紹介。

 

大学を卒業してもミュージシャンになる夢をあきらめきれない主人公と、その恋人のゆるい幸せがだらっと続くかと思ったら・・・な話。

浅野いにお作品は色々と読み漁ったのだけれど、一番好きなのはべたべただがこれ。私は青春を引きずってしまった大人よりな人間の話が好みである。

これについては別途感想を書いている。

midoumairu.hatenablog.com

 

ちなみに、購入には至っていないが、1巻完結の「おざなり君」も結構好き。

おざなり君

おざなり君

 

常識が通用しない若手社員(おざなりくん)とうだつの上がらない上司(やぶさかさん)によるシュールギャグマンガの皮をかぶったロックでBLな漫画。おざなりくんがやぶさか部長を目の敵にする理由が後半で明らかになってからの展開が好み。

 

2.ネムルバカ/石黒正数(全1巻)

ネムルバカ (リュウコミックス)

ネムルバカ (リュウコミックス)

 

それでも町は廻っている」でおなじみの石黒正数先生の作品。

 

ただの女子大学生(表紙左/入巣)とそこそこ音楽の才能のある女子大学生(表紙右/鯨井)の話。真直ぐに夢に向かってバンドに打ち込んでいる鯨井は、夢もなく漠然と日々を過ごしている入巣にとっては眩しくて憧れの存在。僕も"一般人A"でしかなかったし、周りのちょっとデキる人間が羨ましかった人間だったので、入巣さんの感情がよくわかるし、鯨井さんが何者かになろうとして努力している様は輝いて見える。

大学生を経験した人全員にオススメしたい作品。

 

物語後半で鯨井に大きな変化が起き、同じ寮生である入巣との築いてきた関係も変わっていく。夢を追いかけ続けた鯨井先輩が決断した結末が最高にロックなので見てほしい。

なお、石黒正数さんは独特の世界観と推理小説のような緻密な物語の構成にも定評があり(読むたびに「頭いいんだろうな」と感じる。)、1巻完結の作品では「外天楼」の方が有名かもしれない。単発のエピソードがいくつか並んでいるかと思ったら、最後の壮大なオチに繋がっているという綺麗なパズルのような作品。

外天楼 (KCデラックス)

外天楼 (KCデラックス)

 

 

3.ストロボライト/青山 景(全1巻)

ストロボライト

ストロボライト

 

 小説家希望の主人公と、主人公が好きだった映画作品に出演していた元子役のヒロインの恋愛物。甘酸っぱく、ビターエンドな恋愛ものが好きな人にオススメ。

作者の青山景さんはすでに亡くなっており、新作が読めないのがとても悲しい。

 

描写の仕方が独特で、主人公が過去を回想する形で物語がスタートするのだが、その回想している過去のシーンも「主人公が実際に体験したこと」と「ヒロインが出演していた映画作品」の垣根をあえて曖昧にして描いているので、「過去と現在」、「現実と虚構」が入り混じる特殊なつくりとなっている。

が、読んでいて混乱するわけではなく、おそらく作者もその構成にすることでミスリードを誘っているわけでもないと推測する。

面白いところは「主人公がヒロインを好きになっているのか、彼女が演じていた役≒女優としてのヒロインを好きになっているのか」があやふやになっていることであり、そんな二人の関係がどのような結末を迎え、その後主人公がどのような形で落ち着くのか、が丁寧に描かれていることだと思っている。

時系列順で語られていないことで、今の主人公がエピローグ的に片付けられていることを防いでいて、「今の主人公は何をしているんだろう」という視点、そして「過去の主人公はどのような恋愛をしていたのだろう」という視点が常に両立されているのが良い。

 

とりあえず、以上。1巻ではない、5巻以内の漫画を追記するかもしれません。もしかしたら別の記事にするかも。

 

 

【祝解決】金曜ロードSHOW!「カメラを止めるな!」を適切にCMで止めながら放送できるか問題

カメラを止めるな!」がついに地上波で放送されることになってしまった。我らが金曜ロードSHOW!である。

midoumairu.hatenablog.com

 私が唯一昨年2回映画館で見た作品であり、それはそれは面白い映画であった。それがゆえに、金曜ロードSHOW!での放送に不安を抱いている。

 

本作は大まかに2部構成になっており、前半で作中の登場人物が制作した映画を流し、後半でその映画がどのように作られたかを描いている物語だ。

その前半部分(おおよそ30分程度)は「ワンカットでゾンビ映画を作っている」というのが肝になっている。そう、ワンカットで。

 

そこで本作は地上波の宿命に立ち向かわなければならないこととなる。CM、そう、CMだ。スポンサー様に金をいただいているのだから、流さなければならないCM。映画の世界観とは何一つ関係のない15秒から30秒程度のムービー。

何たる悲劇。前半30分をCMなしで乗り切るなどTV局にとっては無理難題。ワンカットだから面白い前半を、意図的にカットせざるを得なくなってしまう。

作品の持ち味が金の力に負けて消し去られてしまう瞬間を我々は目の当たりにしてしまうだろう。

 

私は決してテレビで映画を見ない。ただでさえ映画館以外で見る映画は集中が削がれるのに、作品側の都合でぶつ切りになどされては作品を観ているとはとても言えない。ただ流れている作品を認識しているだけである。そこに心など介在しない。

そんなポリシーを持っているから、別に「カメラを止めるな!」がどのように放送されようが、私には関係のないことである。だが、昨年の話題をかっさらった作品を放送する権利を得たTV局が、どのように調理をするのかが非常に気になっている。

 

ワンカットであれ。せめて前半だけでもワンカットであってくれ。外から音がして主演役者2名と助監督が顔を見合わせた瞬間にCMとか入れなくていいから。本当に。おそらく前半部分で流れたCMの最初の企業を僕は絶対に忘れない。そして、「不幸だったな」と同情する。今、御社への印象は最悪ですよ。知らない人はただ「CMだ~」と思うかもしれない。しかしこのご時世、TV放送される映画の概要ぐらいほとんどの視聴者は仕入れている。だとしたら、ワンカットを外からの圧力でツーカット、スリーカットと傷つけていく。そんなCMで流れる企業に誰が魅力を感じるのか。

 

考え過ぎだろうか。考え過ぎなのかもしれない。だが、いつか放送されるであろうカメラを止めるな!(TV版)への思いをここに残しておく。

頼む、誰も傷つけない映画を放送してほしい。

 

(19年2月8日更新)

どうやら前半はCMなしで駆け抜けてくれるようです。完璧だね。

 

 

 

ワイヤレスイヤホンに変えたら二度とコード付きのイヤホンには戻れない。

私は新しいテクノロジーを手にすることへの欲求が著しく低い。

しかし、金と時間をかけずにそれらテクノロジーが手に入るのであれば、歓迎して利用しよう。いや、テクノロジーの多くは我々の作業時間を短縮してくれる便利なものなので、手に入るための時間的コストはあまり考えなくてもよいか。要はお金を使いたくないのである。

 

そんな私が、1万円以下ではあるが、良さげなワイヤレスイヤホンを手に入れた。何と無料で。

せっかくなので、利用した感想を文章として残そうと思う。

↑2期連続でBluetooth完全ワイヤレスイヤホン(1万円未満)部門金賞およびコスパ賞を獲得しているとのこと。

 

ちなみになぜこれが無料で手に入ったかというと、昨年11月ごろに友人に連れられ参加費無料のパーティが六本木に開催され、そこで11月が誕生月の参加者へのプレゼント企画があったのだが、11月に生まれた参加者があまりに少なすぎて1月生まれの私が2か月越しのおこぼれをいただいたという次第である。

 

六本木の無料で飲み食いできるパーティに参加したのも。

11月に1月の誕生日を祝われたのも。

ワイヤレスイヤホンも。

 

全て初めてである。3連バージン。バージンの点が連なり道となり、私は純白のワイヤレスイヤホンとバージンロードを駆け抜け、そしてついに結ばれた。私の純白のスマートフォンともBluetoothで結ばれるので少々複雑な関係ではあるが、そんなことはどうでもいい。スマホもイヤホンにも処女性は求めていない。

 

閑話休題。早速スマホとイヤホンを繋ぎ、利用してみたのだが、

これを使い始めてしまうともうコード付きのイヤホンには戻れない。

何が魅力かと言うと、主に以下の3点が挙げられる。

コードが絡まらない

従来の有線イヤホンだと何をどうあがいてもコードが絡まるし、コードが絡まないような収納グッズや綺麗な撒き方をするのは非常に面倒だった。

しかし、ワイヤレスイヤホンなら絡まない!そりゃコードがないからな。

 

なくさない

ワイヤレスイヤホンってなくしやすそう・・・と私も利用前は思っていたのだが、利用し始めると余地がないような気がしてきた。

イヤホンは片手で包めてしまうような小さなケースに収納し、充電もそのケースにandroidスマホと同じ規格の充電ケーブルを刺して行う。

僕はそのケースを常にコートかスーツのポケットに入れて置き、利用を終えたらイヤホンを収納している。その癖付けさえしてしまえば、ある程度の大きさががあるケースごとどこかにやるということはほぼない。

 

スマホから抜いたコード付きのイヤホンをどこに収納するかは結構迷うのだが、このケースならどこにでもしまえるので、住所さえ決めてしまえばなくす余地などないのだ。便利に利用できるし、無くすリスクもコード付きイヤホンとあまり変わりない。

なんか、カッコよく見える。

と思っている。というか、ワイヤレスイヤホン使っている自分ってカッコいいよね?的な気分になれる。

スマホと繋いでしまえば、再生も音量調整もイヤホンのボタンで出来てしまうので、耳元をさり気なく触り音楽を聴くカッコよい自分が演出できる。

ケースがスマートなのもGoodだ。絡まっているイヤホンを解く作業はカッコ悪いが、スタイリッシュなケースからイヤホンを取り出し、耳に装着するのにもたつくことなど一切ない。あまりよくないが、歩きながらでも余裕だ。傍から見たら「あ、この人すごくイヤホンの準備いい!カッコいい!」となっているはずである。

 

オシャレアイテムとしても機能するのがワイヤレスイヤホンの魅力だ。

 

今回のオチ

ちなみに、私は音楽や音楽を聴くための手段について全く詳しくないので、皆様が気にしているであろう音質については一切言及できない。

私が思うに、私がもらったこのワイヤレスイヤホンは、「いい感じ」だ。充電切れが近いとちょっと音が飛んだりするぐらいで、気にするほどではない。

 

音楽の素人がイヤホンのレビューをしようとすると、こうなる。

ブロガー諸君は覚えておいてほしい。無理はするな。

midoumairu.hatenablog.com

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