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TVアニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」のネタバレ感想-ぼっちちゃんを愛せない

bocchi.rocks

 

オタクたちの間でバズってたので見た。

 

良くできたアニメだと思ったが、残念ながら私にはあまり刺さらなかったので、そういった内容の記事を書きたい。

 

話の大筋は良い

コミュニケーション能力が致命的に低い主人公ぼっちちゃんが、勇気を出して学校にギターを持っていったことをきっかけに、バンド仲間が出来、バンド仲間に手を引っ張ってもらう形で夢だったバンド活動に従事出来たり、学校内での居場所が出来たりと、人間的な成長を描いたとても良い作品。

アジカンASIAN KUNG-FU GENERATION)の曲名をベースに各話のサブタイトルに設定されており、最終話のEDが主人公の歌う「転がる岩、君に朝が降る」であった。青春時代にアジカンを聞いていた層(つまりは今のアラサーだと思うが)にぶっ刺さる演出であり、それも良かったと思う。細かい演出というかキャラクターの描写も良くて、最初バイト行くだけでひーひ―言っていたぼっちちゃんが物語の最後にさも平然と”あーバイトとかー”などと何気ない一言を言うことで彼女の成長が描かれているという過剰演出し過ぎないキャラクター描写が良かった。

 

キャラクターがきつい

が、この作品の主人公ぼっちちゃんこと後藤ひとりが最後まで僕に刺さらなかったのが残念であった。

キャラクターとしては魅力的である。オタクが共感しやすいぼっち属性で、かつバンドはやったことがないからバンドでの演奏は得意ではないが、ネット上に動画を挙げているゆえ影(ソロ)では強者として扱われているという”なろう”感。

あとはまあ単純にビジュが良い。

ということで、オタクの大好物キャラクターであることはよく分かったのだが、僕は最後まで彼女を好きになれなかった。

 

というのが、まあこれはまんがタイムきらら(萌え萌えなキャラによる緩いギャグを展開する4コマ漫画だと僕は認識していて、代表的な他の作品は・・・たとえ古いけどらき☆すたとかけいおんとか?)が原作のアニメーション作品の宿命だと思うが、キャラクターの味付けが濃すぎて痛々しい。特にぼっちちゃんのぼっち描写やコミュニケーション弱者描写はあまりに露骨過ぎて胃もたれがしたぐらいだ。回を増すごとにそのキャラクターが改善されるのであればよいのだが、作中のもうこの年齢になったら笑うことが出来ないギャグで炸裂する基本的なぼっち属性は変わることなかった。まあ当然彼女自身の成長は作中で描かれているので、作品全体としてのテーマというかやりたいことは良く伝わってくるのだが、その萌えギャグ漫画特有のギャグシーンが無理すぎてぼっちちゃんにいくらプラスが加わっても12話通してずっとマイナスが積み重なっていく残念な状況になってしまったのだ。

が、それは前述した通り、良し悪しではなく”作風”であり、それが僕にハマらなかっただけである。ぼっちちゃんのぼっち属性の露骨さが軽減されていたら、その手のアニメーションを求めていたメインターゲットを逃すことになるので、僕みたいな素人野郎を対象に作品を作る必要などは一切ないのだ。が、かつてけいおん!らき☆すたを見てきゃっきゃしていた僕が、もうこの手のギャグを楽しめなくなってしまっているということに絶望したということだけ伝えておきたい(作品が悪いのではなく、私が変わってしまったのだ)。

 

が、幸いなことにぼっちちゃん以外はまともめな(=味付けが濃すぎない)キャラクターが多かったので、視聴に耐えないという状況は回避できた。ぼっちちゃんだけを際立させて他のキャラクターをまともにするのも、作り手の工夫なのかもしれないな。

 

あ、でも1人だけどうしようもない人いたわ。常に泥酔している人。文化祭のライブに泥酔して見に来た時には絶句したわ。あの人だけはどうにかしてほしかった。ちょっとどうにも共感できないし、何と言うか不安になってしまった。泥酔してないシーン、ぼっちちゃんになんかいいこと言ってた時だけだと思うんだけど・・・流石に普段あの態度じゃいいこと言っても刺さらないって・・・。虹夏ちゃんのお姉ちゃんに良いこと言ってもらったほうが刺さったなあ。。。

 

曲は流石に良い

EDもずっと一緒じゃなくて変わってたし、OPもよかった。作中で流れた曲も良い。まあ流石にそこら辺はバンドを題材にしたアニメだぜって思った次第でございます。

 

総括

12話通してストーリーがしっかりしていて面白かったが、味付けが濃くておじさんには胃もたれしました。これは嫌味ではなく、マジでこれを心から楽しめる人が羨ましい。作品のどうでもいいところが目について心から楽しめない状況は、作品ではなく僕が悪いのだ。良い点を見ていきたい・・・。