定時後に映画館

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手元に残している1巻完結漫画をおすすめする

私は図書館に足しげく通い、時にはGEOやTSUTAYAにも行くので、本は無料で借り、漫画も低額で借り、手元に書籍は置かないタイプである。かつて購入していた漫画も断捨離をし、今となっては手元に残っているマンガは僅か数冊になってしまった。

 

そんな私が、厳選し手元に置いている漫画を紹介したい。

徐々に更新していくので、とりあえず1冊で読み切れる作品から紹介。

 

1.ソラニン/浅野いにお(新装版1巻/ヤングサンデーコミックス2巻)

ソラニン 新装版 (ビッグコミックススペシャル)

ソラニン 新装版 (ビッグコミックススペシャル)

 

サブカル野郎に大人気な浅野いにお作品。映画化の影響もあり一番有名な作品ではないだろうか。新装版で1冊にまとめられたので、ギリセーフということで紹介。

 

大学を卒業してもミュージシャンになる夢をあきらめきれない主人公と、その恋人のゆるい幸せがだらっと続くかと思ったら・・・な話。

浅野いにお作品は色々と読み漁ったのだけれど、一番好きなのはべたべただがこれ。私は青春を引きずってしまった大人よりな人間の話が好みである。

これについては別途感想を書いている。

midoumairu.hatenablog.com

 

ちなみに、購入には至っていないが、1巻完結の「おざなり君」も結構好き。

おざなり君

おざなり君

 

常識が通用しない若手社員(おざなりくん)とうだつの上がらない上司(やぶさかさん)によるシュールギャグマンガの皮をかぶったロックでBLな漫画。おざなりくんがやぶさか部長を目の敵にする理由が後半で明らかになってからの展開が好み。

 

2.ネムルバカ/石黒正数(全1巻)

ネムルバカ (リュウコミックス)

ネムルバカ (リュウコミックス)

 

それでも町は廻っている」でおなじみの石黒正数先生の作品。

 

ただの女子大学生(表紙左/入巣)とそこそこ音楽の才能のある女子大学生(表紙右/鯨井)の話。真直ぐに夢に向かってバンドに打ち込んでいる鯨井は、夢もなく漠然と日々を過ごしている入巣にとっては眩しくて憧れの存在。僕も"一般人A"でしかなかったし、周りのちょっとデキる人間が羨ましかった人間だったので、入巣さんの感情がよくわかるし、鯨井さんが何者かになろうとして努力している様は輝いて見える。

大学生を経験した人全員にオススメしたい作品。

 

物語後半で鯨井に大きな変化が起き、同じ寮生である入巣との築いてきた関係も変わっていく。夢を追いかけ続けた鯨井先輩が決断した結末が最高にロックなので見てほしい。

なお、石黒正数さんは独特の世界観と推理小説のような緻密な物語の構成にも定評があり(読むたびに「頭いいんだろうな」と感じる。)、1巻完結の作品では「外天楼」の方が有名かもしれない。単発のエピソードがいくつか並んでいるかと思ったら、最後の壮大なオチに繋がっているという綺麗なパズルのような作品。

外天楼 (KCデラックス)

外天楼 (KCデラックス)

 

 

3.ストロボライト/青山 景(全1巻)

ストロボライト

ストロボライト

 

 小説家希望の主人公と、主人公が好きだった映画作品に出演していた元子役のヒロインの恋愛物。甘酸っぱく、ビターエンドな恋愛ものが好きな人にオススメ。

作者の青山景さんはすでに亡くなっており、新作が読めないのがとても悲しい。

 

描写の仕方が独特で、主人公が過去を回想する形で物語がスタートするのだが、その回想している過去のシーンも「主人公が実際に体験したこと」と「ヒロインが出演していた映画作品」の垣根をあえて曖昧にして描いているので、「過去と現在」、「現実と虚構」が入り混じる特殊なつくりとなっている。

が、読んでいて混乱するわけではなく、おそらく作者もその構成にすることでミスリードを誘っているわけでもないと推測する。

面白いところは「主人公がヒロインを好きになっているのか、彼女が演じていた役≒女優としてのヒロインを好きになっているのか」があやふやになっていることであり、そんな二人の関係がどのような結末を迎え、その後主人公がどのような形で落ち着くのか、が丁寧に描かれていることだと思っている。

時系列順で語られていないことで、今の主人公がエピローグ的に片付けられていることを防いでいて、「今の主人公は何をしているんだろう」という視点、そして「過去の主人公はどのような恋愛をしていたのだろう」という視点が常に両立されているのが良い。

 

とりあえず、以上。1巻ではない、5巻以内の漫画を追記するかもしれません。もしかしたら別の記事にするかも。