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「食戟のソーマ」が面白いので、ネタバレなしでざっくりオススメする。

shokugekinosoma.com

アニメ3期がやることを記念し、

shonenjumpplus.com

少年ジャンプ+ってアプリで、「食戟のソーマ」の序盤を読めるとのことなので、早速読んでみた。

 

修学旅行が終わった辺りまで(30話ぐらい?)しか読んでないんだけど、これは面白い。「ジャンプを卒業した大人が楽しめる、ジャンプらしい感覚の漫画」って感じだ。

 

アニメが3期までやっており、26巻も刊行されているマンガについての感想を、30話程度しか読んでいない人間が語ったところで何一つ面白みはないのだが。久々に面白い漫画に当たってしまってテンションが上がったモノだから・・・。

これから読むかもしれない誰かに向けて、ストーリーのネタバレを一切せずにざっくり魅力を語っていくぞ。

 

あらすじ

ジャンプの公式サイトから転載。

実家が下町の定食屋を営む中学生・幸平創真。目標である料理人の父を越える為、創真は修業の毎日を送っていた。

しかし突然、父から料理学校への編入話を告げられ...!? 創造する新料理マンガ、ここに開演!!

 

全く伝わらんな。これ以上の情報を付加しては行けないとなると何も説明出来やしない。

 

現在どの程度物語が進んでいるのかわからんが、 遠月学園という料理学校(高校)に入学して、仲間たちと一緒に主人公の創真が料理の腕を磨く、といったのが大筋の話の流れだ。

「料理?最近流行りの美味しい食べ物が並んだ人情漫画的な?」

違う。しっかりと「食戟のソーマ」は「少年漫画」それも「ジャンプらしい少年漫画」なのである。

 

ちゃんと「努力・友情・勝利」である

ジャンプの三本柱といえば、「努力・友情・勝利」である(最近は「努力」の代わりに「才能」が台頭してきていると言われているが、あえてそこについては議論しない)。

ジャンプらしい気持ちの良い主人公が、ある一つの目標に向けて、友人と励まし合いながら、あるいはライバルと切磋琢磨しながら、日々成長していき、そして目標を妨げる敵と闘い気持ち良い勝利を収める。

そんな物語であれば、ジャンプ漫画としては100点だと思う。そういう漫画は大体面白い。そして、「食戟のソーマ」は少なくとも30話時点ではそういう漫画である。

 

そもそも、料理という題材でジャンプ漫画らしい熱さをどう演出するのか、ということについて説明しておく。

タイトルにある「食戟」というのがこの漫画の肝で、主人公が所属する料理学校「遠月学園」では「食戟」と呼ばれる、料理人同士のバトルの仕組みがある。

簡単に言うと、料理の鉄人的なもので、料理人同士があるテーマに沿って料理を作り、審査員にどちらが美味しいか投票してもらい、勝敗を決める仕組みである。まぁ他にも細かいルールがあるのだが、そこは本編を読んで確かめてほしい。

その食戟を通じて、努力や勝利といったジャンプ的な熱さを演出しているわけだ(30話時点だとまだ単純に学校の先生的な立場の人に認めてもらうための試験への挑戦も多いが)。

 

とはいっても単純に勝負し、勝利しているだけでは漫画は面白くならない。

食戟のソーマの面白いところは、主人公創真の料理のスタイルにある。

彼は元々定食屋出身なこともあり、さらに高校からの転入生ということもあり、金持ちだらけの遠月学園ではナメられがちな存在である。

しかし、そのような逆風をものともせず、所謂庶民の料理を得意としてきた創真が、学園の金に物を言わせる料理に慣れた人々を、身近な食材で彼の経験に基づいた工夫で唸らせていく。その様が、見ていてとても気持ちよい。創意工夫で格上に挑んでいく様は、努力の積み重ねからの勝利の気持ちよさに近しいものを感じた。

 

さらにジャンプらしさと言ったら「友情」なのだが、学園ものらしく主人公創真には多数の学友が存在する(当たり前か)。食戟など料理での勝負を通じてライバルや敵対していた人が友人になるドラゴンボール現象や、ヒロインのピンチを創真が助けるヒーロー展開もてんこ盛りだ。また、日々行われる試験や食戟において、友人とペアを組んで取り組むこともあり、分かりやすい協力関係が描かれている。 

料理漫画ということもあり、各キャラクターには得意分野や食材が決められており、そのおかげでキャラクターも上手く立っている。30話時点ではまだあまり描かれていないが、創真が友人の得意分野から学び、さらに実力をつける、といった展開もいずれ訪れるであろう。

THEジャンプな気持ちの良い主人公だけでなく、彼の周りを囲む登場人物の魅力もポイントの一つだ。

 

上記したようなところが、ジャンプらしさだと思っている。気持ちいい勝利を収め、料理にひたむきであり、仲間思いである創真が最高にカッコいいのだ。

残念ながら、「ジャンプらしい漫画って言われても、そういうの飽きたよ」という人には「食戟のソーマ」は向いていないかもしれない。

しかし、それでももしかしたら「食戟のソーマ」なら楽しめるかもしれない。という話を次にしていきたい。

 

ナイス演出力

この漫画の大きな特徴は、美味しそうなご飯である。その描写力がすさまじい。

単純な「努力・友情・勝利」(もうファンタジーものやバトルものには感情移入できなくなってしまった)には感情移入しきれなくなった大人たち(主に私のことだが)の心

を、「美味しそうなご飯」という究極の題材が揺さぶるのだ。

 

そもそも作画担当の佐伯俊先生の絵がうまい。料理が本物のようである。余談だが、人物の描き分けもうまいし、女の子はエロいし可愛い。

 

さらに、この漫画の特徴でもあるのだが、料理を食べた人のリアクションにインパクトがある。だから、読み手もおいしく感じる。

だいたいテンプレ通りなのだが、食べた人は恍惚な表情を浮かべ、その料理の香りや舌触り、味を事細かに説明した後、「まるでXXXのようだ」と大ゴマでオチを付ける。そして多くの場合、可愛い女の子から、イケメン、おっさん、筋肉質な男まで全員が脱ぐ。脱いでエクスタシーに浸っている。あるいはそのシチュエーションに合わせたコスプレをしている。

これが面白い。ただの料理批評になってはつまらないところを、圧倒的な画力と比喩で料理を表現している。この演出がハマれば、この漫画はいつまでも面白いと思う。私は今のところ、飽きることなくこの過剰なまでのリアクションを楽しみに読み進めている。

 

ちなみに、この漫画には、監修を森崎友紀さん(有名な料理研究家らしい)が担当しており、「トリコ」のように空想上の素材や調理を行っているわけではないようだ。

実際に作ったら食べれることは個人的にはポイントが高い。3分クッキングを見て「おいしそうだなあ」と幸せになる感覚に近い。想像力が膨らむのだ。

 

以上、30話を読んだ時点での感想である。具体的な内容について一切記載しなかったもんだから、内容が薄くなってしまった。ぜひ、気になる人はジャンプ+で読めるから、DLしてみてほしい。

 

この先も食戟のソーマの魅力を見失わずに、30巻から40巻(長い漫画はあまり好きじゃないのだ)で完結してほしいものだ。30話以降は、TSUTAYAででも借りて読もうかな・・・。