【ONE PIECE】ベストエピソード(="編")ランキング
私は今年で25になるのだが、初めて読み始めた少年漫画が「ONE PIECE」であった。いまでも結構好きな漫画の一つである。
ネットでONE PIECEについてはいろんな話題が転がっているが、強さ談義やら素人の展開予想などは興味ない。「一般的にどのエピソード(=編)が好かれているか」が一番気になる。皆もそうではないだろうか。
というわけで、ワンピース素人の私によるエピソードランキングを公開したい。
エピソードの区分とランキングの選定基準について
エピソードの区分は頂上戦争編まではONE PIECE 無料連載公式アプリ - Google Play の Android アプリに記載されている区分に則り、特に記載のない部分については私が勝手に決定した区分としている。
【公式の区分】
・東の海編(1話~100話)
・アラバスタ編(101話~216話)
・空島編(217話~303話)
・ウォーターセブン編(304話~441話)
・スリラーバーグ編(442話~489話)
・頂上戦争編(490話~597話)
【私の区分】
・魚人島編(598話~653話)
2年後から魚人島出発まで。66巻の途中ではあるが、654話には魚人島を出発しているので、ここまでとした。
・ドレスローザ編(654話~801話)
ローやドンキホーテ海賊団幹部と接触していることも踏まえ、パンクハザードもドレスローザ篇としておく。
・ホールケーキアイランド編(802話~902話)
※20年3月14日更新
最近になってようやく読み終えたので、これもランキングに入れる。
というわけで、東の海編~ホールケーキアイランド編の計9エピソードをランク付けしていく。
ランク付けの基準だが、ざっくりだが以下のように考えている。
・ストーリ-の完成度(展開に無理がないか、間延びしないか、起承転結が綺麗か)
・キャラクターの魅力
・名シーン演出(印象に残るセリフやシーンがあるか)
なお考えてみたら結構優劣つけがたかったので、ランク上位は減点方式で優劣をつけざるを得なかった。悪しからず。
では8位からつらつらと。
9位 魚人島編(598話~653話)
【印象的なところ】
・2年後お披露目会
・種族の問題
・ジンベイ加入(仮)
ONE PIECEという大きな物語の一部である以上致し方がないが、2年後の成長した彼らが敵を圧倒しすぎており、全体的に緊張感がなかった。
特に2年後のシャボンディ諸島での再集合は最悪で、あれだけ仲間を大切にしていたにも関わらず、ギャグでクルーの顔が分からないという展開にしてしまったのは大きなマイナス点。
種族間の摩擦をテーマに掲げており、輸血中にジンベイに勧誘を行うシーンはグッとくるが、血の問題の入りがサンジの鼻血では・・・。
8位 スリラーバーグ編(442話~489話)
【印象的なところ】
・ブルック加入とラブ―ン伏線?回収
・七武海2連戦とゾロの男気
・ペローナ
お化け屋敷的なコンセプト・影入れ替えトリックは面白かったものの、ストーリーに盛り上がりが感じられず、敵キャラのモリアに魅力がない。ラブ―ンのエピソードとの紐づけも東の海編から時間が経ちすぎており「今更」感があり、ブルックの冗談を愉快にペラペラ話すキャラクター付けゆえに、孤独設定にも感情移入がしにくかった。
ペローナの可愛さと一味壊滅を回避したゾロの男気が光る。
7位 ドレスローザ編(654話~801話)
【印象的なところ】
・ローとの同盟
・多すぎる割にはキャラ立ちしている登場人物達
・ベラミー
パンクハザードの展開スピードは心地よく、ドレスローザ上陸後ももたついたものの、物語を展開するキャラクター達の魅力に助けられ最後まで楽しく読み切ることが出来た。インペルダウンほどではないが、ロー・サボなどの再登場を待ち望まされたキャラクタ―達の活躍も大きい。ドフラミンゴも久々の「大ボス感」があり、とても良い敵役を演じてくれた。
ちなみに私のドレスローザ編一番のツボはベラミー。人の夢を笑いルフィにワンパンでKOされた奴がここまで這いあがってくるとは。それでいてなお弱いのも人間味があってとても良い。
しかし残念ながらアラバスタ編と大筋が似通ってしまっているため、ランク的には落としてしまっている。アラバスタ編よりもドレスローザ編が好きな人はあまりいないのではないだろうか。
あとはおそらくONE PIECEを後々思い返したときに浮かんでくる鳥肌の立つような名シーンがないのも6位でとどまった理由。
6位 ホールケーキアイランド編(802話~902話)
【印象的なところ】
・有能ブルック
・ジンベイ仲間入り
・サニー号に帰りたい
・VSカタクリ
お馴染みになった仲間奪回エピソード。
連載当初に読んだときはVSカタクリ面白かったなあと思ったのだが、冷静に考えるとVSルッチのほうが肉弾戦としての描写は上だったし、話の主役であったサンジの「仲間を庇って系」のやつはロビンで十分であった。
圧倒的な格上に対してファイアタンク海賊団と手を組んで暗殺を試みるというのも面白いかと思いきや、今回殺しきれないことはほぼ読者は分かっていたし、そうなるとVSカタクリまでの尺が長いように感じてしまう。
ただ、最近キャラクターの扱いが適当になっているワンピースにおいて、サンジとプリンの心理描写はなかなか良かったと思う。プリンの本性を知って泣いているサンジやキスして記憶を抜くプリンは印象深い。
あとは、チョッパー以外のキャラクターの株もしくは戦闘の力が上がったので、次のエピソードに向けてキャラクターを育てられたという印象だろうか?
おそばマスクはやっぱりワクワクするし、ジンベイとゼウスが仲間入り、ブルックもこれまでのエピソードで明確な活躍をしていなかったが、最年長の貫禄を見せつけていた。
ただ、今のワノクニの盛り上がりを見ると、前座エピソードのように感じられてし舞うのが残念。マムも実質ワノクニでの処理になるわけだし。
5位 ウォーターセブン編(304話~441話)
【印象的なところ】
・ギアセカンド
・ロビンの「生きたい」とメリーとの別れ
・ロブルッチ
6位まではあっさり決まったが、5位以上の決定がかなり難しかった。
ロビンの「生きたい」やメリーとの別れはワンピースを語るうえで避けては通れない名シーン。また、ルフィVSロブルッチはワンピース全編上位に食い込む名バトルであったと思う(ギアサード後の限界状態での純粋な殴り合い)。
しかし残念ながら私はメリー号に大きな感情移入が出来なかった。いや船だぜ?船乗り換えるか乗り換えないかで一味離散の危機はねーだろ。というわけで、ウソップ離脱~メリー号追悼までの流れはあまり感情移入できなかったのが5位でとどまった理由。一味抜けるほどメリーに思い入れを抱いているウソップ、というのがもう少しこれまでのストーリーで描かれてたらなあ。
また、仲間奪回系の話ならアーロン編で十分・・・という印象もある。
デービーバックファイトには触れないでおく。
4位 頂上戦争編(490話~597話)
【印象に残ったところ】
・エースの死
・ワンピース史上最大のオールスター祭り
・一味離散
シャボンディ⇒女ヶ島⇒インペルダウン⇒頂上戦争。スリラーバーグやアラバスタ編で一味全滅の危機やルフィ敗北などの描写はいくらかありましたが、明確な一味としての敗北が描かれたのはシャボンディ諸島が初めて。
「まぁ何だかんだ死なないし、勝つんでしょ?一味の友情パワーでさ」のマンネリから抜け出したのが頂上戦争編の一番の魅力。シャボンディで壊滅するわ、エースと白ヒゲは死ぬわで「本当にこれはONE PIECEか?」という新鮮味があった。
少々重い天竜人と魚人の差別についても持てあますことなく描き切っており、ONE PIECEの世界の闇を垣間見せることにも成功しており後々の展開に大きく寄与している。
そして何より素晴らしいのがインペルダウン編。かつての敵が味方になるワクワク感は長期連載の少年漫画なら一度はやりたいボーナスタイム。戦争突入から多少もたついたが、インペルダウンの「次は誰が?」という期待感はすさまじかった。
3位 東の海編(1話~100話)
【印象的なところ】
・二度と敗けねェから!!!!
・くそお世話になりました!!!
・当たり前だ!!!!
東の海編といっても大きな流れはなく島ごとのエピソードが連なっている構成。長期連載の弊害ではあるが、東の海編以降ドンドン展開スピードが遅くなっているので、この頃のペースが一番読みやすい。一つ一つのエピソードがコンパクトにまとまっているため、アラバスタ編や空島編のような伏線を貼ったうえでのダイナミックな物語展開とオチを魅せることはないが、それぞれのエピソードがしっかりと面白いので問題なし。
グランドラインに入る時の野望の宣言もこれから始まる冒険への期待感を膨らませる東の海編の幕引きに相応しいシーンであった。
名シーンが多い。上記したゾロVSミホーク後の宣言、バラティエ出航時のサンジ、ナミの「助けて」に応えるルフィなど。ウソップ海賊団解散とその後チュウ戦での「海賊ごっこは終わったんだ!」の流れも好き。
また、ルフィが最も魅力的なキャラクターであったのもこのシーン。ウイスキーピークでのゾロとの喧嘩をきっかけに、「阿保だけど大いなる人望がある船長」へとシフトチェンジしていったが、東の海編のルフィは「大雑把だが良い意味で空気が読める」人だった。
かつてのルフィなら藤虎に殴るときにわざわざ攻撃方法を口に出したりしないし、2年間のブランクで仲間の顔を忘れるような真似はしないだろう。そして、今のルフィなら、ガイモンには宝箱の中身がないことをハッキリと伝え、おそらくコビーを殴らせるような演技もできない。
名シーンの多さ、ルフィの人格、そしてつまらないタイミングが一切ないという点を評価し3位。
2位 アラバスタ編(101話~216話)
【印象的なところ】
・冬に咲く桜
・×
・クロコダイル
映画化までされたエピソードが2つも入っているアラバスタ編を下位にするわけにもいかず2位。とはいったものの実際ドラム島の桜の木の演出とビビとの別れのシーンは「このために読んできた!」と思わせてくれるような完璧なオチであった。
アラバスタ本編では七武海のクロコダイルが最後までルフィの前に立ちふさがった(しぶとかったのはルフィだが)。古代兵器のために国一つ乗っ取ろうとするスケールの大きさ、ロギアの絶望感、アラバスタの民を悉く踏み台にしていく姿勢はまさしく悪のカリスマ。言ってしまえば、ドフラミンゴの完全上位互換である。
アラバスタの民衆や国王への描写をちゃんとしていたため、ビビの「この国を愛してるから」が利いてくる。シャボンディ諸島もそうだが、ルフィ達周辺のことだけを描かずに、その周りの人々とのやり取りの中で彼らの生活をしっかりと描写できると、ただルフィ達が暴れて敵が勝った以上の意味をストーリーに見出すことができてとても良い。
国と民の姿をドラマチックに描いたアラバスタ編が2位。
1位 空島編(217話~303話)
【印象的なところ】
・人の夢は終わらねえ
・エネル
・鐘
「ONE PIECEを途中で読むのやめた」という人はたいていアラバスタ出航と共に卒業している。それゆえ空島編はあまり評判がよくない。サバイバルも間延びしているという意見も多数ある。
だが私は1位に空島編をあげる。空島編のストーリーの完成度はONE PIECE内でぶっちぎりだ。芸術と言ってもよい。
霧に浮かぶ巨人の姿
↓
先祖の因縁を晴らすために黄金郷を探すクリケット。同じように夢幻と言われている空島への航海を手助けしてもらう。
夢を笑うベラミーと「人の夢は終わらねえ」のティーチが良い味を出している。
また、この時点で空島と黄金郷が関わっているとクリケットが分かっていないことが物語のミソ。後になって結果的にルフィが恩返ししたことになったという運びになるのが、利害を超えた友情らしさを演出していて非常に良い。
↓
空島突入。丁寧な過去編により、クリケットの先祖、ノーランドの思いと黄金郷の真実を読者に伝える。
↓
エネル撃破と同時に「黄金郷は空にあった」ことを伝えるためにルフィが鐘を鳴らす。
↓
鐘の音とともに霧にルフィのシルエットが浮かび、ルフィが黄金郷の存在を証明したことがクリケットに伝わる。
こんなにも美しい展開を週間連載でやってのける尾田氏は化物である。 細かい登場人物の思いやギミックがすべて鐘を鳴らすルフィという最高のフィナーレへの伏線になっている。サバイバルが間延びしているのは否めないが、麦わら一味の冒険だからそれは仕方がない。それにしたって無駄な描写は一切ないような気がする。
また、エネルという強敵の存在も大きい。彼の前に次々と仲間が倒れていく中、天敵のルフィが驕った神を打ち砕くという展開も少年漫画らしい爽快感があって大変よろしい。
もはや完全な好みなのだが、空島編1位だけは譲れなかった。世の中の意見と違っていてすまない。
それではさようなら。ワノクニ早く終息してもらって一気読みしたいですね。