定時後に映画館

ITパスポートの記事が人気の、映画ブログです。

【Netflixお題】2017年に見たベストアニメとして「四畳半神話大系」を推す。

2017年、湯浅政明監督のアニメ映画が2本も公開され私にとってはほくほくの一年であった。

 

森見登美彦氏原作の「夜は短し歩けよ乙女」。「逃げ恥」で勢いをつけた星野源氏が声の出演をしており、それなりにメディアにも取り上げられていたのではないだろうか。

kurokaminootome.com

midoumairu.hatenablog.com

 

さらにその直後に「夜明け告げるルーのうた」。アヌシー国際アニメーション映画祭長編部門にてクリスタル賞(グランプリ相当)を受賞。公開時期が短かったが、凱旋公開が行われ、私はその凱旋に救われた人間の一人であった。FLASHアニメの威力を見せつけられた。

lunouta.com

midoumairu.hatenablog.com

 

同じ監督のアニメ映画を2本立て続けに見ることが出来るのは中々幸せなことで、特に「夜明け告げるルーのうた」は2017年のMYベスト映画なのではなかろうかと思っているのだが、既に記事を書いてしまっているので、割愛。

 

私がイチ推しする2017年に見た作品は「四畳半神話大系」である。

yojouhan.noitamina.tv

簡単に説明しておくと、腐れ大学生の「私」が所属したサークルによって自らの大学生活がどのように変化していったかを描く「if」ものである。森見登美彦氏の十八番である京都の名所を大いに盛り込んだ舞台設定、そして何より自意識全開の主人公、可愛らしいヒロイン(明石さんは最高に可愛い)、曲者だが憎めないサブキャラクター(小津は名キャラクターである)が特徴の作品だ。

 

なぜ今更「四畳半神話大系」なのか。「夜は短し歩けよ乙女」を劇場で見た直後、「四畳半神話大系も見返したい!」という思いにとらわれ、ブルーレイボックスを引っ張り出してきたのだ。

夜は短し歩けよ乙女」と「四畳半神話大系」は登場人物が被っているなど世界観を共有しており、片方を見てしまったらもう最後、もう片方も見ずにはいられない。アニメ版「夜は短し」には「四畳半」のキャラクター・モチーフが原作以上に登場しており、ファンにはたまらない作品となっている(小津っぽいカミサマとか、ジョニーとか)。

 

森見登美彦氏×湯浅監督のタッグの素晴らしさは原作の良さを踏襲しつつアニメーションだからこそ映える演出やオリジナルのストーリー展開をやってのけるところにある。

原作は計4話。1話完結という形になっている。4話ともルートは違うがオチはほぼ同じという構成が面白い。

しかしアニメ版は全11話という大きな流れでオチをつけなければならない。原作通りに同じオチを各話でやっていたら視聴者が離れていくだろう。そこで「もしも私が別のサークルに属していたら」という基本的なコンセプトは踏襲しつつも、10話~11話に話のオチを持ってくるという形にした。

基本的には1話で1エピソードが完結する構成なので、原作では描かれないエピソードもふんだんに盛り込まれており(原作が4話分しかないから当然である)、アニメ版ならではの楽しみがあるのが良い。そして10話~11話のオチは基本的に原作から外れていないのがとても良い。

原作がある映像作品において「原作改編」についての議論は避けて通れない道ではあるが、「四畳半」は見事にアニメならではの楽しみを作り出しながらも原作をリスペクトする最高の作品に仕上がっている。

「私」の一人称小説である原作の空気感を出来るだけ再現しようと「私」の声を演じている浅沼晋太郎氏がひたすらに喋り倒しているのも面白い。こんなにぶつぶつしゃべり続ける声優はあまりいない。

原作が好きでアニメ版を嫌いになる人はいないと思う、この作品においては。

 

四畳半神話大系」はネットフリックスで見れるらしいので、ぜひ見てほしい。

「ずっと話が進まなくてつまらない」と思ってしまうタイミングがあるかもしれない。しかし、覚えていてほしい。少しずつ前進していること、そしてこの作品の大きなオチの感動は、この「繰り返し」があるからこそなのだと。

 

ちなみに、湯浅監督のアニメーションがネットフリックスで来年から公開されるらしい。楽しみ。

devilman-crybaby.com


伝説のコミックが過激に甦る!『DEVILMAN crybaby』PV第3弾

↑走ってるシーン、脚がぬるぬる動く。湯浅監督だと確信できるワンシーン。

 

というわけで、2017年一番良かったアニメ「四畳半神話大系」でした。