映画を趣味にしたいとき、何をすればいいのか。
先日リモート飲み会で参加者全員がオススメの映画を語るという面白いプチイベントが行われた。
ついつい友人がオススメしている映画に余計な一言を添えてしまうなど酒で露呈した自己顕示欲が醜かったり、差別化など下手な考えを巡らせてしまったがゆえに素直に自分が熱量を持っている映画を紹介が出来なかったりと個人的な反省点はいくつかあったのだが、そんなことはどうでも良いと水に流せるほど、友人達の多種多様なオススメ映画を訊くことは非常に楽しかった。
その流れで「どのような映画から触れるのがいいだろう」という話も出て、昔書いた記事のことをふと思い出した。
↑要は趣味を映画と自称することは「映画知識マン」を期待され、私の様にただぼんやりと映画を見ているだけの人間は期待を下回るだけのピエロになってしまうといった内容を記した記事だ。
私は「仕事ではなく自由時間で楽しむために見るのだから好きなように見ればいい」とも思ったのだが、我々は社会的な人間であり、どうしても趣味を一つ持つにしても、「周りの人」という評価者を意識してしまう。
もちろん上のリンクの記事に書いたような【映画知識マン】になるべきという話ではない。
周りの人と話題の照準があっていたり、自らが映画を見ていることについて少しでも誇りとまではいかないまでも「俺最近映画見るようになってさ、こういうのが好きで・・・」と自己紹介の足しにできるような付加価値があったほうが、きっと趣味としては楽しいものになるのではないだろうかと思った。
そこで、もうすぐKINENOTEで記念すべき1000本目の映画をマークしようとしている【映画をやや多めに見ており】かつ【今となってはONE PIECEとITパスポートの記事でアクセスを稼いでいるかつての映画ブロガー】として、「せっかくだからこんな手順で映画を見始めるとより楽しめるのではないだろうか」という視点で、映画趣味のススメを残しておこうと思う。
何が趣味の価値になるか
まずは、【より良い趣味の考え方】を定義しないと方法を記載できないので、個人的に映画が好きでよかったと思う理由を価値としたい。
①熱中できる
⇒映画を見ている間は何よりも楽しいと思えるのが一番大事だと思う。他者の目の話はその後で十分だ。
②他者とのコミュニケーションに活きる
⇒例えば【僕が好きなMCUのファン同士で鑑賞会をして楽しい】とか、【「映画詳しいんだね~」「え、そんなことないけど好きではあるかな~。なんか見たい映画ないの?今度映画館一緒に行こうよ~、え、うちで鑑賞会だって!?まぁいいけどねHAHAHAHAHA」】などなど。
一人で楽しむよりはみんなで共有した方が楽しい、というのは比較的一人で楽しむ要素が強い映画でも一緒で、それはアプリのfilmarksの存在や低額配信サービスが台頭している中でも映画館デートがいまだに是とされている現状が証明しているのではないだろうか。
趣味にするためにどのようなアプローチをすればよいか
軸は2つあるとは言えど、結局やるべきことは重複しているので、あまり難しいこともない。
①熱中するためには
単純に、好きな映画を探せばいいのだ。
見ただけで楽しい気分になれる最強の1本を持っていれば精神を高揚させるための趣味として十分機能する。
さらに、例えば【ジャンル】や【監督】や【役者】など自分が好きになる映画の傾向が分かっていれば、同じ作品を何度も見るという楽しみ方以外の拡張性も出てくる。新しいものを探す楽しみも増えるし、最高だ。
要は、好きな映画を探すために
①-1.自分を楽しませてくれる映画の傾向を知る
①-2.自分を無敵にしてくれる最高の1本を探す
というステップを踏むと良いのではないだろうか。
②他者とのコミュニケーションに活かすためには
これも単純に2分出来て、コミュニケーションは基本的には【A.自分から発信すること】と【B.相手の言っていることを受け取ること】で成り立っている。
要は、【A.自分から発信すること】のおいては自分が熱量を持って好きな映画を話せばいいだけだ。つまり前述した熱中するためのプロセスを踏めばいい。
ここで注意したいのは、間違えても【他人にウケそうな映画を無理に好きにならないこと】だ。
なぜって?嫌だろ、そんな趣味。映画のうんちくで女子を落としたい人には有効かもしれないが、映画好きって言っても全然モテないからな?気を付けろ?
ちなみに、次章以降はもう映画のあさり方の話になってしまうので、ここで余談として【デートや会社の人数多めな飲み会などで使いたい、映画にあまり詳しくない相手もしくは興味がない相手が混ざっている場において伝わりやすい映画の語り方】は以下の通り。
⑴.タイトルを伝える。そのタイトルの誰でも納得する推しポイントを話す。
これは映画の予告動画で語っていることの丸パクリでよい。主演俳優がブラピとか、アカデミー賞をとったとか、興行収入がすごいとか、監督が有名な映画を撮った人だとか、主題歌が有名とか。出来れば興行収入とか賞よりも、人や他の有名作品と紐づける形で話した方が、相手の引きは良い。
それを伝えるだけで、次の話に繋がりやすい。
要は、映画があまり好きじゃない人でも「この監督のこの映画は見た~」とか「この俳優は好き~」とかもう少しキャッチボールがしやすい話題に転換しやすくなる。
⑵ジャンルを伝える。
おおよそどういう話なのかはジャンルで分かるので、必ず伝える。
ここでも「アクションはよく見る~」とか「ホラー苦手~」というなんとなくの相手からリアクションを引き出せるので、キャッチボールがしやすい。
⑶なぜ好きなのかを話し、あらすじは話さない。
あらすじを話し出すと大体自分の話は長くなってしまうので、端的に好きなポイントだけ話す。ローマの休日なら、アン王女が可愛い!でいいし、ワイルドスピードなら、あのシーンのアクションが最高だ!でいい。
もし向こうが興味を持ったらあらすじを質問してくれるし、興味がなければ話が流れるので、「まぁ興味がある映画あったら今度一緒に行こうよ」で終話しよう。
・・・まああれだ。
映画好きじゃない人に、映画のことを話すっていうのは、あまり楽しくないけど自己紹介としてなかなか有用だから、そういう口頭のテクニックも用意しておくと便利だよな。
閑話休題。
そして、【B.相手の言っていることを受け取ること】で会話を楽しむためには、相手が好きな映画とその熱量を引き出すコミュニケーションを心がければいい。
その時、やはり役立つのは映画に関する知識になる。興味を持つという真摯な気持ちが最も大切だが、さらにそれに磨きをかける手札は多いほうが良い。
というわけで、②のステップで追加したいアクションとしては、
②-1.浅く広く映画の何となくの知識を手に入れておく。
となる。
具体的に何をすればよいか。
まとめると、 映画を趣味として楽しむアクションプランは以下の3つ
②-1.浅く広く映画の何となくの知識を手に入れておく。
⇒人との会話を楽しむために 。
①-1.自分を楽しませてくれる映画の傾向を知る
①-2.自分を無敵にしてくれる最高の1本を探す
⇒本気で好きになるために。
説明しやすいように、順番を②⇒①に変えてしまったのだが、上記3つのステップを踏めばいいというわけだ。
【②-1】については「人様の会話に合わせるために映画見るなんて嫌じゃない?」といった考え方もあるかもしれないが、いずれにしても好きなジャンルや好きな映画作品を見つけるために、ある程度は映画について浅く広く知っておいた方が良いと思う。
まだ見ぬ名作が君の人生を変えるかもしれないのだ。その可能性は広げておいたほうが未来は楽しい。
というわけで、簡単に何をすればいいか記載してみる。
②-1.浅く広く映画の何となくの知識を手に入れておくためには・・・
これは「知識」と書いているから難しそうに見えるだけで、別に監督の名前を暗記しろとか撮り方や演出に詳しくなれ、とかそういう話をしているわけではない。
ただ、多くの人が見てそうで、多くの人が好きそうな作品は、とりあえずあらすじぐらいはググってみて、興味があるなら見てみようぜ。ということが言いたい。
多くの人が見てそうで、多くの人が好きそうな作品の判別は結構簡単。
・賞を獲った(=「万引き家族」とか「パラサイト」とか)
・有名なスタジオ/監督/スタッフ(ディズニーとかジブリとか、監督は……誰だろう?)
・シリーズ化されている作品(ワイルドスピードとか、007とか)
・金曜ロードショーの常連
・(今なら)コロナの影響で新作が公開できない映画館で復刻上映している作品
などなど、こういった知名度が高い作品は当然多くの人がお金を払ってみたいと思っているわけだから、クオリティが高い場合が多い。
だからこそ、「映画を全く見たことないです!」みたいな人こそ、こういった王道の売れている作品から手を付けていただきたい。
その数をこなしていると、大体自分はどんな作品が好きか、という傾向が見えてくるはず。
ちなみに、単純に私が対人関係で心がけていることに過ぎないが、有名作品に限らず人のオススメは無理ない程度に実際に触れてみて、それについてオススメしてくれた人にラインをするなり飲みで話すなりすると、とても楽しい。
自分が好きな作品にその人のオススメで出会えることができたら、その事を伝えてさらに別のオススメしてもらおう。次のオススメも自分に刺さる可能性が高いので良い。
まとめると、
ある程度知名度のある作品は面白いので、見ておくと自分が好きな作品を探す指標になりうるし、誰かが見ている可能性も当然高くなるので話が盛り上がりやすくなる。
ということだね。
①-1.自分を楽しませてくれる映画の傾向を知るには・・・
前述した方法で名作あさりをしていれば大体つかめてくるのだが、大まかな方向性を決めた後は一つのジャンルを網羅するといいと思う。
網羅とは、
・一人の監督を決めて、その作品を全部見る
・シリーズを全部見る
・好きな女優が出てる作品を観まくる
などなど、その系譜のモノをとりあえず全部見てみるということだ。
これは何と言うか・・・オタク的なコンプリート欲求が満たされるので純粋に気持ちがいいし、自分の好みの傾向が似通っている作品をたくさん見ることができるので楽しい。
あとは、人に話すと、会話が弾みやすい。
MCUとかは結構その筆頭で、全部見ておけば深く話せてより楽しい!みたいなところがある。
あとは網羅しておくと、単作で話をするより相手が知っているもしくは見ている可能性が高くなるので、相手側が話に乗って来てくれやすくなる。
①-2.自分を無敵にしてくれる最高の1本を探すには・・・
で、ある程度好きなものの方向性がわかったら、最後に究極の1本を決めておこう。
それ必要?って思うかもしれないが、自分が好きな作品をしっかりと決めておき、それをBDなどで手元に置いておくだけで、楽しい。
空いた時間とかに見ちゃう時間が楽しい。
なんとなく映画を見ることが好きよりも、好きな作品があったほうが良いと思う。
あとは、コミュニケーション的な側面で言うと、映画好きって言うと「おすすめの1本は~」って訊かれる。絶対に訊かれる。
↑参考記事。オススメ映画についての回答に困り果てた私が遂に導き出した3本。
これらは全部BDを買ってみたのだが、あるだけでウキウキするから良いし、オススメを誰かに訊かれたときにはもはや早押しクイズのごとく食い気味で答えられる。
以上が映画を趣味にしてみたい皆さんにオススメのステップである。
まとめると、
幅広く見て、好きなジャンルや作品群をごそっと見てみて、最高の1本を決めちゃおう!
と言った感じだろうか。
随分長かったが、ここである気付きがあった。
今回のオチ
「映画を趣味にする方法には三つのステップがあって・・・」なんてことを君に教えてくれる、映画好きの友人がいたとしよう。
滅茶苦茶嫌じゃね・・・?
現実では口外しないようにしよう。
それではさようなら。
※ちなみに「映画 趣味」で調べると映画が趣味であることについて論じている記事が結構ヒットする。
映画に限らず創作の良さは【ある人生を知ることが出来る】ことだと思っているよ。
趣味にするとかしないとかどうでもいいから、映画をみんなで楽しもうね。