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【アベンジャーズ/エンドゲーム】ホークアイが主人公(感想:ネタバレあり)

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もはや説明はいらないと思うが、アイアンマンから続いていたMCU作品群の一つのピリオド、つまり最終作(wikiを見るとスパイダーマン:ファー・フロム・ホームはエンドゲームの後の話でいわゆる「フェーズ4」ではなく「フェーズ3」らしいので、インフィニティストーンをめぐる物語の最終作はファー・フロム・ホーム、という考え方もあるらしい。ちなみに「フェーズ4」で制作発表されているのはGotG3、ブラックパンサー2、ドクターストレンジ2である)であるエンドゲームを見てきた。

 

正直「早くアベンジャーズが揃っているシーンを見たい」という逸る気持ちを抑えられずに、中盤多少間延びしているのではないか?とも思ったが、3h近く尺があるので思い入れのあるキャラクターの掘り下げはばっちりであった。ファンはこの作品を否定など出来ないだろう。

 

長いから目次を作った。

 

 

ネタバレを含むあらすじ

以降の感想を書く上である程度流れをまとめておいた方が良いので、ざっくりと書いておく。

 

前作インフィニティウォーで生き残ったヒーロー達でサノスの討伐(=半分に減った世界を元に戻す)に行くが、サノスは既にインフィニティストーンを破壊しており、「指パッチンアゲイン」は不可能な状態に。激昂したソーに首をはねられ、サノスは死亡。

ちなみに宇宙組の生き残りだったアイアンマンとネビュラはキャプテンマーベルに救われて地球に帰還。スタークの悪い癖が出て、討伐には彼は参加せず。ちなみに本作はホークアイの家族が指パッチンで消されるシーンから始まるのだが、この段階ではまだホークアイは合流していない。

 

5年後、アントマン&ワスプの最後で量子世界に閉じ込められていたアントマンが、ネズミが偶然スイッチを押したことでこの世界に帰還。量子世界と現実世界の時間の歪みを利用して、サノスが指パッチンをする前に戻ることで、この世界をやり直すことを提案。

midoumairu.hatenablog.com

 キャップとブラックウィドウアントマンで天才スタークの元を訪ねるが、彼はペッパーと結婚し子どももいる立場。危険に立ち向かうことを拒む。しかし、指パッチンで消えたスパイダーマンことピーターパーカーを思い、タイムトラベルの方法を導き出し、キャップたちと合流。合流時にキャップの象徴である例の盾が手渡され、ようやく二人が和解した瞬間だった。

なお、一度トニーに断られたキャップたちはハルク状態でも理性を保てるようになった第二の天才ブルース・バナーを頼ることになるのだが、彼らだけではタイムトラベルの方法は導き出せなかった。流石トニースターク。

 

作戦を立てた結果、

①キャップ・アイアンマン・アントマン⇒映画「アベンジャーズ」の時期にタイムトラベルし、マインドストーンとタイムストーンを回収。スペースストーンの回収に失敗したため、キャップとアイアンマンは更に過去に戻り(キャップの恋人が現存しており、スタークの父が生きていた時代)、スペースストーンを回収。

 

②ソー・ロケット⇒映画「マイティ・ソー/ダークワールド」の時代にタイムトラベルし、リアリティストーンを回収。その際、ムジョルニアも回収して現代へ。

 

ブラックウィドウホークアイ⇒映画「GotG」の序盤の時間にタイムトラベルし、ソウルストーン回収。インフィニティウォーではガモーラが犠牲になったが、今作はブラックウィドウが犠牲になった。

 

④ジェームズ(ウォーマシンの人)・ネビュラ⇒映画「GotG」の序盤の時間にタイムトラベルし、パワーストーン回収。しかし、この時代の改心前のネビュラの企みがばれ、この時代のサノス・ガモーラ・ネビュラを現代にタイムトラベルさせるきっかけを作ってしまう。

 

と言った形ですべてのインフィニティストーンを回収。キャプテンマーベルは現存組だったが、全宇宙を守る立場だからか、過去に行くメンバーとしては参加せず、クライマックスの総力戦で地球に戻ってきた。

ハルクの指パッチンで、半分に減ってしまった人類を復活させるが、その直後に過去から現れたサノスに急襲される。

その後はお決まりの復活したヒーローも含めた総力戦。最後はアイアンマンが指パッチンによりサノス軍をせん滅し、その代償として彼が命を落とす。

 

その後はエピローグ。インフィニティストーンを元の時代に戻しに過去に行ったキャップは、過去で歳を重ねて老人になって帰ってきた。みんな大好きファルコンに盾を託し、彼もヒーローを引退することとなった。

 

あらすじを書くだけで既に2000文字に近い文章を書いている。

我々が望んでいたアベンジャーズ大集合まで時間がかかったもののの、集大成らしくインフィニティストーンの回収を立て付けに今までの経緯をビジュアルと話でなぞりつつ、キャラクターの過去を掘り下げるという手法はなかなかいいなあと思ってみていた。

さて、ようやくツボポイントをかけるぞ。

キャプテンアメリカとアイアンマンが完成し、アベンジャーズが終わった。

本作はアベンジャーズが終わる物語なのだが、やはりその中心的人物であったキャップとアイアンマンがヒーローとして完成したからこそ成り立つ「終わり」であったとひしひしと感じた。初代アベンジャーズの主要メンバーは全員本作で輝いていたものの、本作の主役は間違いなくこの2名である。

アイアンマン過去作を見るとある種のビジネスマンらしい冷酷さと我儘な部分が全面に出てしまっていたが(キャップと比べると"ヒーロー"というには利己的な部分が強く出ていた)、本作では家庭という第一優先で守るべきものを持ちながら、消滅したピーターパーカーを思いタイムトラベルに力を貸し、最終的には自らの身が危険に晒されることが分かっていながらも、「私はアイアンマンだ」とサノスに言い放ち指パッチンし、最愛の妻に見届けられながら命を落とす。彼の葬式には多くの仲間が訪れ「彼にも心がある」とメッセージが添えられていた。まさしく正真正銘の愛すべきヒーローになってアイアンマンは終わったのである。今までの社長を目の当たりにしていた我々にとっては、信じられないほどの成長であり、そんな彼がいなくなってしまうことがたまらなく切ない。

キャップに関しては元より彼なりの信念を貫くヒーローらしきヒーローではあったものの、己の信念、信じる正義が国やマジョリティから外れてしまうことが多く、今となっては国を背負うヒーローではなくなってしまっていた。しかしサノスとの闘いの中で高潔な心を持ち、王の素質がある人しか持てないムジョルニアを駆使して闘ったことで、彼の正義を、彼が真のヒーローであることを証明してみせた。

 

アイアンマンは愛されるヒーローになって死に、大義のために闘い続けたキャップは自らの人生を歩みヒーローを辞めた。お互いに反発しあっていた2人が、大切なものを手に入れて終了という最高のエンディングは今までの積み重ねがないと成り立たない。

ちなみに本作の最後のカットはスティーブと彼の恋人ペギー・カーターとのダンスのシーン。彼の願望はしっかりと叶っている。

 

ホークアイが主人公でブラックウィドウがヒロイン

主役作品がないものの初期からの主要メンバーで「アベンジャーズ」と冠がつく作品での活躍をいつも期待されていたホークアイブラックウィドウ

本作は失った仲間を取り戻す逆襲の物語ということもあり、エイジオブウルトロンから家族が大切にしていた父親としての側面を見せていたホークアイと、家族を持たずともアベンジャーズというチームに愛着を持ち、平和を守るために闘ってきたブラックウィドウはそれぞれ大きな役割を担っていた。もはやソーとかハルクとかも喰ってるぐらい。

※ソーも最初から最後まで彼らしく、サノスへの敗北というトラウマを乗り越え、総力戦の前にはキャップ、アイアンマンと並びサノスと闘うというなかなかの主人公っぷりを発揮していたが、あくまでも従来の彼としてのヒーロー像に「敗北」という今までにない味付けがされたという印象だったので、どうしても他のヒーローに比べると目立ちにくいところではあった。ブルースはハルクと和解してしまったことでハプニング性がなくなってしまったのが少しだけ残念。

 

特にホークアイはすごい。本作の最初のカットはホークアイの家族が指パッチンで消滅するシーンだし、以降自棄になり殺し屋稼業に首を突っ込み、過去を取り戻せると知ってからは過去へのテストジャンプに自ら立候補するなど積極性を見せつけ、目の前でブラックウィドウという大切な仲間を失い、ハルクによる指パッチン後に消滅した人間の復活を確認するのも彼の妻からの電話で、インフィニティガントレットを最初に回収し、仲間に託す。物語の大きな起点となるシーンはすべてホークアイを中心としており、もはや主人公と言っても過言ではない活躍っぷりであった。

 

ブラックウィドウは大切なものと引き換えにしか手に入らない石ソウルストーンのために自ら犠牲となったが、お互いが迷うことなく自分が犠牲になろうと崖から飛び込もうとしたことから、アベンジャーズという組織が彼らにとって、特に家族もなくエージェントとしての人生を全うすることしか残っていなかったブラックウィドウにとって、家族同然の大切なものであるということがひしひしと伝わってくる。

ソウルストーンは家族がいない彼女が愛されていたという証明でもあり、彼女が飛んだということは彼女自身がそれを信じていたということであり、彼女の死に方はガモーラとは違い幸せなものだったように思える。彼女も本作において、キャップやアイアンマンと同じように、大切なものを手に入れて引退したヒーローの一人だろう。

 

総力戦が熱い

言うまでもないが、敵と味方の総力戦が本作の最高の盛り上がりポイントである。キャップの「アベンジャーズ・アッセンブル」をどれだけ待ち望んだか。あの瞬間の興奮はもはや忘れられない。

各ヒーローともしっかりと活躍しておりとても良いシーンだったのだけれど、僕はキャプテンマーベルの圧倒的な力とヒーローとしてはか弱いピーターパーカーを守ろうと大集合する女性陣が個人的なツボ。ペッパー・ポッツ、しっかりとアイアンスーツ着て登場してて頼もしいなあって思った。

 

今後について

MCUお馴染みのエンドロール途中に流れる映像と「〇〇は帰ってくる」だが、今回は映像もその表記もなく終わった。まさしく最終作、といった印象が強くなるが、次回作のファー・フロム・ホームにおけるアイアンマンとキャップが不在の世界で、一番未熟だったヒーローであるスパイダーマンが、本物のヒーローとなるのが「本当の終わり」なのだろう。フェーズ3が本作ではなく、「ファー・フロム・ホーム」で終わるのもそれなら合点がいく。

次回作が決まっているGotG3で気になるのは、この時空においてガモーラは生き返ったものの(ガモーラが死ぬ前の過去から現在にタイムトラベルしたまま、彼女はおそらく死んでいない)、GotG1で築いたガーディアンズとの絆は一切なかったことになってしまっているということ。代わりにネビュラとソー(アスガルドの王はヴァルキリーに任せた)が仲間入りしているので、彼らが登場するのかも気になる。コメディ色強めなGotGシリーズへのネビュラの加入は絶対に面白いが、ソーはなかなかキャラクターが濃いので収拾がつかなくなりそう。もしかしたら序盤で「ソーはどこかで下ろした」みたいな感じで説明が入って本作にはあまり出てこないということもありそうだ。

フェーズ4もおそらく大きな目標に向けたストーリー展開になると思われるので、どこに着地を指せるのかがとても気になる。

まとめ

このシリーズを追い続けてよかったと思える最高の作品であった。KINENOTEの点数が本日時点で90点を超えていたのだが、それだけの点数がつくのも納得がいく内容だ。

ぜひ劇場で見てほしい。