定時後に映画館

仕事の片手間に映画の話をします。

【働き方変革】定時退社の限界と諦め#わたしの転機

ちょっと前に働き方改革関連法案における「裁量労働制」について世間で話題になっていた。

私のもいわゆる「裁量労働制」に近しい制度の下企業に勤めていて、深夜残業及び休日労働には特別な手当てが発生するが、それ以外の時間帯にいくら働いても賃金は同じという環境で働ている。

裁量労働制自体の詳細があまりよくわかっていないので、「近しい」としている。制度自体の詳しい話は頭の良い人がしてくれればいい。間違えてたらごめん)

 

 私は金と時間が大好きなので、残業しても一切金が出ないならば残業などしないほうが良いと思い、いや、残業などしないほうが良いと心に強く刻み込み、入社1年目からとにかくスピードを意識して仕事をするようにしていた。結果、社会人3年目の上半期ぐらいまでは、ほぼノー残業で務めることが出来ていた。

 

 方法は結構簡単だ。

 

 やれと言われたことはやる。素早く、正確にこなす。わからないことを振られたら素早く8割完成させ、先輩に方向性を仰ぎ、その方向性に沿った10割のアウトプットを素早く叩きつける。

まぁそういうことが出来るのは若手のうちだけかもしれないが、どんな年次・職種の人でも1人で決定できる仕事などないだろうから、早く仕事を終わらせるための汎用的な方法だと思う。決定権を持つ人、自分が持たない情報を持つ人にさっさと自分のアウトプットを出し、返事をもらうのが早く仕事を進めるポイントだ。

 

 昼食は食べない。休憩の1時間を業務対応に回し、集中して定時に帰れるようにしていた。 

 

さらに、定時の鐘がなった瞬間に帰る。鳴った瞬間にはパソコンを消し、「お疲れさまでした」と何食わぬ顔で出ていく。一緒に仕事をしている先輩には、定時の2時間前には「今日に終わらせなければいけないこと」を握っておいて、終わらせてから帰る。もちろん藪蛇になりそうなときには、確認などせず逃げるように帰る。

 

 仕事において自らの意見や自主性、積極性は大切にしない。「○○な仕事がやりたいです!」と目を輝かせて採用面接をし、入社したのは良いもの、やりたい仕事などそんな簡単には降りてこない。僕は幸いにも希望する部署に配属されたが、そうじゃない人の方が絶対に多い。そのうえ希望した部署に配属されたところで、イメージしていた希望する仕事が出来るとは限らないのだ(僕の場合はそうだった)。「やりたい仕事を獲得する」よりも、「目の前の仕事を楽しもうとする」ほうが実は低コストだ。

僕は仕事自体に興味がなくても、「早く終わらせる」というタイムアタックを楽しむことで、仕事へのパフォーマンスを落とさないようにしていた。 

 

そういうことを淡々と続けていると、「こいつは定時に帰りたいという強い意志を持っている」かつ「仕事が早くそこそこ便利」かつ「だが、積極性はないし、仕事を作れるタイプの人間ではない」という評価を受ける。

問題ではないが、出来はしない、そういう社員だ。 

 

まぁ企業の中で上に上がっていける人は一握りである。それになれるとは思っていない。しかし露骨に手を抜くと、今度は切り捨てられる側に回ってしまう。努力してまで評価されようとは思っていないが、ダメな奴と認識はされたくない。そんな絶妙なモチベーションで「定時後に映画館」に行けるような社会人生活を悠々と過ごしていた。3年目までは。

 

定時退社の限界

しかし残念ながら今の私は仕事に忙殺されている。

なぜなら、仕事をすればするほど実力は上がっていき、その分任せられる仕事も増えていくからである。しかし、仕事の処理速度を上げるのには限界がある。いずれ「その人の仕事の処理能力」を「その人に担当させたい仕事の量」が上回ってしまうのだ。そのタイミングが私にとっては4年目だった。

 

①早いゆえに便利屋的なポジションとしてのポジションを確立する。そして、定時退社をし続けたゆえに、「仕事で忙しい」という印象が一切ないので、先輩の手伝いとしてどんどん使われる。

※さすがに頼まれた仕事を断わるだけの勇気は私にもない。

 

②手伝った仕事は大体理解できるようになるので、その分野の仕事をある程度担当できるようになる。

 

③「これ出来るよね?」と言われ、私主幹で行う仕事が増える。

 

④さらにまだ部署で一番若手であるゆえに「これ手伝ってくれね?」的な仕事もまだまだ多い。②に戻る。

 

人によっては正のサイクルだが、早く帰りたい人にとっては負のサイクルである。

そりゃ年次が上がっていくごとに給料も上がるので、当たり前のことのような気がするが、入社当時の私はそれが理解できていなかった。「定年まで定時退社で基本給だけで生活しよう!」なんて夢のような話はないのである。

 

私は定時退社の限界を悟った。タイムアタックもクリアできないという現実を理解してしまった以上、モチベーションを高める方法としては不十分だ。

私は自己中心的な人間なので、やる気がないとまともな仕事が出来ない。

深夜まで追い込まれている時に心を折らないようにするためには工夫が必要だ。

では、どうしよう。

 

金と時間からの精神的開放

今回のお題「わたしの転機」がこれだ。

もはや単位時間当たりの収入(xxx円/xxx時間)を気にせずに、せっかく任せられた仕事なのでクオリティを高めようと考えるようになった。

「早くこなす」から「より良く仕上げる」に切り替えるのである。

 

切り替えたきっかけは、「諦め」。

 

もはや残業しても金は出ないから金は諦めよう。

残業せずに仕事をするのも無理だから、定時退社は諦めよう。

 

会社勤めをしていてオフィスタイムに私を華やがせてくれる可能性があるものを考えてみると、金と定時退社以外にあるとしたら、仕事そのものしかないのではないだろうか。そうして、初めて「仕事の内容」そのものについて考えてみた。

まぁなかなか仕事自体もつまらなくはない。面白いこともある。やりがいもありそうだ。結果、そんな結論が出た。

 

金と時間を諦めて、仕事を楽しめるようになりました。

 

今文章を書いていて「私は何かに洗脳されているのではないか」と不安になったが、まぁ適応能力が高いのだと思っておこう。

労働において金と時間という概念は切っても切り離せず、ないがしろにした瞬間ビジネスは崩壊するのだが、「賃金」と「労働時間」をガッチガチに意識しすぎずに多少遊びを設けさせてみると、今まで見えてこなかったものが見えてくる。

そういう話がしたかった。それがわたしの転機。

 

今回のオチ

とはいっても、長時間労働はきついし、残業代はほしい。

仕事自体を楽しむ!なんてそれっぽいことを言ったものの、それだけでは精神が持たん。仕事のことばかり考えてたらバランス悪いだろ?僕は違うけど、家庭とか子どもを持っている人なら特にさ。

 

休日遊びに行ける程度の給料をくれ。

定時後に映画館に行かせてくれ。

19時からの合コンに行かせてくれ。

 

忙殺されながらも仕事をある程度楽しんでいる。それでも私は仕事以外を楽しみたい。その気持ちは忘れてはいけない、という戒めが今回のオチでした。

 

 

裁量労働の手当てが基本給+αでつく

◇想定された残業時間以上の残業をした場合は、超えた分の残業代をさらにつける

ってルールが一番良いと思うんだけどね。想定残業時間を超えないようにスピード感もって仕事もしようとするし、想定時間以上の労働にもやる気を出せるから。

 

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