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【アベンジャーズ/インフィニティウォー】サノス様が主役(感想:ネタバレだらけ)

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見てきた。MCUファンなら確実に楽しめる作品。よくまあここまで全員(アントマンとかホークアイとかはお留守番だったけど)活躍させながら、綺麗にまとめたものだ。

いきなりネタバレで感想書きます。ネタバレ怖い人は、回れ右。

後半にオチ部分のネタバレと今後の予想を書いてるから、オチだけ確認したい人はスクロール。

 

サノス、ヴィランの美学

感想で書きたいのはここだけである。サノスが良いヴィランであった、ということだけだ。

本作の主役はアイアンマンでもキャップでもソーでもなく、ヴィランのサノスである。

これは私が「サノスかっけー!!!ヒーローとか目じゃないぜ!!!」と逆張りの視点で考察しているからではなく、公式が意図して彼を中心とした物語として「インフィニティウォー」を制作していると思われる描写がいくつもあるから間違いない。

※この映画はサノスが野望を叶え、満足気に朝日(多分。劇中で朝日と言っていた気がする・・・夕日だったらごめん)を眺めるシーンで終えているし、MCU作品のエンドロール後に必ず表示される次回作をにおわせるメッセージ「xxxは帰ってくる」が本作においては「サノスは帰ってくる」であった。

サノスが抱く正義と、アベンジャーズをはじめとしたマーベルヒーローズの抱く正義のぶつかり合いを描いたのがこの作品であり、サノスの正義が本作(続編では共通の敵が現れてサノスが寝返るか、サノスが敗れるのだろうけど)においては勝ってしまった、というのが本作のオチである。

 

サノスがただのサイコ野郎で「全宇宙の人口を半分にする」という野望に背景がなければ彼はただのヒーローの餌食になる魅力無きヴィランで終わっていたのだが、彼という人物の掘り下げがしっかり行われていたのが本作の一番の魅力。

初代「アベンジャーズ」から存在を匂わせていた大ボスであったこともあり、彼の人物像への期待は長い期間を経てパンパンに膨れ上がっていたのだが、想像をはるかに超える味のある人物として本作で完成していた。

 

特に娘であるガモーラ(ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーシリーズのヒロイン)との関係性がしっかりと描かれていたのが良かった。

GOTGシリーズにおける彼女やドラックスの語り口から「無差別に銀河中で殺戮を繰り返している悪役」としてのイメージが強く根付いているが、サノスは無差別に殺戮することこそが銀河を救うことに繋がり、その殺戮行為に苦痛を伴わせないためにインフィニティストーンを集め一撃で全宇宙の人口を減らそうとしているという信念を持って行動している。大きな野望があってからこその殺戮であり、その行為に対して心を痛めていないというわけではない人間らしさがサノスにはある。

※幼少のガモーラに殺戮の場面を見せないように顔を背けさせたシーンがあったが、幼いガモーラにとってその現場は残酷であるという認識をサノスが持っていたという象徴的なシーンであったと思う。

 

そういった人間らしい一面を覗かせるサノスを劇中で小出しにしていき、クライマックスでサノスがガモーラを愛してたという描写を差し込むのだから卑怯である。

魂のインフィニティストーンを手に入れるには、愛する者を犠牲にする必要があるのだが、サノスは愛する娘であるガモーラを自ら崖から投げ落として石を手に入れた。それも泣きながら、娘に愛を伝えてから。

このシーンから、世界が正しい姿を保つために心を苦しめながらも自らの信じる正義を貫いてきた彼の野心の大きさと本気度がヒシヒシと伝わってくる。そりゃ仲間の一人も犠牲にできなかったヒーロー側の陣営は負けるわな。

※本作ではドクターストレンジがアイアンマンを救うために、時間のインフィニティストーンをサノスに手渡し、ヴィジョンが額に持っているインフィニティストーンをギリギリまで破壊できなかったが故に多くの犠牲を出し、結果サノスの手に渡ってしまった。見事にサノスのやり方の逆を行っている。

 

彼の信念と感情移入できるだけの人間らしさを「インフィニティウォー」で初めて描き、彼をただのヴィランではなくキャップやアイアンマン達と同じように一つの正義の価値観を持ち合わせた人物であるということを印象付けることが出来た。だからこそ、彼はただのヴィランではなく主人公になりえたのだ。

 

なお、彼の圧倒的な強さの描写にも抜け目がない。本作に登場する多くのヒーローがサノスとぶつかり合っているが、ほぼ全員一撃で終了。

宇宙パートでアイアンマン、スパイダーマン、ドクターストレンジ、スターロード、ドラックス、マンティスが作戦を練ってギリギリのところまで彼を追い詰めるが、結果失敗。あのシーンはヒーローサイドの活躍を描くシーンなので、サノス自身の強靭さが全面に押し出されているわけではないが、これだけのスーパーヒーローが束になっても敵わないという意味ではサノスへの絶望感を視聴者に叩きつけた戦闘シーンだったか。

 

特に彼の強さを一発でアピールした冒頭のシーンが好きで、ロキがハルクを頼って窮地を脱しようとするが、純粋な殴り合いでハルクはサノスに敗れてしまう。シリーズを続けてみている人は分かると思うが、戦闘にハルクが現れたら大抵勝ちパターンで、我々視聴者もある種の安心感とハルクの圧倒的な暴力の爽快感を楽しみにしている部分もあるのだ。そのハルクが序盤の序盤で軽く退けられたのだ、サノスの強さが一発で分かる良シーンである。

 

ヒーローサイド、死に過ぎ。

この作品は大量のヒーローを登場させながらも、それぞれにちゃんと見せ場があるのが素晴らしいところだ。また、「ソー×GOTG組」、「アイアンマン×ドクターストレンジ(どちらもプライドが高いのが面白い)」などこれまで関わりのなかったメンバーがガッツリと絡むのがファンとしては嬉しいところ。

特にGOTG組は原作の軽やかなコメディ風のやり取りをどのキャラクターともこなしてくれるので、全体的に重めになりがちな本作のバランサーとして大いに機能していた。GOTGの合流を僕は一番期待していたのだけれど、しっかりと期待通りの動きをしてくれていた。

 

まぁヒーローたちのカッコよさは劇場で見てくれればいい。例によってアイアンマン、そしてソーが本作ではかなり活躍していた。次いでスパイダーマン、ドクターストレンジ、スカーレットだろうか。スターク社の派手な武器を搭載していない地球純粋人間組はどうしても「派手さ」で他のメンツに劣ってしまうのが残念だが、次回作に期待。

 

とは言ったものの、次回作が不安になるほど味方陣営が死んでいって私はビックリした。キャラクター多すぎるから絞ったのかな?

とりあえず、記憶にあるやつのみ書いてみる。映画長いし、抜け漏れあったらごめんね。

 

【サノスに手を下されて死亡】

・ロキ

ヘイムダル

・ガモーラ

・ヴィジョン

 

【インフィニティストーンによって人口半分になった際に消滅】

スパイダーマン

・ドクターストレンジ

・スターロード

・ドラックス

・マンティス

・グルート

・バッキー

ブラックパンサー

・スカーレット

・ファルコン

・ニック(エンドロール後)

・マリア(エンドロール後)

 

といった感じで、多くのヒーローが死亡している。アベンジャーズ4で動かせるメンツを絞ったので、だいぶ次の展開を考えるのが楽になったんじゃないだろうか。今後公開される映画からある程度のアベンジャーズ4の展開が予測できる。

 

初代アベンジャーズの面々は全員生き残っており、シビルウォー後に顔を合わせていないキャップとアイアンマンは本作でも一度も顔合わせをすることはなかったので、続編で彼らが合流することはほぼ確定であろう。また初代アベンジャーズであったような集合シーンが見せてほしい。オマージュを希望する。

 

死んだキャラクターについても、GOTG3作目およびスパイダーマン2作目が決まっているので、おそらく彼らはアベンジャーズ4で生き返るだろう。GOTG組の主要キャラはロケットとネビュラしか生き残っていないので、彼らが復活しないとGOTG3作目の絵面が悲惨だ。スパイダーマンなんて、もはや主役不在になりかねない。

 

また、今後合流する可能性があるヒーローとして、本作のエンドロール後の映像にてニックが消滅する直前に救難信号を送ったキャプテンマーベル、2018年夏に主演映画が公開されるアントマン(ワスプも)が期待できる。

インフィニティウォーでは「自宅謹慎」として話題として上がるだけの参戦となったアントマンだが、あんなに面白いキャラクターを放っておいてはもったいない。おそらく「アントマン&ワスプ」は時系列的にシビルウォーとインフィニティウォーの間だろうけれど(世界の半分が消滅した世界では物語が展開しにく過ぎない?)、エンドロール後とかに次回作への参加を匂わせてくれるはずだ。

 

何はともあれ、本作はサノスを主人公として据えた場合はある意味綺麗に完結しているけれど、ヒーローサイドから見るとあまりにも消化不良なので続編が気になるところ。早く公開してほしい。