【映画ドラえもん のび太の宝島】HPがエイプリルフールで幽霊船になってやがる(感想:ネタバレあり)
うわあああああ
感想を書こうとしたら、公式HPの帆船が幽霊船になってるじゃねえか‼
エイプリルフールかな?
脚本が川村元気氏というわけで気になっていたので、久々に劇場でドラえもん見てきた。
というわけで、容赦なく大人の目線で子ども向け映画を語りたいと思う。
全体的にキャラクターが良く動いているし、音楽も良かったし、シナリオも大まかにはわくわくして良い内容だったと思うのだけれど・・・。
細かいところがなあ。
全体の総括(いきなりネタバレ)
のび太がパパと謎の喧嘩して出ていったから、父親と子どもというテーマとなるんじゃないかなと思って見ていたら、想像通り映画オリジナルキャラクターのフロック・セーラの父親が今回のヴィランで、物語の最後には和解エンドとなっていた。
「宝島」とあったので、やはり想像するのは冒険・宝探し・海賊というわけだったのだが、肝心の「島」が移動する未来の船(長編ドラえもんでは未来の敵が現代に現れるのはよくあることだが)というのがまず少し残念。このテーマなら、「宝島」でやらなくてもいいんじゃないかと思ってしまった。
「宝物は金銀財宝ではなく、家族の絆」的なまとめ方はとても良いし、シルバーとフロック、セーラが和解したシーンは涙目になってしまったが、そこに至るまでに過程に結構大き目の穴がぼこぼこ空いていて、物語に集中できないレベルだったのが哀しいところ。子ども向けと言えど、ある程度の整合性が担保されていないと流石に苦しい。
例えば、すごく気になったのは以下の点。
①そもそも宇宙に旅立つために、海賊行為をする必要がないのではないか。宇宙に金銀財宝持っていこうとする人がいるのか?物語に海賊という要素を盛り込み、「金銀財宝よりも大切なものはね」的な展開に持ち込みたいがゆえの舞台装置感がすごい。
②地球の火山エネルギーを凝縮した塊に生身ののび太が突っ込んで大丈夫なのか。ここはひみつ道具使ったほうが疑問が生まれなかったのではないだろうか。まぁ道具を使わず打算ではなく感情で動くのび太のほうが観客が感情移入しやすいって狙いはあるかもしれないけれど。
要は、見せたい場面やシーン、メッセージ性がはっきりしているので、パーツとしてはとても良く、全体を通してみている分には「面白かったなあ」とは思えるのだけれど、設定ディテールが全然詰められていなくて一度疑問を持ってしまうとそれがずるずると引きずられてしまうような作品だった。
クイズが作品のペースを乱していく
作中に登場するクイズというオウム型ロボットがいるのだが、彼はなぞなぞをだして会話をするというなかなかクレイジーな設定を持ち合わせており、彼が話す度にその他の面々が回答を考えるというシーンを挟まなければならないため、相当物語のテンポが悪かった。
劇場版名探偵コナンの博士のなぞなぞぐらいがちょうどいいと思う。子ども達のお楽しみタイムは1度でいいのだ。
ちなみに、クイズがいなくてもこの作品は結構中だるみしている。序盤にしずかちゃんが攫われてからはのび太パートとしずかパートが同時に進んでいくから、明らかに物語の展開が遅くなっており、しずかちゃんと合流するまでが非常に長く感じてしまった。
海賊らしい戦闘があまり見れていない
最初の海賊たちの襲撃では船上での戦いがあり面白かったが、それ以外ではそういう海賊っぽい闘いは見られなかった。特に物語中盤「何をやってもダメ」とへこんでいる素振りを見せているのび太が、終盤になっても活躍する機会なく(ドラえもんを身を挺して助けたことぐらいか)物語が終わってしまうのも残念
「昼寝とあやとりじゃ・・・しずかちゃんを助けられないよねえ」
みたいなことを劇中でのび太君が言っていたのだけれど、そこは!!!射撃あるじゃないか!!!射撃でかっこいい見せ場を作ってやれよ!!!
と思いました。
ロボットに対して早打ち決めてるシーンあるけれど、すぐ復活しちゃってたしなー。
ヴィランとの和解エンドとなると、のび太に銃口向けさせるのは厳しいし、仕方がないのだけれど、そういうことをやりたいのなら最初から「宝島」という戦闘を期待させるテーマでこの家族の物語を描く必要はないのではないかと思った。
小ネタが好き。
「金曜ドラでしょう」というポスターがのび太の押し入れに貼っているが、おそらく本作のヴィランの中の人が大泉洋だからそんなのがあったのだと思う。
僕はここしか見つけられなかったけれど、他にも遊び心でそういったネタがあるかもしれない。
来年は・・・
毎年楽しみな来年の予告。
来年はコミック原作「異説クラブメンバーズバッジ」の映画版、つまりはリメイクではないオリジナル作品となるみたいだよ。