【ワンダーウーマン】戦局を一人で変えるバランスブレイカー(感想:ややネタバレ)
見てきた。ヒーローのクロスオーバーものはやっぱり燃えるということで、DCコミックの方も「マン・オブ・スティール」から順に見ている。
で、少々遅めだけれど、「ワンダーウーマン」も見てきましたよ、という話。
話の流れとグッと来たポイントを説明していくぞ。
そもそも・・・「ワンダーウーマン」って?
「DCエクステンデッド・ユニバース」(DCコミックヒーローのクロスオーバー企画)では既に「マン・オブ・スティール」、「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」、「スーサイド・スクワッド」が公開されており、これら3作の時系列は公開順となっていたが、「ワンダーウーマン」はこれら3作よりも時系列はかなり昔の話。
wikiのあらすじを読むと、どうやら第一次世界大戦中の話らしい。
「ワンダーウーマン」はダイアナの幼少期から、この世界を訪れ(元々女性だけが暮らす外界から閉ざされた島で暮らしていた)、戦争を終結させ、ヒーローになるまでの過程を描いた作品。「マン・オブ・スティール」から続く映画の流れの続編というよりは、登場人物を掘り下げるための番外編と考えてもいいかもしれない。
なので、11月に公開を控えている「ジャスティス・リーグ」は、「ワンダーウーマン」を見なくても雰囲気で楽しめるはずだ。「ワンダーウーマン」を見ていない人も安心してほしい。
あらすじ
例によってwikiがネタバレあらすじ、公式が一般的にあらすじと呼ばれているあらすじを担当しているので、公式の方のあらすじだけ記載しておく。
ネタバレ見たい人は以下のリンクからどうぞ。
①ダイアナ幼少期。彼女は女性だけが住む外界から閉ざされた島の王女。リトル・ダイアナは闘うことが大好き。戦闘の訓練をアンティオペおばさんにしてもらいすくすく成長。
②時は経ち、ダイアナは立派な女性に(ここから女優がガル・ガドットにチェンジ)。ある日、イケメン(名はクリス)が島の近海に飛行機ごと落下してくる。クリスを助けたのは良いが、ついでに敵が攻めてくる。クリスの助けもあって、どうにか撃退。
③クリスから外界で戦争が起きていることを知らされたダイアナ。そもそもダイアナ達の使命は「戦いの神アレス」が世界を滅ぼすのを防ぐこと(ごめん、ちょっとここ曖昧)。ダイアナは「きっとアレスの仕業よ!奴を叩くわ!そして外の戦争をとめてくる!」と奮起して、クリスと一緒に外の世界に旅立っていきました。
というのが公式に記載されている大体の流れ。
序盤にダイアナや彼女らの一族(アマゾン族)がどのような使命を持って生まれてきたのかの説明があるのだけれど、よく僕にはわからなかった。
とにかく分かったのは、
①人間ではない、超人(バットマン寄りではない)
→まぁこれは「バットマンVSスーパーマン」を見てれば明らかか。
②神々の闘いの末に生まれた種族。再び闘いが起きないようにするのが使命。
③闘いの元凶は「アレス」にある。
ということである。まぁこれだけざっくり分かっていれば、問題ないだろう。
ダイアナの正義感がどのように培われたのかがよく分かる映画
最近のヒーローものはすごいなーっと思っていて、とりあえず戦闘をやってかっこよく見せておけばよいという次元に留まらない。
ダイアナは「自らの信念を貫く」「自分が正義だと思ったことなら何でもやる」「犠牲を出すなんて許せない」といういわゆる小学校の女の子学級委員長的な幼稚な正義感の持ち主だったのだけれど、戦争のリアルに触れること、そして一人の兵士としてしか闘えないと分かっていても妥協しながら世界を正しく導こうとするクリスとの関わりの中で、「この世界」で本当に必要な正義感というのを身に着けていく。
人間に失望することもあったけれど、最後には「愛」に目覚めるという女性らしいヒーローの誕生の物語だ。
「バットマンVSスーパーマン」の時には既に大人の気品あるヒーローとなっていたダイアナではあったが、そのバランスの良い慈愛に満ちた正義感を身に着けるまでの過程が丁寧に描かれている。
戦争という人が次々と死んでいくリアルな環境で、教科書通りの正義感が通用しないっていうのは割と描かれるテーマだけれど、それを超人が主人公の映画でやると重みが違ってくる。
「ワンダーウーマンでもどうにもできないのか」的なね。
戦闘もなかなか良い(ここから少しネタバレ)
まぁこの映画ではだいたい3回ほど、ダイアナの戦闘を楽しめる。
①戦地にて、重火器を持った敵兵士に一人で突っ込んでいく無双的戦闘
②ドーピングでダイアナ程度の力を手に入れた敵とのタイマン
③アレスとの人間の域を超越した神々の闘い(イメージは「バットマンVSスーパーマンのドゥームズデイ戦に近い)
まぁ流石ヒーロー映画といったところで、ヒューマンドラマもしっかりやりながら、戦闘についてもパターンを複数用意していてぬかりない。
②タイマンはすぐに終わってしまい(敵が噛ませ犬)、③神々の闘いはアクションというよりはスケールの大きい映像技術の見せ場となっている(ドゥームズデイ戦よりもバットマンとスーパーマンの戦闘の方が見てて面白かったのと理屈は一緒だ)ので、①戦地での無双戦闘が一番の見どころかと思う。
状況としては硬直状態となっている戦場にダイアナが突っ込んでいき、その後に味方側の兵士が続き、戦局が変わるというもの。その後訪れた町の建物の屋内でも重火器を持っている兵士相手に無双を繰り広げる。
ダイアナの装備は剣とロープと盾。盾一枚でガトリング砲どころか大砲を弾き、近接したところをロープと剣でなぎ倒すという戦闘スタイル。大勢をものともしない無双感が、ダイアナの超人っぷりを演出している。
ところどころ映像をスローにして戦闘に臨場感を与えているところは上手い。しかし、人間離れしたアクション(人間にはあり得ない凄い跳躍をするとか)はちょっと違和感があるのでなんだか笑ってしまう。まぁそのギャップも楽しんでほしいところだ。
余談
エンドロール後の映像は特になかったので、ご自由にご退席を。
ところで、この記事を書くにあたって、今後の「DCエクステンデッド・ユニバース」の作品を確認してたんだけど、フラッシュとバットマンの単独映画って予定されてないんだな。特にバットマンはジョーカーとの決着をつけるべきだろ。
もう一回ハーレー・クインちゃんを劇場でみたいんだけどなあ。