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【カーズ3:クロスロード】選手から師になること(感想:ネタバレあり)

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大分前に見てきたけど、完成度がとても高くもはや言うことなしの傑作だったので、感想を書くことを放置していた。お盆で暇になったので書くぞ。一言でいうと、「脚本が美しすぎる」だった。

 

ディズニー長編アニメーションとは違って、ピクサー作品はトイ・ストーリーをはじめ、積極的に続編公開をしているのが特徴的。

確かウォルトディズニーアニメーションスタジオ制作の長編作品で続編があるのは「ビアンカの大冒険」と「アナと雪の女王(来年公開予定?スタジオがどこかはまだ明確になってない・・・?)」だけだったはず。

対してピクサーは「トイ・ストーリー」「ファインディングニモ」「Mrインクレディブル」そして「カーズ」と続編制作に積極的。

やはり作品の数を重ねるだけ、登場人物に味が出てくるのが続編モノの良いところだが、「カーズ3」は1作目「カーズ」を踏襲した良い作品だった(カーズ2はメーターが実質主役で、割と物語の本線から外れたアクションものだったので、3への布石にはなっていない)。

 

物語の流れを説明しないと何が良いのか説明できないから、今回はネタバレありで書いてく。

 

あらすじ(ネタバレ)


映画『カーズ/クロスロード』日本版予告編

結構衝撃的な予告編だったよね。マックィーンがクラッシュしているの。

 

ディテールは説明しないけれど、大まかな話の流れはこんな感じ。

正確なあらすじはwikiを見てくれ。

 

①次世代のレーサーが台頭してきて、マックィーンが勝てなくなっていく。もはや過去のスターと成り下がっていた。

 

②そんなマックィーン新しいスポンサーが付き、勝つための先進的なトレーニングを行うことに。クルーズ・ラミレスちゃんがトレーナーとしてマックィーンに指導を行う。

 

③しかしマックィーンはラミレスちゃんの指導方針が気にくわない。指導を無視した結果、スポンサーのお偉いさんに「次回のレースで勝てなければもうレースには出さない」と約束させられる羽目に。マックィーンは独自のトレーニングを実行する。今まで触れてこなかった砂浜でのタイムアタックに付き合わされたラミレスちゃんは、上手く砂浜で走ることが出来ない。逆にマックィーンがラミレスちゃんを教える立場に。

 

④しかしタイムが伸びないマックィーンはレースに参戦して自らの実力を試そうとするが、事故で「マッドマックス感溢れる他の車をクラッシュさせて生き残ったら一台が勝利するレース」に参戦することになる(名前忘れた)。その際巻き込まれたラミレスちゃんが偶然にも優勝。しかしマックィーンがB級レースに出場していたことがマスコミにばれ、イラオコなマックィーンがラミレスちゃんと喧嘩。しかし、何だかんだで仲直り。ここでラミレスちゃんがマックィーンにあこがれ、レーサーになりたかったことが明らかになるが、これが後々に活きる重要な伏線となる。

 

⑤優勝するためにマックィーンは次の手を打つ。かつての師ドック・ハドソンの故郷を訪れ、ハドソンの師スモーキー指導を仰いだ。ラミレスちゃんも一緒にトレーニングに参加して協力。しかし最終的にマックィーンが期待するタイムを出すことは出来なかった。そのままレースに出ることに。

 

⑥レース本番。次世代のエース「ジャクソン・ストーム」にマックイーンはくらいついているが、勝てそうにない。マックイーンは応援に来ていたラミレスちゃんを代走させ、クルーチーフとして彼女のアドバイスをする側に。結果、マックイーンとラミレスちゃんは1位となる。

 

⑦マックイーンはその後現役レーサーを引退。ラミレスちゃんはレーサーとしてデビュー。マックイーンはラミレスちゃんのトレーナー兼クルーチーフとして他のチームで活躍する道を選んだ。ちなみにボディカラーがかつての師、ハドソンと同じ青色になっている。

 

まぁこんな感じだ。ところどころ割愛してるから、この脚本の美しさが伝わらないと思うのだけれど、結構「あーこう来ますか」という場面がたくさんある。

 

1.ラストのレースでマックイーンは初めてレース中にレーサーにアドバイスを送る立場となるが、ラミレスちゃんと一緒にトレーニングをしていた経験や、ラミレスちゃんがトレーナーとして指導している様子を見た経験が活きている。レーサーとしての復帰を目指していたはずのマックイーンが、いつの間にか師としての準備を着々と進めていた、というのが面白いポイント。

 

2.僕が書いたあらすじでは一切触れてないが(怠慢)、マックイーンがハドソンの故郷を訪れる場面で、ハドソンの伝説のレースの話が出てくる。壁際に車体を押しつけられる妨害をされたときに、宙がえりでその車体を交わし順位をひっくり返すという技が披露されたのだが、クライマックスのラミレスちゃんが出場するレースでも、その宙がえりの技でゴールを決める。演出が憎い。

 

まーディテールの説明は省くけれど、「このシーンがここに繋がるのね」がかなり多い。あ~!と唸りたくなる感じよ。そんな楽しみがある。

 

「カーズ」から続く師弟関係

シリーズ1作目「カーズ」では、天狗になったマックイーンをハドソンが導き、そして3作目「カーズ3」では自らの限界を悟ったマックイーンがラミレスちゃんを指導する側に回る。

「カーズ3」で常にマックイーンはハドソンを意識しており、スモーキーとの会話の中でハドソンが選手時代から指導する側になるまでの経緯と心の変化を知る。その結果、現役選手にこだわっていたマックイーンが、次の才能ある世代への指導を志すわけだ。師から運転の技術だけじゃなくて、生き方まで教わり、その背中を追う師弟関係の美しさがこの映画にある。本作一番の見せ場、クライマックスシーンを弟子であるラミレスちゃんに譲るのも、マックイーンが成熟した大人になった証拠のようにも見える。とにかく、このバトンが綺麗に繋がれていく感が良い。

 

クルマが主人公の良さ

物語の最後に、マックイーンがハドソンに倣い車体を青色にペイントして、新しい人生を歩み始めるが、キャラクターの決意のようなものが概観で一目でわかるのはクルマを主人公とした良さだと思う。

一応子どもでも楽しめるディズニー作品である以上、分かりやすさは必須。人では表せない方法で、視覚的に人の思いが伝えるのが上手いなあと感じた映画でもあった。

ちょっと内容は大人向けだけれど、そういう工夫やまぁあとはクルマが派手に動いているシーンが結構多いのもあって、子どももちゃんとついてこれる映画になっているのは、流石天下のピクサー作品だと感心。

 

ディズニーピクサー作品の中でも、結構上位につけるクオリティの作品に仕上がっているのではないか、というのが僕の感想。もう公開終わりそうだけどぜひ見てきてね。