【ジョン・ウィック:チャプター2】鮮やかなペン殺し(感想:ネタバレあり)
見てきた。最高だったぞ。
「ジョン・ウィック」を見ていない人に、このシリーズの魅力を一言で説明すると、「キアヌ・リーブスが鮮やかに人を殺しまくること」なんだけど、しっかりとチャプター2でもその魅力を大いに披露してくれていた。
なので、1を見て楽しかった人は、2も確実に楽しめると思う。
ストーリーのネタバレは最後に書くとして、あらすじ⇒熱いアクションシーン⇒ネタバレという順番で語っていくぞ。
あらすじ
まぁここを見てほしい。なんと、前作から5日しか経っていない。
STORY|映画『ジョン・ウィック:チャプター2』オフィシャルサイト
簡単に言うと、前作で強奪された愛車を取り戻し、今度こそ引退しようと思った矢先に、マフィアのサンティーノさんから姉殺しの依頼を受ける。血の刻印?という契約をしていたがゆえに、ジョンはその依頼を断れない(一度断ったら、サンティーノに家を爆破された)。で、サンティーノの姉(ジアナ)殺しおよびサンティーノへの復讐を開始するって話。
何が哀しいって、また妻との思い出を奪われてしまったことなんだよなあ。前作は愛犬と愛車(本作で明らかになるけど、これにも妻との愛しい思い出が詰まっていた)。で、今作は家(=妻との思い出の品は全て燃えつくされてしまう)。殺し屋の悲しい性を見ているようだね。
鮮やかな殺し(以下ネタバレ)
まぁストーリーはあまり大事ではないと思っている、この映画については。
大切なのは、いかに鮮やかにジョンが殺しを行うか。
大まかに分けると、こんな感じで殺しのシーンがある。どれもクールだったから、退屈な時間が一切なかった。最高かよ。
①冒頭、愛車を取り戻すシーン
カーチェイスと肉弾戦が主。
追ってきたバイクを、車の扉を開けて巻き込ませることで撃退したシーンは痺れた。車の扉、なくなってたけれど。
②ジアナ殺し
彼女の邸宅?@ローマ に侵入し、ジアナを殺す。その後、ジアナの護衛に追われつつ、さらにサンティーノの部下にも殺されそうになりつつも、脱出。
殺しを行う前に、ジョンが武器と衣服を用意するシーンがあるんだけど、そこがまたカッコいい。銃の構え方とチェックの仕方が鮮やか過ぎる。
脱出するルートにあらかじめ武器を仕込んでおいて、敵に襲われたらその武器を利用して殺すという知略を披露していた。
脱出した後も、ジアナの護衛の「カシアン」(なかなか強い)に襲われるけれど、コンチネンタル(仲では一切殺しを行えないルールがある)に窓を破って侵入してしまったがために、戦闘は中断。
③NY中の殺し屋に狙われる
サンティーノが700万ドルの賞金をジョンの首にかけ、NY中の殺し屋がジョンを狙う。
不意打ちで腹を撃ち抜かれつつも、襲ってきた殺し屋を次々と撃退。
このシーンが一番の見どころだと思う。
「ジョンがペン1本で3人を殺した伝説がある」というのは前作から言われているけれど、その再現を殺し屋2人に対して行ってみせた。駅?のカウンターのようなところに待機していた2人が殺し屋だと察知したジョンが、先制攻撃をしかけるが武器がない。なので、手元にあったペンで敵の急所をつき、絶命させる。
「あぁ、こうやってやるんだ」とある種の感動を覚えた。耳を刺したり、首を刺したり。まぁ詳細は劇場で確認してくれ。
なお、その流れで乗車した地下鉄にて、カシアンとの決着もつく。
地下鉄に至るまで、カシアンはジョンのことをずっと追っていたのだけれど(あくまで走ったりせず、二人とも早歩き程度なのがスマートでかっこいい)、その間に人に気づかれないようにサプレッサーつけた銃で威嚇射撃をしあうシーンが好き。
ジョンが地上を、カシアンが上階を歩いているのだけれど、何食わぬ顔でピュンピュン言わせながら互いを狙って撃つ。歩きは止めない。で、お互いが歩いている付近の壁や柱がえぐれる。
最高のチェイスシーンだった。
④サンティーノ殺し
サンティーノ本人を殺すために、彼の所有する美術館に潜入。武器が限られていたので、敵の武器を奪いながら殺しを進めていった。
面白かったのは、全面鏡張りの部屋での銃撃シーン。ジョンは確実に少ない弾数で敵を殺していくのが特徴だけれど(一発目着弾の直後、すぐに二発目を敵の頭に発砲し絶命させる)、鏡があるとそうはいかない。
鏡に映った敵をまず撃つ⇒瞬時に鏡であるということに気付く⇒本体を撃ち抜き⇒直後に頭を撃ち抜く
上記の流れがほんの数秒のうちに行われる。改めてジョンの殺しの腕を見せつけられた気分だ。
美術館にて、サンティーノの直近の女性との戦闘があるのだけれど、序盤から出ていた割にはあっけなく敗れてしまったので、VSカシアンを見てからだと物足りなかった。なので、そこについての描写は割愛。
オチ、復讐に取りつかれたジョン
結果的に、ジョンはサンティーノを逃してしまう。サンティーノはコンチネンタルに逃げ込むが、ジョンもその後を追う。
コンチネンタル内での殺しは厳禁。にも拘らず、ジョンはコンチネンタル内でサンティーノを殺してしまう。
ウィンストン(コンチネンタルのオーナー)「なんてことをしたんだ」
ジョン「終わらせたんだ」
(自らの人生を)終わらせたのかと思ったよ僕は。
サンティーノを殺した後、ジョンは焼けた自宅に愛犬と一緒に帰り、妻との思い出の品を探しあてる。しかし燃えていたり、汚れていたり。その後ウィンストンに呼び出され、コンチネンタルからの追放を言い渡される。当然その報は多くの殺し屋連中に届けられる。ある意味ジョンを守るものがなくなってしまったわけだから、この後多くの殺し屋に狙われることになるのだろう。
追放される間際にウィンストンに告げたジョンの言葉が、予告編のこれ。
ジョン「誰が来ようと全員殺す。全員な」
そして、街中にいる人々のケータイが鳴っているのを気にしながら、逃げるかのように愛犬と一緒に走り去っていって、話は終わり。
サンティーノが美術館で逃げていたときにジョンに言ったセリフで、「お前は復讐に取りつかれている」みたいなのがあって、まさしくそうなんだろうなと思った。コンチネンタル内で殺しを働いてしまうほど、頭に血が上っていたのだろう(冷静な顔していたくせして)。
終わらせたくてしょうがなかったんだろうな、妻との思い出を汚した人間への復讐を。結果的に自分は狙われる立場となってしまったが、妻に関する清算は済んだ。ジョンにとっては、そっちの方が大切ということだろう。殺しに戻った理由も妻だったし、ある意味彼の価値観は一貫していると思う。
にしても、最後には追放だもんなあ。次回作にも繋げられそうな終わり方なので、チャプター3を期待しておきます。