定時後に映画館

仕事の片手間に映画の話をします。

【十二大戦】アニメ化するんだってね。(感想:ネタバレあり)

 

十二大戦

十二大戦

 

 偶然最近読んだんだけど、

 

12taisen.com

 

アニメ化するらしいじゃん。

 

バトルロイヤル物はやっぱり燃えるし、西尾維新が書くってもんだから、そりゃ読まないとねということで読みました。面白かったので、感想を書きます。

 

大斬が元ネタだったんだね

j-books.shueisha.co.jp

ここを読めば分かるんだけど、経緯としては

西尾維新×漫画家の企画「大斬」で、中村光×西尾維新で願い事をテーマに「どうしても叶えたいたったひとつの願いと割とそうでもない99の願い」を執筆。

②上記作品をもとにデザインした12名のキャラクターを元に、西尾維新が「十二大戦」を執筆

といった流れなんだそうだ。

 

僕は「大斬」を読んでいないから、十二大戦の結末がどうなるか知らないまま読み進めることが出来たのだけれど、もし大斬を読んでいたとしたら、誰が勝利したのかわかっちゃうよね。結末を純粋に楽しみたいなら、「大斬」を読む前に「十二大戦」を読んだ方が良いかも。

 

↓以降ネタバレ注意。

 

 

だって、「どうしても叶えたいたったひとつの願いと割とそうでもない99の願い」に寝住が登場してたら、十二大戦に彼が勝利したってことが丸わかりじゃないですか。

彼の能力も分からないまま僕は「十二大戦」を読み進めていたから、「どういう能力なんだろうなあ」って楽しむことが出来たけど、おそらく能力についても「どうしても叶えたいたったひとつの願いと割とそうでもない99の願い」にて言及済みだよね、タイトル的に。

 

せっかくだからどうしても叶えたいたったひとつの願いと割とそうでもない99の願い」も読みたいのだけれど、現状「十二大戦」しか読んでないので、純粋な本作だけの感想を書いていきますよっと。普通にネタバレするので注意。

 

しっかりと干支の順番に物語が進行していく

そもそも十二大戦とは、十二人の戦士たちがバトルロイヤルに参加し、勝ち残った一名が何でも願いを叶えられるといったもの。なので、次々と人が死んでいく。

本作は綺麗に十二話(章?)で構成されていて、各章の扉で戦士のプロフィールを紹介、そしてその章の中心人物(=多くの場合脱落する人となる)は基本的には扉で紹介した人物となる。

 

第一戦 猪も七代目には豚になる ー猪の戦士

第二戦 鶏鳴狗盗 -戌の戦士

第三戦 牛刀をもって鶏を裂く -酉の戦士

第四戦 敵もさる者ひっかく者 -申の戦士

第五戦 羊の皮をかぶった狼 -未の戦士

第六戦 千里の馬も蹴躓く -午の戦士

第七戦 竜頭蛇尾(先攻) -巳の戦士

第八戦 竜頭蛇尾(後攻) -辰の戦士

第九戦 二兎追う者は一兎も得ず -卯の戦士

第十戦 虎は死んで皮を残す -寅の戦士

第十一戦 人の牛蒡で法事する ー丑の戦士

終戦 大山鳴動鼠一匹 ー子の戦士

 

といったように。

「十二支は神様が競走してゴールした順になっている」という話は有名だし、「十二大戦」もおそらくそのエピソードをモチーフとしている。

寝住が勝利した時点である程度予想がついていると思うのだけれど、「十二大戦」ではしっかり十二支の順番通りに物語が進行していく。かといって全く捻りがないわけではなく、脱落順が干支通りというわけでもない(断罪兄弟の片割れは開戦前に脱落している)。そこはちゃんとエンターテイメントとして先が読めないつくりとなっており、流石物書きといったところだ。

 

それだけでなく、タイトルも多くが慣用句や故事となっており、内容もタイトルになぞられている。

(例えば「鶏鳴狗盗」では取り柄のなさそうな酉の戦士が戌の戦士を欺き、勝負がつく。戌の戦士から能力を「盗んで」酉の戦士は勝利したし、非常に物語の組み立てが上手だ)

 

リポグラムも器用にこなすような西尾維新。お題の下に綺麗な話を作るのが抜きんでて上手いなと改めて感じさせる作品でもあった。

 

十二名のプロフィールと名乗りが良い

あとはキャラクターの設定が良いという話をさせてほしい。あとは西尾維新的、中二心をくすぐる名乗りについて。

前述した通り、各章の扉にキャラクターのイラストとそのプロフィールが細かに書かれているのだけれど、その設定がなかなか良い。話に入る前にキャラクターの戦闘能力武器・そしてある程度のパーソナリティが分かっているので、すんなりと本編が頭に入ってくる。

かつ、戦士でありながらも日常を過ごす人間であるという側面をしっかりとこのプロフィールで記述しており、そのギャップがなんだか愛おしい(その反面、「詳細不明。」で済まされている卯の戦士の不気味さが際立っている)。

物語のネタバレになるためか、原作に記載されているプロフィールを丸々載せているわけではないが、一応アニメ版公式サイトにもキャラクター紹介があるので、その雰囲気は伝わると思う。

Character | TVアニメ「十二大戦」公式サイト

 

あとは、各キャラクターの個性を表している名乗りがカッコよくて好き。

これは上記したアニメ公式のキャラクター紹介欄にちゃんと書かれているから見てほしい。

私見となるが、絶対的な強者、丑の戦士「失井」の「ただ殺す」が抜きんでて好き。他が個性をどうにか名乗りで表そうとするなか、シンプルに殺すって名乗っちゃう感じ、マジでイケてる。

 

 

憂城が活躍しすぎ

トーリーにも少しだけ言及しておくと、多くのバトルロイヤル作品と同様、能力者同士がぶつかり合い、各々がどのような戦略で生き残っていこうとしていくのかを眺めている面白さがずっと続く。

だが、異質なのが卯の戦士の憂城。彼の能力、自ら殺した者を使役する「死体作り」が強力すぎて、終始、彼もしくは彼が殺した死体が物語に絡んでくることになる。

脱落した者はもう活躍できないバトルロイヤルものの穴を、死体として活躍するという形で埋めたのは発想として面白い。しかし、あまりに憂城がゲームを支配しすぎて、いわゆる「チート」と言われる能力を持っているキャラクターがいると途端に冷める現象が起こりかけた。

 

まぁそれでも結果的に「死体作り」の被害者になったのは4名程度だ(全体の1/3と考えると多いのかもしれないけれど)。純粋な真人間同士の殺し合い、読み合いも楽しめるのでそこは目を瞑ることとした。

余談

現在アニメ公式で戦士十二名のtwitter用のアイコンがDL出来るとのこと。

 

 

Special | TVアニメ「十二大戦」公式サイト

これ見てほしいんだけど、やっぱり憂城が特別仕様だね、背景が白色で。一応酉の戦士も背景色オレンジっぽい特別仕様だけど。

 

この物語の主人公は卯の戦士で間違いないな。私は丑の戦士が一番主人公してたと思うんだがね。