定時後に映画館

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【夜は短し歩けよ乙女】2週目に見に行くという誤算(来場者特典の話)

やってしまった。

 

kurokaminootome.com

 

僕は森見登美彦さんが大好きで、『夜は短し歩けよ乙女』の劇場版が公開されると聞いて胸を躍らせていた。

四畳半神話大系』も原作・アニメともに気に入っていて、「湯浅監督の森見作品」というだけでもう作品のクオリティは担保されているようなものであり、僕はどんなに忙しくても劇場に乗り込もうと心に誓っていたのである。

 

しかし、僕は歳をとりすぎていた。公開初日、4月7日(金)に映画館へ足を運ぶ気力もなく、8日、9日は惰眠をむさぼり、結局映画を見たのは4月16日になってしまった。

 

高を括っていた。「1ヶ月近くは劇場でやっているだろう」と。「まぁスケジュールが空いたときに行けばいいや」と。

 

間違えていた。劇場版のアニメ作品との付き合い方を間違えていたのだ。

16日、いざ友人と共に映画館に入場すると、入り口付近で可愛らしい店員さんが、店員さんに負けず劣らず可愛らしい冊子を配っているではないか。

文庫サイズの薄い冊子。淡いピンク色で、中央に大きく林檎のイラストが描かれている。林檎の中にはこんな文字が。

「劇場来場者特典 夜は短し歩けよ乙女銀幕版」

 

ふむ。これは噂の原作者のオリジナルストーリーが読める特典だな。

私は素直に喜んだ。森見先生の描く先輩、あるいは乙女の世界がまた少し広がるのだ。映画本編もさることながら、私は冊子の中身に思いをはせ、胸を膨らませていた。

 

しかし、ふとそんな気持ちに影が差す。来場者特典。TOHOアニメーション。

僕は、傷物語を思い出していた。

midoumairu.hatenablog.com

もっと言うと、「傷物語の 来場者特典が、週によって変わっていた」ということを思い出していた。

 

そこで冊子をもう一度よく見てみる。

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「劇場来場者特典 その2」

 

やってしまった。1週目に「劇場来場者特典 その1」が配布されており、2週目以降に「その2」が配られる座組だったようだ。公式ホームページにも、ちゃんと書いてある。

 

なぜ、失敗から学ばないのか。アニメ映画と来場者特典は切っても切り離せないのに。

原作者に力がある作品ほど、特典に原作者が携わることが多いのに。

 

思えばこの作品自体の公開を知ったきっかけは星野源のANNで、しかも彼が声優を務めるという発表のときだった。おそらく、公開が決定しただいぶ後の話だろう(あとでググったんですけど、公開発表と星野源登用のタイミングは一緒だったみたいですね)。

感度が低すぎるのだ。ほんわかと好き好き言っているだけでは、好きを満たす絶好の機会を逃してしまう。情報収集を怠ると痛い目を見ると痛感した。

 

とは言ったものの、終わったことは仕方がない。「来場者特典その2」を隅から隅へと味わうことで、その1への届かない思いを胸の奥へのと封じ込めることにした。

 

で、肝心の中身なのだけれど、公式ホームページにある通り

その1⇒先輩から乙女への手紙

その2⇒乙女から先輩への手紙

となっている。

その2は7ページの冊子で、「拝啓」ではじまり「かしこ」で結ぶ手紙が綴られている。手紙なので当然「乙女」による一人称の文章だ。

 

森見登美彦さんの作品に「恋文の技術」という本がある。この作品も手紙形式で物語が展開されていくのだが、彼の文豪を思わせる硬派さにほんわかとした小気味良さが顔をのぞかせる文体はとても「手紙」に適していると思う。森実作品屈指のヒロイン「黒髪の乙女」の手紙を読むことが出来るなんて、なんて幸せなのだろう。僕はしみじみ読み溺れた。幸せな7ページを過ごした。

「その2」とあって手紙形式となると、「その1」の先輩から乙女への手紙を読んでないと中身が分からないのかと読む前は心配していたのだけれど、全く問題なく内容を楽しむことが出来た。ちょっとだけネタバレすると、羽貫さんとお出かけした話が綴られております。

 

配布は15日(土)~とHPに書いてあったので、劇場によってはまだ残っているところもあるかもしれない。ぜひとも手に取ってほしい。

 

映画自体の感想は、またそのうち。

 

midoumairu.hatenablog.com

 

 更新したよー