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定時後に映画館

仕事の片手間に映画の話をします。

【14の夜】不甲斐ない父と浅川梨奈の乳という多大なる価値。(感想:ネタバレあり)

おっぱいの有用性について書いた記事を過去にアップしてから、肝心な映画の感想を書くまでの期間が大分開いてしまった。

midoumairu.hatenablog.com

今更だが、「14の夜」の感想を書きたい。都心だと「テアトル新宿」で2月3日までの上映だから、気になる皆は、急げ!

ちなみに、視聴したのは1月15日なのだけれど、当時はこんなドリンクが販売されていた。

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まさしく性春である。カルピスを使っているのがグレイト。露骨に下ネタじゃねえか。

どんな映画?

14-noyoru.com

 こちらの「イントロダクション&ストーリー」を読んでいただければ一発で把握できるが、簡単に概要を。

監督・脚本は足立紳さん。39回日本アカデミー賞で話題になった「百円の恋」で脚本を担当していた人ですね。

 

ストーリーは以下の通り。

舞台は1987年の田舎町。主人公タカシ(もちろん14歳)は柔道部の友人3人と、深夜に近所のレンタルビデオ屋で実施されるAV女優のサイン会にいこうぜ!と約束する。その一晩の物語。

不良に絡まれたり、お隣さんの巨乳な幼馴染がいたり、不甲斐ない父が嫌いだったり、姉が婚約者を連れて挨拶をしにきたり、イベントがてんこ盛りの1日を、何者にもなれない葛藤を抱いたタカシが、どのように過ごし、その過程でどのように成長するのかを描いている。「THE 青春映画」だと思ってくれていい。

 

ちなみに、僕の定義する青春映画とは、

①中学生~高校生の主人公が、何かしらの悩みや葛藤を抱えており、

②家族との関係・恋人との関係・友人との関係を通じて、

③その悩みや葛藤と向き合い、場合によっては乗り越える物語。

を指す。

 

こういった青春映画は、ラブコメにもならない限り、陰鬱とした暴力が少なからずある視聴難易度の高い作品になりがちだが、「14の夜」はシリアスな場面とコメディ要素がバランスよく配置されており、構えずとも楽しく見れる良い映画だった。

 

今回は、家族軸・恋人軸・友人軸で、「14の夜」がいかにタカシの心のうちの変化を描いたかを思いっきりネタバレしながら語っていきたい。

特に、この映画の秀逸な点は、父親と息子の関係にあると思う。

どうしようもない友人からの別離と、新しい友人。(以下ネタバレ)

まずは、タカシと彼を取り巻く友人関係の変化から、彼がどのように変化したかを語りたい。

軸を「家族」「恋人」「友人」と置いたが、唯一タカシの成長を象徴していたのが、彼の友人関係の変化だったと思う。

 

物語の冒頭、タカシは柔道部の友人達3人と退屈な時間を過ごしながら、「自分はおっぱいを揉める人間になれるか」というどうしようもない悩みを打ち明ける(14歳を真面目にさせるのは異性関係だから、しょうがない)。

しかし、友人達は自分と同じような焦燥感は抱いておらず、彼らからは「今を変えたい」という気持ちが一切感じられない。

この時点、すでにタカシと友人達に溝が生じている。最下層であろう自分自身に焦っているタカシと、平然と生きる他3人。

物語が進むにつれて、3人との溝は決定的になる。おそらくこの物語の後、4人が元のようにつるむことはなくなるだろう。なぜなら、タカシ自身があの一晩で別の視点を手に入れ、変化したからだ。

そして、タカシが恐れていた不良の金田から認められたということも、彼自身の変化を明確に示している。 根性がある、と自分より上と思っていた人間に認められたことは、タカシにとっての成長と言えるだろう。

 

「14の夜」における友人関係の変化は、タカシの変化を表す一つの指標になっている。彼は旧来の友人を失い、新しい関係を見出した。それが一つの物語の結末となっている。

おっぱいを揉ませてくれない幼馴染。(ネタバレ)

少しは成長したのかと思いきや、タカシはそれ以上の挫折を味わうことになる(その挫折こそが、彼の成長という考え方もあるけれど)。だから、エンディングで彼は笑い、そして泣いたのだろう。

徹底的に彼の気持ちを折ったのが、幼馴染のメグミちゃん。童顔巨乳で有名なアイドル浅川梨奈ちゃんが演じている。


『14の夜』スパガ浅川梨奈「やれよ!揉めよ!」メイキング&予告

 

「やれよ!揉めよ!」。だが揉めず。

 

タカシが感じていた「漠然とした焦り」が、徹底的な敗北感と姿を変えたのが、メグミちゃんおよび暴走族の取り巻き。

彼は初めて自分より格上の暴走族に立ち向かうこととなったが、結局幼馴染のおっぱいを揉むことは叶わず、それどころか「小学生時代以来かっこいいところが一切ない」と言われてしまう。

かっこよかった自分が過去の栄光であって、今の自分がかっこ悪い存在であることを決定的にされる。そんな自分を変えようと立ち向かうが、自分より強い存在には敵わず、おっぱいも揉めず、結局かっこ悪いまま朝を迎える。何一つ、欲しいものは手に入らない。

 

それが彼の最大の挫折である。「14の夜」における女性、恋、おっぱいは、彼のモチベーションの動機であり、彼を奮い立たせる誘因であり、彼を徹底的に敗北者とした重要なファクターだ。

とどめを刺す、不甲斐ない父。(ネタバレ)

敗北を経験した息子に、「お前がかっこ悪いのは、かっこ悪い父親のせいではない」ととどめを刺す父親のかっこよさよ。かっこ悪い?いいや、最後にあなたはしっかりとかっこよかった。

 

青春映画において、友情と恋はだいたい描かれている。だが、中学生・高校生にとって最も影響が大きいはずの「家族」を丁寧に描けている作品はそう多くない印象だ。

だが、「14の夜」においては、不甲斐ない父親が重要な役割を担っている。

 

まず、主人公タカシが抱く「漠然な不安」の原因を作っているのが、父だ。

教師としての仕事を謹慎中の父親

作家志望でありながら1次審査も通らない父親

娘が婚約者を連れてきても、酔っぱらってまともに相手ができない父親

息子のAVを見て楽しんでいる父親

こんな大人になるのではないだろうか、というタカシの思いが、彼の「このままではいけない」という不安につながっている。

だが、それはただの責任転嫁であり、物語の冒頭では、タカシ自身は「自分自身がカッコ悪いのは、自分のせいである」ということには気づいていない。

メグミとその取り巻きに徹底的に敗北させられた後も、おそらくはっきりと「自分の責任であること」は認識していないだろう。

 

しかし、最後に不甲斐ない父親が、息子と向き合って、はっきりと言う。

「お前がかっこ悪いのは、父さんがかっこ悪いせいじゃない」

そして、タカシの一晩の冒険は完結する。

付き合う人が変わり、敗北を味わい、最後に父の言葉で、敗北が自分の責任であることを知る。

 

物語の始まりも、終わりも、父親が生み出しているのだ。一番影響を与えている家族が、物語の中心にいるというのは、とてもリアルで良いと思う。齢14の男子が、友人関係や女性関係だけで、大きく変わるというのは無理があると思うから。

 

「14の夜」の秀逸な点は、やはりあの不甲斐ない父にあると思う。浅川梨奈の巨乳の威力も多大なる貢献をしていることは、もちろん言うまでもない。