定時後に映画館

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【祝解決】金曜ロードSHOW!「カメラを止めるな!」を適切にCMで止めながら放送できるか問題

カメラを止めるな!」がついに地上波で放送されることになってしまった。我らが金曜ロードSHOW!である。

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 私が唯一昨年2回映画館で見た作品であり、それはそれは面白い映画であった。それがゆえに、金曜ロードSHOW!での放送に不安を抱いている。

 

本作は大まかに2部構成になっており、前半で作中の登場人物が制作した映画を流し、後半でその映画がどのように作られたかを描いている物語だ。

その前半部分(おおよそ30分程度)は「ワンカットでゾンビ映画を作っている」というのが肝になっている。そう、ワンカットで。

 

そこで本作は地上波の宿命に立ち向かわなければならないこととなる。CM、そう、CMだ。スポンサー様に金をいただいているのだから、流さなければならないCM。映画の世界観とは何一つ関係のない15秒から30秒程度のムービー。

何たる悲劇。前半30分をCMなしで乗り切るなどTV局にとっては無理難題。ワンカットだから面白い前半を、意図的にカットせざるを得なくなってしまう。

作品の持ち味が金の力に負けて消し去られてしまう瞬間を我々は目の当たりにしてしまうだろう。

 

私は決してテレビで映画を見ない。ただでさえ映画館以外で見る映画は集中が削がれるのに、作品側の都合でぶつ切りになどされては作品を観ているとはとても言えない。ただ流れている作品を認識しているだけである。そこに心など介在しない。

そんなポリシーを持っているから、別に「カメラを止めるな!」がどのように放送されようが、私には関係のないことである。だが、昨年の話題をかっさらった作品を放送する権利を得たTV局が、どのように調理をするのかが非常に気になっている。

 

ワンカットであれ。せめて前半だけでもワンカットであってくれ。外から音がして主演役者2名と助監督が顔を見合わせた瞬間にCMとか入れなくていいから。本当に。おそらく前半部分で流れたCMの最初の企業を僕は絶対に忘れない。そして、「不幸だったな」と同情する。今、御社への印象は最悪ですよ。知らない人はただ「CMだ~」と思うかもしれない。しかしこのご時世、TV放送される映画の概要ぐらいほとんどの視聴者は仕入れている。だとしたら、ワンカットを外からの圧力でツーカット、スリーカットと傷つけていく。そんなCMで流れる企業に誰が魅力を感じるのか。

 

考え過ぎだろうか。考え過ぎなのかもしれない。だが、いつか放送されるであろうカメラを止めるな!(TV版)への思いをここに残しておく。

頼む、誰も傷つけない映画を放送してほしい。

 

(19年2月8日更新)

どうやら前半はCMなしで駆け抜けてくれるようです。完璧だね。

 

 

 

ワイヤレスイヤホンに変えたら二度とコード付きのイヤホンには戻れない。

私は新しいテクノロジーを手にすることへの欲求が著しく低い。

しかし、金と時間をかけずにそれらテクノロジーが手に入るのであれば、歓迎して利用しよう。いや、テクノロジーの多くは我々の作業時間を短縮してくれる便利なものなので、手に入るための時間的コストはあまり考えなくてもよいか。要はお金を使いたくないのである。

 

そんな私が、1万円以下ではあるが、良さげなワイヤレスイヤホンを手に入れた。何と無料で。

せっかくなので、利用した感想を文章として残そうと思う。

↑2期連続でBluetooth完全ワイヤレスイヤホン(1万円未満)部門金賞およびコスパ賞を獲得しているとのこと。

 

ちなみになぜこれが無料で手に入ったかというと、昨年11月ごろに友人に連れられ参加費無料のパーティが六本木に開催され、そこで11月が誕生月の参加者へのプレゼント企画があったのだが、11月に生まれた参加者があまりに少なすぎて1月生まれの私が2か月越しのおこぼれをいただいたという次第である。

 

六本木の無料で飲み食いできるパーティに参加したのも。

11月に1月の誕生日を祝われたのも。

ワイヤレスイヤホンも。

 

全て初めてである。3連バージン。バージンの点が連なり道となり、私は純白のワイヤレスイヤホンとバージンロードを駆け抜け、そしてついに結ばれた。私の純白のスマートフォンともBluetoothで結ばれるので少々複雑な関係ではあるが、そんなことはどうでもいい。スマホもイヤホンにも処女性は求めていない。

 

閑話休題。早速スマホとイヤホンを繋ぎ、利用してみたのだが、

これを使い始めてしまうともうコード付きのイヤホンには戻れない。

何が魅力かと言うと、主に以下の3点が挙げられる。

コードが絡まらない

従来の有線イヤホンだと何をどうあがいてもコードが絡まるし、コードが絡まないような収納グッズや綺麗な撒き方をするのは非常に面倒だった。

しかし、ワイヤレスイヤホンなら絡まない!そりゃコードがないからな。

 

なくさない

ワイヤレスイヤホンってなくしやすそう・・・と私も利用前は思っていたのだが、利用し始めると余地がないような気がしてきた。

イヤホンは片手で包めてしまうような小さなケースに収納し、充電もそのケースにandroidスマホと同じ規格の充電ケーブルを刺して行う。

僕はそのケースを常にコートかスーツのポケットに入れて置き、利用を終えたらイヤホンを収納している。その癖付けさえしてしまえば、ある程度の大きさががあるケースごとどこかにやるということはほぼない。

 

スマホから抜いたコード付きのイヤホンをどこに収納するかは結構迷うのだが、このケースならどこにでもしまえるので、住所さえ決めてしまえばなくす余地などないのだ。便利に利用できるし、無くすリスクもコード付きイヤホンとあまり変わりない。

なんか、カッコよく見える。

と思っている。というか、ワイヤレスイヤホン使っている自分ってカッコいいよね?的な気分になれる。

スマホと繋いでしまえば、再生も音量調整もイヤホンのボタンで出来てしまうので、耳元をさり気なく触り音楽を聴くカッコよい自分が演出できる。

ケースがスマートなのもGoodだ。絡まっているイヤホンを解く作業はカッコ悪いが、スタイリッシュなケースからイヤホンを取り出し、耳に装着するのにもたつくことなど一切ない。あまりよくないが、歩きながらでも余裕だ。傍から見たら「あ、この人すごくイヤホンの準備いい!カッコいい!」となっているはずである。

 

オシャレアイテムとしても機能するのがワイヤレスイヤホンの魅力だ。

 

今回のオチ

ちなみに、私は音楽や音楽を聴くための手段について全く詳しくないので、皆様が気にしているであろう音質については一切言及できない。

私が思うに、私がもらったこのワイヤレスイヤホンは、「いい感じ」だ。充電切れが近いとちょっと音が飛んだりするぐらいで、気にするほどではない。

 

音楽の素人がイヤホンのレビューをしようとすると、こうなる。

ブロガー諸君は覚えておいてほしい。無理はするな。

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 ↑こちらもどうぞ。

 

 

2018年に見た映画のまとめと10選

今年もありがとうございました。

カウントしたら2018年はおそらく59回映画館に通っていたので、印象に残った作品を10個ぐらい選ぼうと思います。ランキング形式は好きくないけど、せっかくなので、順位も付けちゃう。

 

10位 シュガー・ラッシュ:オンライン

www.disney.co.jp

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 今日かいたばっかりの記事。前作の方が好きだけど、インターネットの表現力とディズニーファンとしてよだれ出ちゃうシーンが大方ので。

9位 : 名探偵コナン ゼロの執行人

無茶苦茶なアクションなど近年のコナン映画に求められている部分をしっかり押さえたうえで、ちゃんと推理をしているのが高ポイントだった。コナンシリーズでは上位に入るんじゃないだろうか、という従来比高めなのでランクイン

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福山雅治 - 零 -ZERO- (LIVE at BUDOKAN 2018) 劇場版『名探偵コナン ゼロの執行人』Collaboration Music Clip (Short ver.)

主題歌も好き

8位 : スリー・ビルボード

www.foxmovies-jp.com

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 絶対悪など存在しない。ある不幸に見舞われてしまった人間を起点にして、他者への攻撃性が伝播して不幸になるべきではない人が次々と堕ちていく。その人間の汚さと垣間見える善良な精神がこの作品の魅力。

ただ、もう二度と見たくないので(精神が削られる)、順位は下目。

7位 : 勝手にふるえてろ

furuetero-movie.com

 

 

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 前に書いた記事にもあるんだけど、松岡茉優可愛いんだわ。拗らせてる女子がイチとの再会でキラキラしはじめ、名前を憶えられていないという事実を認知してからの覚醒が、他人事には思えなかった。拗らせている人間よ、この映画で元気出そうぜ。

6位:カメラを止めるな!

kametome.net

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 今年唯一2回劇場で見た作品。あれだけニュースになっていたら無視できない。映画本編⇒映画を作った人たちの物語と展開していく手法が綺麗にはまっていて、良く計算されていた作品であった。

もう年末なのに上映している映画館あったし、今年一番勢いがあった作品ではないだろうか(コナンも話題性はすごかったけど)。

5位:ペンギン・ハイウェイ

penguin-highway.com

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 切ない夏の思い出の要素をぎゅっと凝縮した作品。胸が締め付けられる映画というジャンルであれば本作がダントツの1位だろう。お姉さんとの別れのシーンを、もう一度、もう一度見たい。

4位 : モダンライフ・イズ・ラビッシュ

nakimushiguitarist.com

トップ10にいれた作品で唯一感想を書いていない作品だった。

バンドで大成する夢しか負えなく現実が見えていない彼氏と、ある程度のタイミングで夢に折り合いをつけて仕事をすることにした彼女っていうべたべたの恋愛物。

破局後に舞台で彼女との思い出が忘れられずに泣き出してしまった彼氏がバズり、彼女が彼氏の下に戻ってくるというオチなのだが、このサプライズのない安心感がある恋愛ものって逆に最近全然見てなかったので、心に残っている。

女って都合いいよな!

 

3位 : インクレディブル・ファミリー

www.disney.co.jp
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 ディズニーアニメーションの本気の戦闘シーンにべた惚れ。渋谷で見て電車で帰ったんだけど、しばらく高揚が収まらんかった。

2位 : アベンジャーズ / インフィニティ・ウォー

cpn.disney.co.jp

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 マーベルファンだからしょうがない。20を超える作品が築いてきたこれまでの文脈に終止符を打つ圧倒的な主人公でありヴィランであるサノス。自らの信念のために愛を捨て、理想の宇宙を作りだした正真正銘のヒーロー、としても描かれている側面が良い。

既に続編が決まっているけれど、インフィニティ・ウォーの出来を超えてくる作品が生まれたら凄いと思う。

1:ボヘミアン・ラプソディ

www.foxmovies-jp.com

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 これもまともに感想書いてなかった。

ミュージシャンの成功とその裏に隠された孤独、というテーマがそもそも大好物なんだけど、その背景で流れるQUEENの楽曲が自らの身体に滲み込んでいるので、反射的に心が揺れ動いてしまう。テーマ勝ちの映画。

2時間超のエピソードを終えた後のエンドロール「Don't Stop Me Now」の威力はすごかった。


Queen - Don't Stop Me Now (Official Video)

 

以上、今年の映画はこんな感じでした。

来年はTOHOシネマズフリーパスボーナスタイムがないからもう少し数減る気がするけど、まぁぼちぼち見ていきたいと思います。

 

 

【シュガー・ラッシュ:オンライン】ディズニープリンセス夢の共演(感想:がっつりネタバレ)

シュガー・ラッシュ:オンラインを見てきた。1作目がかなり好きだったので、期待して見に行ったけど、1作目とは違ったよさがあってなかなか好きな作品でした。はてなブログのお題にもなっているようなので、便乗して感想を書きます。

インターネットの世界が楽しい(ここからネタバレ)

 ざっくりと序盤から中盤のストーリーを説明しないと話が出来ないので、まずはネタバレをしてしまう。

 

■ヴァネロペがキャラクターとして活躍しているレースゲーム、シュガーラッシュの筐体のハンドルが壊れ、撤去が決定してしまう(古いゲームなのでネットオークションサイト「e-bay」にしかハンドルが販売されておらず、しかも高額)。

■ハンドルをインターネットで手に入れ、ゲームセンターに郵送すればシュガーラッシュは修理され、ヴァネロペの居場所を取り戻せると考えたラルフは、ヴァネロペと一緒にインターネットの世界へ

■e-bayのオークションで、仕組みを理解していなかったラルフとヴァネロペは価格を高騰させてしまい、大金を用意することを強いられる。

■胡散臭いポップアップサイトのアドバイスで、スローターレースという割と自由度の高いレースゲーム(今流行りのオープンワールド感がある)のクルマ(登場キャラクター「シャンク」の所持品)を盗もうとするが失敗。

■シャンクのオススメで、動画投稿サイトでの資金稼ぎを始める。懐かしのゲームのキャラクターであるラルフが面白い動画を作っていることで、そこそこバズり、資金稼ぎは順調

■ヴァネロペは他のサイトからの流入を増やすため、「広告」を持ってディズニーキャラクターが集うサイトへ。

 

シュガーラッシュの続編ということもあり(作り手がどこまで意識しているかは不明だが)、RPG感がある作品で、序盤から中盤は「お使いミッション」を次々こなしていくような構成になっており、終盤で大ボスが登場してクライマックスを迎える(大ボスの魅力については後述する)。

普通の作品であれば、序盤から中盤の"お使い感"は行き当たりばったりに見えてつまらない見えてしまうかもしれない。しかし、本作は我々が使い慣れたインターネットをアニメーションで表現することで、そのシナリオ上退屈に見えそうな筋書を楽しいものに昇華している。表現力の勝利である。

 

胡散臭いキャラクターがポップアップの看板を持ってインターネットの利用者(アバターの様になっている)に「これちょっと寄ってみませんか~?」と言っている様は、我々が歌舞伎町で見る胡散臭い客引きそのものであり、「あぁ普段2次元の画面で見ているこの様は、3次元の生活に書き起こすとこうなるんだな」と一々気付きがあって面白い。

見てるだけで楽しい表現力ってヤバいな、と感心してしまった。

 

ヴィランらしいヴィランがいない優しい世界

前作はラルフがヴァネロペと出会い成長する物語であったが、本作も基本的な筋書きは一緒である。ただ、本作の素晴らしい点は、「仮想敵」(前作におけるターボ)を創らず、自らの対峙で成長する様を描いていたところにある。インターネットのギミックを存分に使った最高のシナリオだった。

 

ヴァネロペは「スローターレース」の過激な世界が好きになってしまい、元のゲームに帰りたくないと心変わりする。しかし、ラルフはヴァネロペのことが好きで好きでしょうがないから、ヴァネロペにどうにかシュガーラッシュの世界に戻ってきてほしいと願い、スローターレースにウイルスを放ち、その世界を滅茶苦茶にしてしまう。

当然ヴァネロペは激怒。ヴァネロペに嫌われて傷心のラルフ。そこにラルフが放ったウイルスが現れ、ラルフ型のウイルスを量産してインターネット上が大混乱に陥ってしまう。

※プログラムの脆弱性を診断し、その脆弱性をコピーするウイルスだったので、ヴァネロペを連れて帰りたいという弱い心を持ったラルフがコピーされた。

 

結果、ラルフが量産されたウイルスラルフを説得する(=自らの弱さを認め、ヴァネロペと別れる決心をする。つまりは脆弱性がなくなった)ことで、ウイルスは削除されハッピーエンドを迎えるのだが、普通の映画では出来ない「自らとの対話、成長」をウイルスというギミックを用いて視覚的にわかりやすく描いたのが高ポイント。

 

さらに、このシナリオを見ると一部の方は「いやラルフが勝手なことをしたから人に迷惑をかけたんじゃん」とイライラしてしまうかもしれないが、それはこれまでの長い文脈の中で「ラルフは常にヴァネロペを考えながら行動している」という一貫性を作っていたので、僕はそれをあまり感じなかった。

特に動画サイトのコメントで中傷されているのを目の当たりにしたラルフがへこみながらも、「元々悪役だし、ヴァネロペのヒーローであればいいんだ」と言ったところがもうきゅんとしちゃってたまらんかった。こういう言葉の端々から見える愛情が、彼の失敗への嫌悪感を極限まで下げている。

 

この物語のオチを書いてしまうと、ヴァネロペはネットのゲーム「スローターレース」で暮らし、ラルフは元の世界に戻ることにした。遠距離恋愛ならぬ、遠距離友情となったのだが、ラルフはラルフで自分の生活を楽しんでいるようだ。

この物語のテーマは「相手を思っているつもりが、自分が大切になってしまっていた。」という普遍的な人間関係の失敗とそこからの再生である。それを誰にでも分かるようにインターネットという世界、ギミックを用いて描いたまさしく子供から大人まで見れるディズニーアインメーションの真骨頂だった。

 

ディズニーファン興奮のプリンセス大集合

ディズニー長編アニメーションもピクサーもマーベルも好きだから、ディズニーキャラ大集合が楽しみで仕方がなかったのだが、その反面「いやでもちょっと出てくるぐらいでしょ?」と高を括っていたところがあった。

当然ほとんどのキャラクターはほぼちょい役。ただキャラクターの特徴を捉えて印象強く登場させているので、「濃いちょい役」とするのが表現としては正しいかもしれない。

マニアックな質問に「僕はグルート」としか答えないベビーグルート。

ヴァネロペのディスにネガティブな反応を示すイーヨー。

警官としてストームトルーパー(帝国のテーマ付)。

 

何よりCMにもあったディズニープリンセスの競演がすごい。もはや彼女らはちょい役どころか物語のクライマックスにも噛んできてたし、アクションもしっかりとこなしている。

2Dだったプリンセス達が3Dになって描かれ、ヴァネロペの教示を受けラフファッションに身を包み、クライマックスで彼女らの特徴を捉えた協力プレーが見れるなんて夢のようでしょ。

 

ちなみに一番好きだったやり取りは、メルダのスタジオ違う弄り(ディズニープリンセスの中ではメルダが唯一ピクサーアニメ―ション)。

 

というわけで2018年最後の映画鑑賞の感想でした。

 

映画「シュガー・ラッシュ:オンライン」の感想 #シュガラお題

sponsored by 映画「シュガー・ラッシュ:オンライン」(12月21日公開)

 

ぼっち映画の敗北

私は月に平均して5回から6回程度映画館に行くのだが、そのほとんどはぼっち映画である。

このブログのタイトル通り定時後に映画館をするか、フレックスフル活用で朝映画をしてから会社に行くか、休日の予定の前後に見に行くのがほとんどで、稀に友達に誘われて見に行ったり、デートで使ったりもするが、その回数は極端に少ない。

 

寂しい人だと思われるだろうか。

いや、そんなことはない。私は1人での映画館を、心から楽しんでいるのだから。

 

年間何十も通うことが前提なので、劇場の会員カードを持っているし、行きつけの映画館で、1800円ではなく無料~1400円という安価で見れた方が精神的な満足度は高い。

映画を見終わった後の会話が楽しい?そんなものTwitterに投稿するかブログに投稿するかで十分なのだ。世の中に感想はありふれているし、私の感想もパソコンと向き合えば紙幅も時間も気にせず世の中に発信できる。

そもそも家で映画を見るのではなく映画館で映画を見る理由は、私と作品以外の異物、外界の全てを排除することにあるわけだから、誰と行こうがあまり関係ないのだ。

 

私の信念は確固たるもので、これまでもこれからも揺るがない。

そう思っていたというのが、前段であり、これからが本題だ。

 

この間、「ボヘミアン・ラプソディ」という今話題の映画を見てきた。

いずれ感想を書きたいと思っているが、満足度は相当高く、QUEENに詳しくなくとも何度も耳にしてきた彼らの名曲に隠されたストーリーに私は感動していた。

エンドロールで流れた「Don't Stop Me Now」と「The Show Must Go On」の余韻に浸りながら、休日の人でごった返した映画館をのろのろと歩き、男子トイレへ。

そこで、会社の後輩とすれ違った。

 

私は当然声をかける。肩を叩き、よおと挨拶すると、2秒ぐらいの間があり、「あ、どうも」と僕の存在を認知したようだ。普段はメガネをかけており、その日はコンタクトだったので、タイムラグが生じたのだろう。

 

「どうしたんすか?」

後輩は言う。

どうしたんすか? どうしたとは何のことだろう。

単純に映画を見に来たのだが、あぁ、もしかして僕の装いが普段と違っているからだろうか。「コンタクトですね、デートですか?」そういうを聴きたいのではないだろうか。

今思い返すと、「どうしたんすか?」という一言から、想像を膨らませ過ぎたと反省している。だが、あの当時はまだ頭の中で「Don't Stop Me Now」が流れていたのだ。

下手なことを考えついても、止まることなく、次の瞬間にはその思考が言葉に形を変え、既に走り出していた。

 

「いや、映画見てきたんだけどね。1人だよ、1人。いやこの後デートなんだけどね」

 

何の宣言だよ。僕は後輩にこれからデートに行く自分をアピールしていた。確かにこれからデートなのだが、じゃあもう昼間の映画館にもその女の子を誘えよ、と言った直後には私の発言の矛盾と、ぼっち映画に取りつかれた自らの心の闇を認識した。脳内で流れていた「Don't Stop Me Now」が一時停止する。

 

「何見てたんですか?」

特に僕のデートには興味がないらしく、見てた映画について質問をする後輩。というか、僕のデートに興味があるわけなく、最初から映画の話をしたかったゆえの「どうしたんすか?」だったのだろう。

僕は素直に「ボヘミアン・ラプソディ」と答え、彼は笑いながら「同じっす」と言った。

トイレの入り口で長々と立ち話をしているわけにもいかないので、「よかったよな」と僕は彼に手短に感想を伝え、そこで別れた。トイレから僕が出ると、僕よりも先に出ていったはずの後輩が、まだトイレ付近でスマホを弄りながら立っていた。

あぁ、そうか、誰か女性を持っているのだろう。僕は彼に話しかけず、じゃあ根の一言もなく、静かにその場を去った。

 

その時、僕は明確に「独りでの映画の寂しさ」を感じていた。

同じ時間、同じ場所で映画を見ていたのに、深い愛を描いた「ボヘミアン・ラプソディ」という映画を見ていたのに、私は独りであり、彼はおそらく女性と一緒だったのだ。

あの時、自分から独りで映画に来ていること、そしてこの後デートであることを宣言しなければ、こんな悲しい気持ちにはならなかっただろう。

僕は訊かれてもいない言い訳をしてしまった。それはすなわち、私が「負い目」に似た何かを抱えていたからに他ならない。初めて、私は「独りで映画を見る」という行為の悲しみを認識してしまった。

 

映画館から駅に向かう道中、せっかくだから何かQUEENの楽曲を聴こうと思ったが、いろいろ考えてやめた。この形容しがたい感情に、どの曲を被せればよいかわからなかったのだ。

2回見てもいい、いや2回見たい。私は思った。

だが、次は誰かと一緒に見たい。

だが、その相手はいない。劇中で描かれたフレディの孤独を、ほんの少し、本当に少しだけ、理解できた気がした。

 

「映画が趣味です」と言うとロクなことがない。

社交界では「あなたの趣味は何ですか?」「私の趣味は〇〇です」という やり取りが日々行われている。初めましての場合はおおよそこの話になるし、趣味が際立っていれば以降の人間関係が円滑に築かれていく。

 

私は「定時後に映画館」というブログで暇なときに文章を書いているだけあって、趣味は映画である。なので、素直に趣味を訊かれたら「映画ですよ」と答える様にしてきた。社会人になってからそういった機会がぐんと増え、3年間「映画が趣味」を自称してきたのだ。

 

しかし、映画が趣味と答えると、ロクなことがないということに、社会人4年目にしてようやく気付いた。

そもそも私は他のモノに比べて比較的映画が好きなだけであり、映画に詳しいわけではないのである。また映画がなければ息が出来ない、なんてロマンチックな生き方はしていない。

それなのに、「映画が趣味」というと、オーディエンスは必要以上に私の映画への愛や知識量に対して期待してくるのだ。

 

いや、そんなにハードル上げられても。私はただちょっと好きなだけなんですよ?いや、何勝手にがっかりしてるんですか。

 

そんな思いを何度もしてきた。

 

なぜ、映画が趣味というと、必要以上にハードルが上がるのか。

簡単に言うと、誰でも見るからである。ネットフリックスやアマゾンプライムなどの配信サービスの普及により、誰でも簡単に映画を見れるようになった。

映画が別に趣味じゃないですよ、という人も普通に映画を見ているのである。では、映画が趣味の人はどうだろうか?当然、普通の人よりも映画を多く見ていたり、詳しかったり、愛が深かったりする必要があるだろう。

 

趣味として認められるのは、「自分がその対象に対して込めている思いや時間が、平均値より上回っている場合」のみであり、平均値程度の「好き」では認められない。

そもそもそんなに好きではないならば、第三者に熱い想いを語る自信がないならば、「映画が趣味です♡」なんて言わないほうが良いのだ。

 

 

それでも映画以外の趣味が特にない私は、「映画が趣味です」と言い続けてきた。しかし、一般人が設けるハードルは高い。それを乗り越えられないとどのような目に合うのか。

 

例えば「オススメの映画は?」と聞かれ瞬時に応えられず場がしらけたり。

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 例えば、対策して好きな映画を用意したけれど、相手が知らなかったり。

※アーティストやライフを知っている人はともかく、スティングを知っているという人を見たことがない。一番好きな映画なのに。「君の名は。」とか言っておけばよかったのだろうか。

 

一番厄介なのは、結構な頻度で現れる「映画ガチ勢」「コンテンツ考察ガチ勢」に遭遇した場合、圧倒的な知識量によりにわかの私がマウントを取られ、もはやその場において映画が趣味の人はその「ガチ勢」となり、私はただの「ガチ勢」と「一般人」の知識量の差を埋める解説役もしくはやや積極的な相槌マンに回らざるを得なくなることだ。

なぜこんな仕事みたいなことを飲み会でしなければいけないのか。

そんな悲劇も映画が趣味だと自称していなかったら起きなかったことだ。

 

おとなしく映画が趣味とは言わず、暇な時に見てますよ、ぐらいのスタンスでいればよかったのだ。相手が仮に映画が好きだった場合、それに乗っかればよい。自ら映画のフィールドを作り、その場での会話をマネジメントするのはリスクが高すぎる。

 

私は映画趣味を諦めた。かといって別の趣味があるわけではない。

今日から私の趣味は「はてなブログ」だ。内容を尋ねられたら、ITパスポートの対策記事を書いていると言ってごまかすつもりだ。

↓それでも趣味にしたい人向けに記事を書いたので、気になる人はぜひ。

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【ヴェノム】言うほど最悪ではない。(感想:ネタバレあり)

www.venom-movie.jp

 

見てきた。

ヴィランが主人公の映画ということで、「基本スタンスは悪なんだけど、とある事情から別の悪と闘い、結果、平和を守ってしまった」的なストーリーを期待していたのだけれど、残念ながら方向性は全く違う。そもそも原作でのヴェノムはどんな立ち位置なんだろう?まぁ素直になれないアンチヒーローだけど、基本的にはいいやつ、敵な感じなのかな。

 

 

まぁ、可愛いって言われてしまうのもわかるわっていう感じの、バディヒーロー物であった。せっかくマーベル最悪と言われたヴィランを使うのであれば、もう少し・・・って感じはあったけれど、期待していた内容と方向性が違っただけで、決してつまらないわけではなかった。

 

むしろヴェノムに寄生されたことで正義感が増す主人公

主人公エディは記者なのだが、序盤でライフ財団の取材を依頼された際に、「人間による生体実験を行っていた」ことを追求し失脚。しかもそのソースが恋人の弁護士アニーのPCを盗み見て得た極秘文書だったため、アニーもリストラ。結果、破局

控えめに言って、まあ悪いやつではないけれど、ダメな奴である。正義のヒーローとは程遠い。しかも男らしい一面があるというわけではなく、なじみのコンビニにギャングが訪れても知らんぷり、同じアパートでギターをかき鳴らす騒音野郎がいても注意出来ない。

はっきり言って、ヴェノムに寄生されるまではただの残念な男なのである。

 

しかし、ライフ財団の科学者の内部告発を受け、宇宙から地球に持ち帰ってきたシンビオートの人体への寄生実験をしている現場を押さえようと深夜のライフ財団に忍び込むような行動力は持ち合わせている(もはやすべてを失った人間の捨て身の行動ともとれるが)。その「真直ぐになれない正義感」「ヒーローになり切れないヘタレ感」が人間らしくてよろしい。

 

で、結果ライフ財団に忍び込んだ結果、ヴェノムに寄生されることとなる。

その後の彼の成長は目覚ましい。

ヴェノムはエディを気に入ったため、地球を侵略するという本来の任務を捨てることになるのだが、基本的には「人間を食べたい」欲求を持ち合わせた外来種。寄生したヴェノムは人間を食べようともするし、人間離れした行動を規制したエディの身体で次々と行っていく(レストランの水槽に身体ごと浸かってエビを食べちゃう)。

彼を窘めなければいけないという立場が、エディ本人の精神を成長させ、ヴェノムの戦闘力を得たからこそ、ヘタレではなく自らの思う正義を強気に遂行できるようになる。

「決していいやつではない」×「最悪」=「いいやつじゃなかったはずが、いい感じに見える」

「へたれた精神」×「圧倒的戦闘力」=「2人なら最強だぜ!いえーい!」

的な、寄生されたことによるシナジーは作中で結構描けていると思う。つまり、バディヒーローものとしては成功だ。

 

ヴェノムは可愛い

常にお腹が空いているヴェノム。

エディに取りついて間もない頃、エディのありがとうに対して素直に「どういたしまして」と答えてしまう礼儀正しさ。

エディに恋愛のアドバイスをしちゃう感じ。

思ったよりも早く仲間のシンビオートを裏切り、地球のために闘うことを決意するヴェノム。

 

どっからどうみても、最悪ではない。チャーミングな、人間とは違う生き物である。

 

ヴェノムはキャラクターとして魅力があるのだが、エディとの和解があまりにもあっさり過ぎる(エディもヴェノムも「はぐれモノ」だったから、シンパシーを感じたらしい)のは、非常に残念。せっかくだからエディとヴェノムをもう少し対立させるとか、エディ側の恰好を丁寧に描くとかしないと、最悪なヴェノムが全然活きない。

あっという間に「2人はヴェノム!」な感じになってしまったのは惜しいところ。

 

アクションは面白いけど短い

地球に飛来したシンビオートのうち、最強格とされるライオットは、ライフ財団の長であるカールトンに寄生する。カールトンは宇宙からシンビオートをさらに呼び寄せ、地球の侵略に手を貸そうとクライマックスでロケットで宇宙に飛び立とうとする。それを阻止しようとするエディとヴェノム。

人間×シンビオート同士の闘いがクライマックスでは繰り広げられる。

ここがなかなか面白く、スライム状の生物が殴り合いをしている一方で、その中身の人間も殴り合っているような描写があり、そのアクションシーンはもっと尺をとってほしかった。

 

おそらく続編あり。

エンドクレジット中に、エディが快楽殺人者のクレタス?を取材し、彼が大虐殺がはじまるぜー!と言って終了。ググってみると、彼にもシンビオートがとりつくらしいので、続編のヴィランは彼になるだろう。

 

MCUに出張中もスパイダーマンも次回作でソニーの世界に戻ってくる権利はあるだろうから、ぜひとも共演はしていただきたいところ。原作ではクレタスに寄生するカーネイジはスパイダーマンとの共闘で倒したらしいので。

 

ちなみにエンドクレジット中に全く別の世界観のスパイダーマンのアニメがやってた。

2019年公開予定のスパイダーバースの特別映像らしい。結構長めなのでお楽しみに。


映画『スパイダーマン:スパイダーバース』予告