【キングスマン: ゴールデン・サークル】正統派続編であり完結編(感想 : ネタバレあり)
見てきた。
「キングスマン(1作目)」はコメディ色強めだけれど、スパイ映画として我々視聴者が求めているであろう要素(激しいアクション・グッズ・恋愛)がふんだんに盛り込まれた最高のエンターテイメントだったのだけれど、「ゴールデン・サークル」も大枠は変更なく「1作目を楽しんだ人なら2作目も楽しめるんだろうな」といった感想だった。
私は1作目の方が好きだったのだけれど、もちろん「ゴールデン・サークル」も好き。
1作目は「蛆虫」のような主人公がスパイとして成長していき、師の死(狙ったわけじゃない)を乗り越えて世界を救うという王道がぴったりはまっていたが、2作目は既に主人公が成熟しきっている以上1作目のような努力友情勝利的な展開は難しい。
コリンファース再登場によって物語の緩急は作れていたものの、やはり「ゴールデン・サークル」は1作目に比べると少し見劣りする。2時間20分ほどの作品だったので、流石に集中力が切れてしまった。
しかし3作目への期待が持てる作品ではあったので、全体的には印象良し。
いきなりネタバレありで縦横無尽で語りつくすぞ。とてもブログが書きやすい作品だから助かる。
ちなみに、ネタバレ大筋はwikiに書いてあるから、気になる人はチェックしてみてほしい。長いからブログであらすじ書くのも大変なんだよぉ・・・。
コリンファース(=ハリー)が物語の主人公
いや、もちろん主人公はエグジーであり、彼を中心として物語は展開されていくのだが、「この作品の見せ場を作り、盛り上げた立役者は?」と訊かれたらコリンファースではなかろうか。
そもそも1作目で頭を撃ちぬかれたはずの彼は、ステイツマンによって救出されていたが、記憶喪失した状態で再登場。エグジーによって彼の記憶は取り戻されるのだが、物語中盤ではまだハリーは本調子ではない。
1作目の酒場のシーン(「マナーが紳士を作るんだ」からのチンピラ数人を撃退する)を再現しようとしたところ、ことごとく失敗。ステイツマンエージェントウイスキーに見せ場をとられる。
更に麻薬に混入された毒の解毒剤を奪いに敵のアジトに向かうシーンでは、視聴者をハラハラさせるレベルのポンコツさ。素人を気絶させるのもままならず、視界には幻覚の蝶が飛んでおり、ゴンドラの操作もままならない。
そんな彼が仲間であるはずのウイスキーへのヘッドショットを決めてしまうのだから、エグジーも、もちろん視聴者も「こいつ大丈夫かよ」と思ってしまうのは仕方があるまい。
結果的にウイスキーはポピー率いるゴールデンサークルの内通者ではなかったものの、個人的な信条でキングスマンのミッションを邪魔しようとしていた敵ではあったのだが、「やっぱりそうだった!」という物語終盤の答え合わせが爽快である。なお、その時には既にハリーはエージェントとして本調子に戻っているので、なおさら気持ち良い。
つまり、
師であるはずのハリーが復活したが、全然ダメ(物語に緊張感を持たせる)
↓
調子が戻ってきて、エグジーの頼れる師として復活(本来の役割を取り戻し)
↓
更にポンコツの失敗だと思っていたウイスキーへのヘッドショットが正しかったことが証明される(やっぱりハリーは最高のエージェントだぜ!)
といった綺麗な物語の流れが彼によって生み出されているのである。
ステイツマンのアクションが楽しい
早回しの激しいアクション(体術と自動式拳銃・傘や旅行鞄といった紳士的グッズの組み合わせ)がキングスマンの基本であるが、ステイツマンの闘い方がキングスマンと全く違うため、途中で飽きが来ないのが嬉しい。
ウイスキーは結果的に裏切ってしまったが、回転式拳銃(二丁拳銃)とレーザー投げ縄を中心としたアクションはキングスマンのモノとは一切異なり、見ていて楽しい。
彼の見せ場は2回あるが、そこで彼が圧倒的な強さを見せつけたからこそラスボスとして映える(流石に1作目で生き延びたキングスマン堕ちの半身機械や犬ロボットでは締まらない)。
キングスマンの2人のエージェントVSステイツマンの異文化交流戦も派手ではないが生々しくて悪くない。
ちょっと頑張って重たいテーマを扱おうとしている
1作目は手放しの愉快犯が携帯電話を使って優良民族のみ生き残らせようとした構成だったが、2作目は基本的な構造は同じではあるものの、多少捻っている。
敵組織ゴールデンサークルのトップポピーは自己顕示欲の暴走の結果、麻薬に毒を盛り、麻薬の合法化を交渉。毒が盛られたのが麻薬というところが面白い。死に至る毒に侵された人間は基本的には犯罪者であり(劇中でも触れられているが治療目的や若気の至りで麻薬をやってしまう人もいる)、彼らを救うべきなのかという倫理的な問題も扱っている。まぁそこは正答派スパイ映画らしく「どんな人でも救うべきである」というのが物語としての回答であり、麻薬利用者と麻薬の販売者を一網打尽にしようとした米大統領は逮捕されるというオチで終わった。
裏切ったステイツマン「ウイスキー」も、麻薬中毒者にかつて恋人を殺されており、彼が私怨でキングスマンの邪魔をしようとしたのも何となく納得できてしまう。倫理的なグレーゾーンをついた麻薬だからこそ、キャラクターの信念に違いが出て面白い。
手放しに敵を悪だと言えてしまう1作目と比べて、「まぁあいつの言いたいこともわかるよね(ただしサイコパスのポピーは除く)」と納得できてしまう部分があるのが本作の魅力。中盤で味方として活躍したウイスキーの顔をちゃんと立てているのがよろしい。
続編ならテキーラが主人公?
「ゴールデン・サークル」で第1部キングスマンの幕が閉じられた感はある。
キングスマン所属のスパイは物語の冒頭でほぼ全滅(ロキシーまで死亡したのは正直びっくりした)。さらに物語のクライマックス直前でマーリンがカントリーロードを熱唱しながら自ら踏んだ地雷で昇天。
主人公エグジーは劇中に「スパイという立場上結婚して王室に入るのは・・・」と口を濁していたにもかかわらず、ラストに結婚。
ラストカットではテキーラ(チャニング・テイタム=あの「マジック・マイク」で主演を演じた最高の筋肉俳優である)がキングスマンの店の前に訪れていて、彼がキングスマンのエージェントとしてこれから活躍することが暗示されている。
本編ではポピーが毒を盛った麻薬を服用してしまったこともあり、凍結されてあまり見せ場はなかったものの、「彼は強いが紳士としては完成されていない」ということを一瞬の登場シーンで視聴者全員に強烈に印象付けた。
「ステイツマンのエージェントではなく、キングスマンのエージェントとして成長していく物語」がキングスマン3作目として描かれるのであれば、もう楽しみで仕方がない。チャニングテイタム好きなんだよ。
以上。キングスマン、手放しに楽しめる最高の作品だから続編も早めに撮影してほしい。
「ラスト〇〇分の衝撃!」という宣伝は映画をつまらなくする
僕は映画を見る前に、公式サイトを出来るだけ見ないようにしている。
評判も一切見ない。SNSの類も一切やっていないので、流れ弾的なネタバレを食らうこともあまりない。
というのも、先入観があるとやはり映画はつまらなくなってしまうからだ。
もちろん結末やストーリーを知っていても面白い映画だってある。
一方で、ミステリ系など結末にトリックが仕組まれていて、その結末を知ることが楽しみの多くを占めるような作品も多く存在する。
そういう「知らないほうが確実に楽しめる作品」については、ネタバレを徹底的に避けたい。情報化社会だから多少なりノイズとしてネタバレが耳に入るのは仕方がないが、対策をしていればかなりその確率を下げることは出来る。SNSを辞める、というのはやりすぎな気がするが。
しかし、最近は映画を配給する会社自体がネタバレを仕掛けてくるから油断できない。
もちろん直接的なネタバレをするようなことはないが(犯人は〇〇!みたいな。)、超間接的なネタバレは至る所に潜んでいるのだ。
その代表格が「ラスト〇〇分の衝撃!」である。この宣伝文句程、映画をつまらなくするものはない。
要は何が言いたいかというと、「衝撃的なラストが用意されていたとしても、衝撃的なラストが訪れると知っていると、容易にその衝撃的なラストが想像できてしまう」のだ。
「衝撃のラスト◯分!」という宣伝文句の映画はラストのガッカリ率が高い | ロケットニュース24
↑ここまで書いてググったら、はるか昔に記事として取り上げられている悲しみ。
種子はちょっと違うので、それでも話を続けるぞ。
例えばさ。
「手紙は憶えている」という映画をかつて見た。(以下ネタバレ注意)
「物忘れが激しい主人公が、かつて自らの家族を殺害したナチの兵士を探して復讐しようと、4人の候補を探し回る」といった内容。
話はとても面白かったのだが、映画館に掲載されていたポスターに「ラスト5分の衝撃」と書いてあったものだから、物語の序盤で話のオチが分かってしまった。
犯人を捜す忘れが激しい主人公。ラスト5分でどんでん返し。
もうそれだけの情報でオチが読めてしまうだろう?
その「ラスト5分の衝撃」というインプットがなければ、「主人公自身がナチであった」なんて予想できなかったかもしれないのに!
いかにも4人の候補のうちの1人が犯人であるという感じでストーリーは進んでいたのだ。まさか普通の視聴者は主人公がナチだとは思わない。
私だって「ラスト5分の衝撃」があると知らなければ、幸せにそいつが犯人であると思い込んでいただろう。だが、「ラスト5分で衝撃起こるな」って思っていたせいで、そのラスト1人が犯人という単純な終わり方になるわけがないという疑念が浮かんでしまった。
結果、主人公がナチだったという「衝撃の事実」には、衝撃することはできず、物語の中盤ぐらいで大体気付いてしまったのだ!!!!(日本語が不自由)
「衝撃」と書かれている時点で、これまでの物語の筋から外れた結末が訪れることは誰でも予想できる。しかし、映画を作る人間はその「衝撃」を演出するためミスリードをしようと既定路線を懇切丁寧に描く。
「ラスト5分の衝撃」という宣伝文句は物語の作り手の意思と矛盾しているのだ。なぜなら、衝撃があると分かっている時点で、ミスリードは絶対にされないから。
控えめに「この物語のオチはこうですよ」とポスターでネタバレしているわけだ。
映画業界の皆さんには今すぐにこの宣伝文句を辞めていただきたい。作り手とファンを大事にしない売り方をしては、衰退してしまうぞ産業は。
【ONE PIECE】ベストエピソード(="編")ランキング
私は今年で25になるのだが、初めて読み始めた少年漫画が「ONE PIECE」であった。いまでも結構好きな漫画の一つである。
ネットでONE PIECEについてはいろんな話題が転がっているが、強さ談義やら素人の展開予想などは興味ない。「一般的にどのエピソード(=編)が好かれているか」が一番気になる。皆もそうではないだろうか。
というわけで、ワンピース素人の私によるエピソードランキングを公開したい。
エピソードの区分とランキングの選定基準について
エピソードの区分は頂上戦争編まではONE PIECE 無料連載公式アプリ - Google Play の Android アプリに記載されている区分に則り、特に記載のない部分については私が勝手に決定した区分としている。
【公式の区分】
・東の海編(1話~100話)
・アラバスタ編(101話~216話)
・空島編(217話~303話)
・ウォーターセブン編(304話~441話)
・スリラーバーグ編(442話~489話)
・頂上戦争編(490話~597話)
【私の区分】
・魚人島編(598話~653話)
2年後から魚人島出発まで。66巻の途中ではあるが、654話には魚人島を出発しているので、ここまでとした。
・ドレスローザ編(654話~801話)
ローやドンキホーテ海賊団幹部と接触していることも踏まえ、パンクハザードもドレスローザ篇としておく。
・ホールケーキアイランド編(802話~902話)
※20年3月14日更新
最近になってようやく読み終えたので、これもランキングに入れる。
というわけで、東の海編~ホールケーキアイランド編の計9エピソードをランク付けしていく。
ランク付けの基準だが、ざっくりだが以下のように考えている。
・ストーリ-の完成度(展開に無理がないか、間延びしないか、起承転結が綺麗か)
・キャラクターの魅力
・名シーン演出(印象に残るセリフやシーンがあるか)
なお考えてみたら結構優劣つけがたかったので、ランク上位は減点方式で優劣をつけざるを得なかった。悪しからず。
では8位からつらつらと。
9位 魚人島編(598話~653話)
【印象的なところ】
・2年後お披露目会
・種族の問題
・ジンベイ加入(仮)
ONE PIECEという大きな物語の一部である以上致し方がないが、2年後の成長した彼らが敵を圧倒しすぎており、全体的に緊張感がなかった。
特に2年後のシャボンディ諸島での再集合は最悪で、あれだけ仲間を大切にしていたにも関わらず、ギャグでクルーの顔が分からないという展開にしてしまったのは大きなマイナス点。
種族間の摩擦をテーマに掲げており、輸血中にジンベイに勧誘を行うシーンはグッとくるが、血の問題の入りがサンジの鼻血では・・・。
8位 スリラーバーグ編(442話~489話)
【印象的なところ】
・ブルック加入とラブ―ン伏線?回収
・七武海2連戦とゾロの男気
・ペローナ
お化け屋敷的なコンセプト・影入れ替えトリックは面白かったものの、ストーリーに盛り上がりが感じられず、敵キャラのモリアに魅力がない。ラブ―ンのエピソードとの紐づけも東の海編から時間が経ちすぎており「今更」感があり、ブルックの冗談を愉快にペラペラ話すキャラクター付けゆえに、孤独設定にも感情移入がしにくかった。
ペローナの可愛さと一味壊滅を回避したゾロの男気が光る。
7位 ドレスローザ編(654話~801話)
【印象的なところ】
・ローとの同盟
・多すぎる割にはキャラ立ちしている登場人物達
・ベラミー
パンクハザードの展開スピードは心地よく、ドレスローザ上陸後ももたついたものの、物語を展開するキャラクター達の魅力に助けられ最後まで楽しく読み切ることが出来た。インペルダウンほどではないが、ロー・サボなどの再登場を待ち望まされたキャラクタ―達の活躍も大きい。ドフラミンゴも久々の「大ボス感」があり、とても良い敵役を演じてくれた。
ちなみに私のドレスローザ編一番のツボはベラミー。人の夢を笑いルフィにワンパンでKOされた奴がここまで這いあがってくるとは。それでいてなお弱いのも人間味があってとても良い。
しかし残念ながらアラバスタ編と大筋が似通ってしまっているため、ランク的には落としてしまっている。アラバスタ編よりもドレスローザ編が好きな人はあまりいないのではないだろうか。
あとはおそらくONE PIECEを後々思い返したときに浮かんでくる鳥肌の立つような名シーンがないのも6位でとどまった理由。
6位 ホールケーキアイランド編(802話~902話)
【印象的なところ】
・有能ブルック
・ジンベイ仲間入り
・サニー号に帰りたい
・VSカタクリ
お馴染みになった仲間奪回エピソード。
連載当初に読んだときはVSカタクリ面白かったなあと思ったのだが、冷静に考えるとVSルッチのほうが肉弾戦としての描写は上だったし、話の主役であったサンジの「仲間を庇って系」のやつはロビンで十分であった。
圧倒的な格上に対してファイアタンク海賊団と手を組んで暗殺を試みるというのも面白いかと思いきや、今回殺しきれないことはほぼ読者は分かっていたし、そうなるとVSカタクリまでの尺が長いように感じてしまう。
ただ、最近キャラクターの扱いが適当になっているワンピースにおいて、サンジとプリンの心理描写はなかなか良かったと思う。プリンの本性を知って泣いているサンジやキスして記憶を抜くプリンは印象深い。
あとは、チョッパー以外のキャラクターの株もしくは戦闘の力が上がったので、次のエピソードに向けてキャラクターを育てられたという印象だろうか?
おそばマスクはやっぱりワクワクするし、ジンベイとゼウスが仲間入り、ブルックもこれまでのエピソードで明確な活躍をしていなかったが、最年長の貫禄を見せつけていた。
ただ、今のワノクニの盛り上がりを見ると、前座エピソードのように感じられてし舞うのが残念。マムも実質ワノクニでの処理になるわけだし。
5位 ウォーターセブン編(304話~441話)
【印象的なところ】
・ギアセカンド
・ロビンの「生きたい」とメリーとの別れ
・ロブルッチ
6位まではあっさり決まったが、5位以上の決定がかなり難しかった。
ロビンの「生きたい」やメリーとの別れはワンピースを語るうえで避けては通れない名シーン。また、ルフィVSロブルッチはワンピース全編上位に食い込む名バトルであったと思う(ギアサード後の限界状態での純粋な殴り合い)。
しかし残念ながら私はメリー号に大きな感情移入が出来なかった。いや船だぜ?船乗り換えるか乗り換えないかで一味離散の危機はねーだろ。というわけで、ウソップ離脱~メリー号追悼までの流れはあまり感情移入できなかったのが5位でとどまった理由。一味抜けるほどメリーに思い入れを抱いているウソップ、というのがもう少しこれまでのストーリーで描かれてたらなあ。
また、仲間奪回系の話ならアーロン編で十分・・・という印象もある。
デービーバックファイトには触れないでおく。
4位 頂上戦争編(490話~597話)
【印象に残ったところ】
・エースの死
・ワンピース史上最大のオールスター祭り
・一味離散
シャボンディ⇒女ヶ島⇒インペルダウン⇒頂上戦争。スリラーバーグやアラバスタ編で一味全滅の危機やルフィ敗北などの描写はいくらかありましたが、明確な一味としての敗北が描かれたのはシャボンディ諸島が初めて。
「まぁ何だかんだ死なないし、勝つんでしょ?一味の友情パワーでさ」のマンネリから抜け出したのが頂上戦争編の一番の魅力。シャボンディで壊滅するわ、エースと白ヒゲは死ぬわで「本当にこれはONE PIECEか?」という新鮮味があった。
少々重い天竜人と魚人の差別についても持てあますことなく描き切っており、ONE PIECEの世界の闇を垣間見せることにも成功しており後々の展開に大きく寄与している。
そして何より素晴らしいのがインペルダウン編。かつての敵が味方になるワクワク感は長期連載の少年漫画なら一度はやりたいボーナスタイム。戦争突入から多少もたついたが、インペルダウンの「次は誰が?」という期待感はすさまじかった。
3位 東の海編(1話~100話)
【印象的なところ】
・二度と敗けねェから!!!!
・くそお世話になりました!!!
・当たり前だ!!!!
東の海編といっても大きな流れはなく島ごとのエピソードが連なっている構成。長期連載の弊害ではあるが、東の海編以降ドンドン展開スピードが遅くなっているので、この頃のペースが一番読みやすい。一つ一つのエピソードがコンパクトにまとまっているため、アラバスタ編や空島編のような伏線を貼ったうえでのダイナミックな物語展開とオチを魅せることはないが、それぞれのエピソードがしっかりと面白いので問題なし。
グランドラインに入る時の野望の宣言もこれから始まる冒険への期待感を膨らませる東の海編の幕引きに相応しいシーンであった。
名シーンが多い。上記したゾロVSミホーク後の宣言、バラティエ出航時のサンジ、ナミの「助けて」に応えるルフィなど。ウソップ海賊団解散とその後チュウ戦での「海賊ごっこは終わったんだ!」の流れも好き。
また、ルフィが最も魅力的なキャラクターであったのもこのシーン。ウイスキーピークでのゾロとの喧嘩をきっかけに、「阿保だけど大いなる人望がある船長」へとシフトチェンジしていったが、東の海編のルフィは「大雑把だが良い意味で空気が読める」人だった。
かつてのルフィなら藤虎に殴るときにわざわざ攻撃方法を口に出したりしないし、2年間のブランクで仲間の顔を忘れるような真似はしないだろう。そして、今のルフィなら、ガイモンには宝箱の中身がないことをハッキリと伝え、おそらくコビーを殴らせるような演技もできない。
名シーンの多さ、ルフィの人格、そしてつまらないタイミングが一切ないという点を評価し3位。
2位 アラバスタ編(101話~216話)
【印象的なところ】
・冬に咲く桜
・×
・クロコダイル
映画化までされたエピソードが2つも入っているアラバスタ編を下位にするわけにもいかず2位。とはいったものの実際ドラム島の桜の木の演出とビビとの別れのシーンは「このために読んできた!」と思わせてくれるような完璧なオチであった。
アラバスタ本編では七武海のクロコダイルが最後までルフィの前に立ちふさがった(しぶとかったのはルフィだが)。古代兵器のために国一つ乗っ取ろうとするスケールの大きさ、ロギアの絶望感、アラバスタの民を悉く踏み台にしていく姿勢はまさしく悪のカリスマ。言ってしまえば、ドフラミンゴの完全上位互換である。
アラバスタの民衆や国王への描写をちゃんとしていたため、ビビの「この国を愛してるから」が利いてくる。シャボンディ諸島もそうだが、ルフィ達周辺のことだけを描かずに、その周りの人々とのやり取りの中で彼らの生活をしっかりと描写できると、ただルフィ達が暴れて敵が勝った以上の意味をストーリーに見出すことができてとても良い。
国と民の姿をドラマチックに描いたアラバスタ編が2位。
1位 空島編(217話~303話)
【印象的なところ】
・人の夢は終わらねえ
・エネル
・鐘
「ONE PIECEを途中で読むのやめた」という人はたいていアラバスタ出航と共に卒業している。それゆえ空島編はあまり評判がよくない。サバイバルも間延びしているという意見も多数ある。
だが私は1位に空島編をあげる。空島編のストーリーの完成度はONE PIECE内でぶっちぎりだ。芸術と言ってもよい。
霧に浮かぶ巨人の姿
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先祖の因縁を晴らすために黄金郷を探すクリケット。同じように夢幻と言われている空島への航海を手助けしてもらう。
夢を笑うベラミーと「人の夢は終わらねえ」のティーチが良い味を出している。
また、この時点で空島と黄金郷が関わっているとクリケットが分かっていないことが物語のミソ。後になって結果的にルフィが恩返ししたことになったという運びになるのが、利害を超えた友情らしさを演出していて非常に良い。
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空島突入。丁寧な過去編により、クリケットの先祖、ノーランドの思いと黄金郷の真実を読者に伝える。
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エネル撃破と同時に「黄金郷は空にあった」ことを伝えるためにルフィが鐘を鳴らす。
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鐘の音とともに霧にルフィのシルエットが浮かび、ルフィが黄金郷の存在を証明したことがクリケットに伝わる。
こんなにも美しい展開を週間連載でやってのける尾田氏は化物である。 細かい登場人物の思いやギミックがすべて鐘を鳴らすルフィという最高のフィナーレへの伏線になっている。サバイバルが間延びしているのは否めないが、麦わら一味の冒険だからそれは仕方がない。それにしたって無駄な描写は一切ないような気がする。
また、エネルという強敵の存在も大きい。彼の前に次々と仲間が倒れていく中、天敵のルフィが驕った神を打ち砕くという展開も少年漫画らしい爽快感があって大変よろしい。
もはや完全な好みなのだが、空島編1位だけは譲れなかった。世の中の意見と違っていてすまない。
それではさようなら。ワノクニ早く終息してもらって一気読みしたいですね。
【Netflixお題】2017年に見たベストアニメとして「四畳半神話大系」を推す。
2017年、湯浅政明監督のアニメ映画が2本も公開され私にとってはほくほくの一年であった。
森見登美彦氏原作の「夜は短し歩けよ乙女」。「逃げ恥」で勢いをつけた星野源氏が声の出演をしており、それなりにメディアにも取り上げられていたのではないだろうか。
さらにその直後に「夜明け告げるルーのうた」。アヌシー国際アニメーション映画祭長編部門にてクリスタル賞(グランプリ相当)を受賞。公開時期が短かったが、凱旋公開が行われ、私はその凱旋に救われた人間の一人であった。FLASHアニメの威力を見せつけられた。
同じ監督のアニメ映画を2本立て続けに見ることが出来るのは中々幸せなことで、特に「夜明け告げるルーのうた」は2017年のMYベスト映画なのではなかろうかと思っているのだが、既に記事を書いてしまっているので、割愛。
私がイチ推しする2017年に見た作品は「四畳半神話大系」である。
簡単に説明しておくと、腐れ大学生の「私」が所属したサークルによって自らの大学生活がどのように変化していったかを描く「if」ものである。森見登美彦氏の十八番である京都の名所を大いに盛り込んだ舞台設定、そして何より自意識全開の主人公、可愛らしいヒロイン(明石さんは最高に可愛い)、曲者だが憎めないサブキャラクター(小津は名キャラクターである)が特徴の作品だ。
なぜ今更「四畳半神話大系」なのか。「夜は短し歩けよ乙女」を劇場で見た直後、「四畳半神話大系も見返したい!」という思いにとらわれ、ブルーレイボックスを引っ張り出してきたのだ。
「夜は短し歩けよ乙女」と「四畳半神話大系」は登場人物が被っているなど世界観を共有しており、片方を見てしまったらもう最後、もう片方も見ずにはいられない。アニメ版「夜は短し」には「四畳半」のキャラクター・モチーフが原作以上に登場しており、ファンにはたまらない作品となっている(小津っぽいカミサマとか、ジョニーとか)。
森見登美彦氏×湯浅監督のタッグの素晴らしさは原作の良さを踏襲しつつアニメーションだからこそ映える演出やオリジナルのストーリー展開をやってのけるところにある。
原作は計4話。1話完結という形になっている。4話ともルートは違うがオチはほぼ同じという構成が面白い。
しかしアニメ版は全11話という大きな流れでオチをつけなければならない。原作通りに同じオチを各話でやっていたら視聴者が離れていくだろう。そこで「もしも私が別のサークルに属していたら」という基本的なコンセプトは踏襲しつつも、10話~11話に話のオチを持ってくるという形にした。
基本的には1話で1エピソードが完結する構成なので、原作では描かれないエピソードもふんだんに盛り込まれており(原作が4話分しかないから当然である)、アニメ版ならではの楽しみがあるのが良い。そして10話~11話のオチは基本的に原作から外れていないのがとても良い。
原作がある映像作品において「原作改編」についての議論は避けて通れない道ではあるが、「四畳半」は見事にアニメならではの楽しみを作り出しながらも原作をリスペクトする最高の作品に仕上がっている。
「私」の一人称小説である原作の空気感を出来るだけ再現しようと「私」の声を演じている浅沼晋太郎氏がひたすらに喋り倒しているのも面白い。こんなにぶつぶつしゃべり続ける声優はあまりいない。
原作が好きでアニメ版を嫌いになる人はいないと思う、この作品においては。
「四畳半神話大系」はネットフリックスで見れるらしいので、ぜひ見てほしい。
「ずっと話が進まなくてつまらない」と思ってしまうタイミングがあるかもしれない。しかし、覚えていてほしい。少しずつ前進していること、そしてこの作品の大きなオチの感動は、この「繰り返し」があるからこそなのだと。
ちなみに、湯浅監督のアニメーションがネットフリックスで来年から公開されるらしい。楽しみ。
伝説のコミックが過激に甦る!『DEVILMAN crybaby』PV第3弾
↑走ってるシーン、脚がぬるぬる動く。湯浅監督だと確信できるワンシーン。
というわけで、2017年一番良かったアニメ「四畳半神話大系」でした。
【ジャンプ+】「フルチャージ‼家電ちゃん」と「阿波連さんははかれない 」に命を救われている
一時期は中二病をこじらせて「崇高な作品を」とか言いながらストーリーがよく練られていたり、ちょっと重たいテーマを扱っていたりする漫画を好んで読んでいたが、24年も生きると一周回ってただただ癒されるラブコメっぽい作品が愛おしくてしょうがない。
仕事で疲れているのだ。
頭を使いたくない。ただただ幸せで緩やかな気持ちの高まりを感じたい。
最近の習慣かつ茫漠とした乾いた日々を乗り越えるための楽しみはBLEACHと銀魂の一日一話無料を読み、ジャンプ+で「フルチャージ‼家電ちゃん」を一話読み、隔週で更新される「オトメの帝国」と「阿波連さんははかれない」を読むことである。金はないので無料アプリに縛られているのが哀しいが、あえてその縛りを持たせることで毎日あるいは毎週に生きる希望を見出しているのである。
中学時代月曜日になると学校へのヘイトとジャンプへの期待でテンションがおかしくなっていたが、時を経てまたジャンプとリアルの間で揺れる精神性を取り戻してしまった。
既に「オトメの帝国」の記事は書いているので、
僕が最近命を救われている 「フルチャージ‼家電ちゃん」と「阿波連さんははかれない 」の紹介をしたい。
家電を自称する家事代行メイドロボット的な存在、アイちゃんとそのご主人様ヒロトくんによる日常系コメディ。アイちゃんが強烈な可愛さを誇る。完結済み。
人との距離感を掴むのが苦手で意思疎通がなかなか難しい阿波連さんと、極端な勘違いと飄々とした態度と包容力が特徴のライドウくんのやりとりをただ描く学園系コメディ。ふふっ、と笑ってしまうシーンが多い。連載中。
これら二つの作品の共通点は、ただただ可愛い女の子をノンストレスで楽しむことが出来ることだ。私は時にそういう世界に逃げ込み、どうにかこの現実を生きている。
ノンストレス女の子エンジョイ漫画とは。その条件は以下の通り。
①激しいエロはNG
ほんわかではなく、気持ちが滾ってしまうからである。
「家電ちゃん」はややエロだが、青少年に見せても問題がない程度である。
「阿波連さん」については全くエロがなくほんわかとした男女の友情?を描いている。
②男性に好意があるタイプのハーレム系ラブコメはNG
大抵男性側に嫉妬の行動に苛立ちを覚えるからである。
「家電ちゃん」はなぜが主人公が持てるタイプのコメディ漫画だが、ヒロイン達が家電orロボットなので本人にその気は基本的にはない。
「阿波連ちゃん」に限っては1対1のやりとりが8割を占め、二人の間に形成される優しい世界を脅かす存在はいないので、その心配はない。
③女の子だけのゆるふわな日常系はNG
所謂まんがタイムきらら系の作品はいまいち癒されない。なぜなら、男性への感情移入が出来てはじめて「可愛い女の子とのノンストレスなやりとり」を疑似体験できるからである。
「家電ちゃん」「阿波連さん」共に、男性が主人公である。こんな生活できたらなあという夢のある感情移入に大いに貢献してくれている。
④1話完結型
途中から急に読んでも楽しめる作品でないと、作品のストーリーを追うということがストレスになるからである。
僕は貧乏人なのでジャンプ+の無料更新で楽しんでいるが、途中から読んでも普通に面白いのが良い。
⑤女の子が可愛い
画力がある程度高いのが重要である。そして、もちろん魅力的なキャラクターであるのも重要だ。
「家電ちゃん」のアイちゃんが大好きである。底なしの元気とただ真直ぐヒロトさまを思う気持ち、そして適度なアホ感がとてもかわいい。
「阿波連さん」の阿波連さんが大好きである。人間関係に不器用ながらもライドウくんと心を通わせようとするさま、全体的な小動物感がたまらない。というかライドウくんと阿波連さんのカップルとして好きである。
その他「誰かが救われない傷つけられ方をするのはNG」「見てるこっちが疲れる激しいギャグはNG」「ふふ、と笑える程度の小ネタをたくさん挟む程度がちょうどいい」など様々条件はあるが、割愛する。
というわけで、僕は「家電ちゃん」と「阿波連さん」が大好きなのである。あたまゆるふわ幸せマンガをあげるなら僕はこの2作品を推す。
現実逃避なら、この2作品に違いない。
図書館があれば本屋はいらない問題。
私は人並みには読書を嗜むのだけれど、本は滅多に購入しない。
なぜなら図書館ユーザーだからである。
図書館は金のない現代の若者の強い味方だ。無料で本どころかメジャーなアーティストであればCDさえ借りることが出来る。年間100冊単位で本を読むので、大幅に節約できている。
図書カードを作り、手続きさえ済ましてしまえば、オンラインで予約できるし、予約した書籍やCDは区内の希望の図書館で受け取ることが出来る。
新作や直木賞などのタイトル受賞作品は予約件数が多すぎて読むのは大分先になってしまうが、今すぐに読みたいわけではないのならば何ら問題はない。
在住地域が特定されてしまうのはあまり好ましくないが、私は大田区に住んでおり、日々図書館を利用している。
大田区立図書館が12月の頭ぐらいから15日ぐらいずっとシステム改修を行っていたのだが、リニューアルされた図書館のシステムが依然と比べものにならないぐらい利用しやすくなっていて驚愕している。
図書館の近くに住んでいないと利用がしにくいのが難点だが、多少の手間さえ惜しめば無料でこの世に溢れているメジャーな図書は読めるわけで、使わない手はない。
私は本屋で本を購入せずに、気になった本はすべてメモして図書館で予約するようになった。衝動的に物を買うことがないので、その場で気になる!と思っても1000円近くの書籍を買おうとは思わない。
本が好きな人間としてはあるまじき行為なのかもしれないが、僕としては「今すぐに読みたい!」という衝動を掻き立てるような店舗づくりや作品の取り扱いを心がけてほしいものだ。機械的に分かりやすく本を貯蔵する図書館とモノを売らなければならない本屋の違いを僕はそこに見出している。
いやいや街の本屋と図書館じゃアクセスしやすさが全然違うでしょ、という考え方もあるが、そうなると圧倒的に便利なアマゾンを使えばよいとなるわけだ。
ただで読むなら図書館。
便利に読むならアマゾン。
出会いと衝動の本屋。
頑張ってくれ本屋。負けるな本屋。
魅力的な本との出会いと、その場で持ち帰りたくなるような演出。
そんな本屋に私は会いたい。
【オリエント急行殺人事件(2017)】原作通りではないけれど、いい実写版だった。(感想:ネタバレあり)
原作は読んでいるし、1974年の実写映画も観ている。「豪華キャスト」が宣伝文句のこちらもしっかりと見てきた。
結論から言うと、分かりやすい。僕はミステリが好きだけど、複雑なミステリは頭が弱いのでよく理解できないという致命的な欠陥を抱えているのだが、本作はかなり丁寧にトリックの説明がされていて、より大衆向けのエンタメになったという印象だ。
原作よりも、1974年版の映画よりも、まずはこちらから見ることをお勧めする。多少改変はあったが、大筋とこの作品で描くべきポイントは抑えているので問題ない。
原作との改編
大きな変更点は以下3つ。
①コンスタンチン博士リストラ
医師役をアーバスノット大佐が兼ねている。彼は軍人退役後に医師になった設定に変更。ラチェットの死体の検視を容疑者じゃないコンスタンチン博士が行うことに意義があったと思うが、まぁそこは目をつむるべきだろう。
つまり、探偵役はポアロとブークの二人が担当。名探偵ポアロとすぐに結論付けようとするお調子者のブークというペアは、典型的な探偵と助手。3人目は確かに蛇足だったかもしれないので、良い判断だと思う。
②ヘクターの逃走
ラチェットの助手、ヘクターが物語中盤に証拠品を焼き消そうと列車から逃げる事件が発生。彼を追いかけるポアロの身のこなしを楽しむことが出来る。
焼き消そうとしたのはラチェットから金銭を横領している証拠品となる帳簿だった。
③アーバスノット大佐の自白。
上記事件でヘクターへの疑いの目が強くなるが、ここで原作にはない第二の事件が発生。ハバード夫人が背中を何者かに刺されてしまう。
この時点で一度ヘクターへの疑念は解かれることとなり、ポアロは別の人物に事情聴取を行うことになる。アーバスノットの恋人であるメアリの聴取中に、アーバスノットが拳銃でポアロを急襲。ちょっとしたアクションシーンののち、アーバスノットが自白をした。
が、オチは皆さんご存知の通り「全員が共犯者」。ポアロの灰色の脳細胞は原作にない事件にも動揺しなかった。
あとはオリエント急行に乗る前にちょっとした事件を挟み、「この事件で誰が得をするのか」という彼の推理アプローチをお披露目している。この考え方はオリエント急行の殺人の解決編でもしっかりと利用されており、うまい伏線を張ったなぁと感心していた。
やはりポアロが魅力的
本作はミステリとエンタメ作品の中間ぐらいの立ち位置にあると思う。「オリエント急行殺人事件」をエンタメらしくしたのは、本作の宣伝でも散々言われている豪華キャストの演技力。特に主人公ポアロがただの偏屈な人間ではなく、魅力的な探偵として描かれているのが良い。
乗客者全員が共犯、しかし被害者のラチェットによって人生を壊されてしまった人々。真実を隠し、彼らを庇うかどうかの葛藤にしっかりと尺をとっている。彼が葛藤する意味が分かる様に、彼のパーソナリティを描く努力も怠っていない。前述したオリエント急行に乗る前の事件についてもそうだし、会話の端々に見える「私はこう考える」という強い主張が、彼の人間性を象徴している。
ケネスブラナーの演技を見ているだけでも楽しめるので、映画としてのクオリティはある程度担保されていると言って良いだろう。
余談
残念ながら、私は「オリエント急行殺人事件」以外のポアロシリーズを読んだことがない。なので、オリエント急行殺人事件の前に描かれた事件や、オリエント急行を降りたあとにポアロが向かう事件が、原作にある事件かどうかは分からないのだが、ケネスブラナーのポアロの映画をもう一度見たいと思うので、ぜひとも実写化してほしいところ。
原作と1974年映画の感想はこちらから