【ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー: リミックス】ヒーロー系コメディ(感想:ネタバレあり)
見てきた。
マーベル作品は「ドクター・ストレンジ」を不覚にも見逃してしまった以外シリーズ全て網羅しているのだけれど、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズが一番好きだ。そして、「リミックス」は一作目よりもパワーアップしている。作品としてのクオリティは前作を上回ったと思う。
ポイントはノリノリな音楽と、シリアスであるべき戦闘シーンにも容赦なくネタをぶち込んでくるコメディ要素、そしてキャラクターの魅力。
アベンジャーズシリーズはもはやシリーズが続きすぎて「新参者お断り」な雰囲気を醸し出してしまっているが、まだアベンジャーズに合流していない彼らの物語なら話は別だ。ぜひとも「アベンジャーズシリーズには興味ないよ」という方々も、見てほしい一作となっている(流石に、「リミックス」初見だと楽しめない。1作目の「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」を見てから、劇場に足を運ぼう)。
備忘録的に好きだったシーン、要素をまとめていくぞ。中盤から大いにネタバレしていくので、注意してほしい。
オープニングが最高(ここまでネタバレなし)
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズと音楽は切り離せない。
1作目から、主人公ピーター・クイルが母親の形見である「最強MIX」と呼ばれるカセットテープとWalkmanを愛用していたこともあり、彼の生まれである地球の70~80年代の音楽が劇中で多用されていたが、今作も重要なシーンを音楽が余すことなく盛り上げている。
歌詞の意味や、音楽自体が、登場人物同士のやり取りに取り上げられ、ストーリーに大きく影響している。音楽を題材にした映画はこの世に多く存在しており、当然ながらそれらの映画は音楽を劇中で大切に扱っているが、それと同等程度に「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズは音楽に重きを置いている。
どんな曲が使われていたかって? サントラが発売されるようだから、収録曲をぜひ見てほしい。
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス オーサム・ミックス・VOL.2(オリジナル・サウンドトラック)
- アーティスト: サントラ,ザ・スニーパーズ feat.デヴィッド・ハッセルホフ
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック
- 発売日: 2017/05/12
- メディア: CD
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残念ながら洋楽に疎く、70~80年代にはこの世にいなかった僕は、「ひゃーこの曲使いますかー」的な感動を抱くことは出来なかったが、特に「音楽の使い方が良い!最高だぜ!」と思ったシーンがあるから、ここだけピックアップして紹介したい。
そう、それがオープニング。
アイツらが帰ってきた!『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』予告編
予告編の23秒ぐらいまでを見ていただきたい。
オープニングはこのタコみたいな化け物とガーディアンズが戦闘するシーンで始まるのだけれど、ここが秀逸。ベビー・グルートが「ミスター・ブルー・スカイ」を再生させ、彼がノリノリで躍っている背景で他の4人が必死にタコと戦闘しているというもの。
「ミスター・ブルー・スカイ」の軽快なノリとベビー・グルートの可愛らしいダンス、そして重火器が惜しみなく使われた背景の戦闘。これから映画が始まる!というテンションの盛り上げに大いに貢献してくれている。「Guardians of the Galaxy Vol. 2」という題字の出方もカッコいい。
つい最近「LA・LA・LAND」を見たときも「これは完璧なオープニングだな」って思ったんだけど、この映画のオープニングも負けず劣らずだった。このシーンのためだけに、もう一回映画館に行ってもいいな!ってぐらい。
コメディとシリアスの絶妙なバランス(ややネタバレ)
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズの良さは、笑いを絶やさないところにある。ブログのタイトルにも書いたが、「コメディ映画」という枠でも十分通用するぐらい、劇場でも笑いが起きていた。
本作2時間18分という長さだが、適度に息抜きをさせてくれるので、一切疲れを感じさせなかった。かといってずっとふざけ続けているのではなく、しっかりと男泣きを誘うような幕引きでしんみりとした余韻のある映画になっている。
個人的に好きだったシーンは
・伏線込みのパックマンの登場
・メリーポピンズ
・アイーシャのレッドカーペット
こうやって挙げてみたけど、やっぱりレトロなネタが結構散りばめられているようだ。パックマンとかメリーポピンズとかはギリ分かったけど、僕では理解に及ばないようなネタがいくつかあったんだろうなあ。70~80年代に詳しい方はおそらくもっと楽しめるぞ。
キャラクターの魅力(徐々にネタバレ)
「リミックス」が前作からさらにパワーアップしたところは、キャラクターの掘り下げ。前作キャラクターが立ち切れていなかったグルート(今回はベビー・グルートか)、ドラックス、ヨンドゥが輝いていた。彼らの活躍をピックアップしたい。
マスコット、ベビー・グルート
前作は巨大な木だったために、「僕はグルート」しか言葉をしゃべれないグルートは何やら不気味な存在となってしまっていたが(完全に戦闘要員)、今作は小さくなって立派なマスコットとして大活躍。
前述したオープニングの可愛らしいダンスに加え、予告編でも取り上げられていたロケットとの起爆スイッチコント、ヨンドゥのトサカを取りに行くシーン、宇宙船が墜落しそうな場面でチョコレート頬張っているのんきさ。場の雰囲気を読まない(しかもそれが「可愛いから」で許されてしまう)彼の行動が、その場その場で笑いを生んでいた。
しかしエンドロールで青年になってしまっていたね・・・。さよならベビー・グルート。次回作ではどんな姿で出てくるんだろう。
バカになりあがったドラックス
前作では「家族を殺された復讐者」という設定にフォーカスされていたため、ちょっと刺々しい雰囲気があった彼だが、「リミックス」では人の好いおバカさんに成り下がっていた。あるいは成り上がっていた。
歯に衣着せぬ物言いと、脳筋な行動で笑いをとっていた。
(ロケットもずけずけ言うタイプのキャラクターだが、作中で言われていたように彼はどちらかというと素直になれなくて暴言を吐いているアライグマ。ドラックスは、別に暴言を吐こうとしているつもりはなく、純粋に失礼なことを言う。)
特に、今回のゲストキャラクター、マンティスちゃんとの掛け合いがとても良い。外見が気持ち悪いことを容赦なく責め立て弄る。しかしマンティスちゃんはそのいじりを気にするような素振りを見せず、それどころかドラックスに心を開いていく描写があるので、視聴者として気分が悪くならない。とても絶妙な関係を築いているのだ。
「お前も綺麗だよ、中身はね」は名言だと思う。
父親としてのヨンドゥ(ここから激しいネタバレ)
本作のテーマは、「家族」。「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」の5人の絆はもちろん、前作で激しくいがみ合っていたガモーラとネビュラの姉妹としての関係も描いていた。
だが、本作の軸を担っていたのは、主人公ピーターと父親との関係。「リミックス」は幼少期にピーターを宇宙に攫ったヨンドゥがようやく「父親」となった物語でもある。
その彼が「父親」になるまでの流れが非常に綺麗。
ピーターの実の父親が登場
→ようやくピーターは自らの孤独を埋める家族を見つけて喜ぶ。
→しかしその実の父親がピーターが大切にしていた母親を殺したことが判明。挙句の果てに大切な音楽プレイヤーを破壊されてしまう。
→ピーターは父親に勝利。しかし滅びゆく星に取り残されてしまう
→ヨンドゥが自ら犠牲となって、ピーターを宇宙船まで逃がす。
→映画のラストシーンでヨンドゥの葬儀が行われ、彼が育てたピーター、そしてかつて彼を追放した仲間に認められエンディング。
このようなストーリーなのだが、お分かりの通り物語の核にヨンドゥが存在しているのである。だって、クライマックスを彼が担っちゃうんだぜ?
前作ピーターの敵なのか味方なのかよくわからないおっさんだったのに、今作では主人公と対等程度の扱いをされているのだ。大出世。
もちろん、「リミックス」という枠の中で十分ヨンドゥがピーターに認められていく過程は描けているのだが、1作目からずっとピーターとヨンドゥの関係を視聴者に意識させていたことが大きい。これがシリーズ物の最大の強みであり、溜めが大きいだけ、ひっくり返ったときの感動が爆ぜるということを見事に体現している。
ピーターは前作からずっとヨンドゥに対して悪態をついていて、「働かないと食っちまうぞ」と言われたことをずっとトラウマに思っているというセリフを何度も言っていた。もちろん今作でもピーターのヨンドゥに対する悪態は尽きない。
しかし、一方でヨンドゥは自らを犠牲にし、ピーターを救った。ヨンドゥの部下たちにも「ピーターをひいきしている」と何度も言われていたし、実際、前作ではピーターは何度もヨンドゥを裏切るような真似をしているが、彼は笑って許しているのだ※。
※今作で明らかになるが、かつて仲間の信頼を裏切り自らの立場を失ったヨンドゥが、同じような行動をしているピーターを許そうとしていたのはなんだか泣ける。
ヨンドゥに攫われたという被害者意識が抜けないピーターと彼を父親の気持ちで見守ってきたヨンドゥ。身を挺してピーターを救ったことで、ヨンドゥはようやく父親として認められた。まさしく父と子を描く物語の模範解答。
コメディ一辺倒にせず、この感動を映画のクライマックスに持ってくるのは流石の手腕だと思った。
おまけ(小ネタ)
ここまででだいぶ魅力は語りつくしたのだけれど、最後に好きだった小ネタ・調べて気付いた面白いことをまとめておきたい。
唐突なシルベスター・スタローン
何も調べないで劇場に足を運んだものだから、びっくりした。
名優が出ているじゃないですか、しかもちょい役じゃなくて、割と重要そうな配役で。次回作も出るんじゃないかなあ、楽しみ。
ロケットの中の人
これはブログ書こうとして調べものしているときに知ったんだけど、中の人、ブラッドリー・クーパーだった。
イケメンがあられもない暴言を吐いているという事実にちょっとテンションが上がっているけれど、ハングオーバーに出てたぐらいだからレアではないのか。
スタッフロールが好き
スタッフロール中に映像が流れるのはマーベル作品のお馴染みだけれど、「リミックス」のエンドロールは視覚的にも楽しかった。
特に、スタッフロールの文字が「I am Groot」から本来の文字に変わる演出が大好き。こういう小ネタを仕込んでいるから、「映像流れるし・・・」って気分でスタッフロールを眺めなくて済む。細部に神が宿ってんぜ。
というわけで、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックスの感想でした。
次はVol.3かインフィニティ・ウォーかね、彼らを見れるのは。楽しみだなあ。
【君の名は。】新海監督らしさを大衆に向けに色づけした傑作(感想:ちょいネタバレ)
スゲータイトル長くなっちゃったな笑
何はともあれ、ようやくBD/DVDの発売日が7/26に決定したということで、映画を見た当時書き留めて置いた感想を放出することにした。12月末にブログを始めたので、公開の機会がなかったんだ。
5枚組で発売って聞いたことないんだけど・・・どんだけ売れるんだろう。
「雲の向こう」「秒速」「言の葉」はBDを購入したけど、5枚組で12000円っ!!
あれですよね、スタンダード・エディションを購入すればいいって話なんだけど、12000円のセットが存在してしまっている以上、手に入れたくなるのがファンってものなんだよな。
アマゾンやらGEOやら普段使っているサービスが一斉に「君の名は。」!!!って叫び始めて笑ってしまったよ。円盤発売まで、公開からほぼ1年かかってるんだよな、感慨深い。
購入するかどうかはともかく、とりあえず感想の放出を。
持ち味を殺さないで、大衆に迎合する絶妙な調整
迎合、と書くとマイナスのイメージを持たれてしまうかもしれないけれど、僕は褒め言葉で使っている。スゲーな、と。よくまぁこんなにも多くの人に愛される作品を作れたな、と。
私は彼の作品を全て見ているけれども、新海作品の魅力は「
「君の名は。」
このシチュエーションが完成されているだけで、「
一方でこれまでの新海誠作品と比べて大きく変わった点もあった。
今までの作品は、
「登場人物が抱えている負の思いがあって、
「映画なんてみんな楽しい気分になりたくて観てるんだ、
そういう大多数の人に標準を合わせた希望の話を新海監督が作った
どこかのインタビューで新海監督が「
音楽の使い方が上手い
「前前前世」が紅白でも歌われるぐらい、世間的なブームとなったけれど、あの曲と共に流れたオープニング映像を見たとき高揚感で鳥肌が立った。
「秒速5センチメートル」の「One more time,One more chance」もそうだけど、
映画を見てて一番幸せな瞬間はやっぱり背筋がぞくっとなるほど気
RADWIMPSという若者に受けそうなバンドに音楽を託したのもヒットの要因の一つだと思う。
ちなみに
これらの大衆受けの要素を綺麗に新海作品に内包させることが出来たのは、プロデューサー、川村元気氏の影響が大きいと勝手に思っている。
あまり映画を見るときに「プロデューサー」を意識したことはないのだけれど、新海監督の豹変に初めて「何が要因だったんだろう」と疑問を持ち、結果彼の存在にたどり着いた。
プロデューサーによっても、作品は大きく変化する。映画はチームで作るものなんだなあ、と初めて意識したのも、「君の名は。」でした。
(でも、一番好きな作品は「言の葉の庭」なんです。いずれまた、感想を記事に書こうかな。)
【TOHOシネマズメンバーズカード内容更新】オススメの映画館の会員カードを3つ紹介する。
人並みの賃金をいただき日々を細々生きるサラリーマンな私は、決して金を多く持っているわけではなく、出来るだけ支出は控えようと日々努力している。
私は映画館が好きだ。外界の有象無象を一切切り落とし、作品と私だけの空間に2時間いるのが好き好きでたまらない。家でDVDを見るのとでは話が違う。
だが、高い。映画館は高い。
通常1800円。
年間50回映画館に通ったとして、9万円もかかることになる。
レンタルDVDショップで借りれば一本100円、新作でも200円。ネットフリックスなど定額サービスに申し込めば、配信されている映画なら月額1000円未満で見放題だ。
映画館に通いたくなくなるのもわかる。現代人は金がない。
だが、金がないからと言って、趣味を妥協するのは愚かしい。
そこで私はより安く、より多く、映画館に通うための方法を考え抜いた。
で、結局のところ会員カードを作るのが手っ取り早いという結論に、2分ぐらいでたどり着いた。
ということで、私が持っている会員カードを3つ紹介したい。
その前に、会員カードを作るハードルをぶっ壊すパートがあるが、最初っから作る気満々の人は読み飛ばしてくれ。
なぜ、会員カードを作りたがらないのか。
映画館の会員カードを持っていない人も多いだろう。まずは、そんな人たちの会員カードへのハードルをぶっ壊したい。
我々は、元を取れるかどうかわからない会員カードの年会費を払うことに抵抗を持つ。財布の中が圧迫されて嫌だ、という人は仕方がない。カードケースを持つようにしてほしい。
だが、元を取れるかどうかの心配は、ほとんどの場合杞憂に終わる。
年間何回映画館に通うか人によってまちまちだろうが、私の知っているメジャーな映画館の会員カードなら、最低6回通えば年会費の元が取れる。
しかも、これから私が紹介する会員カードの2/3が年会費は500円以下だ。心理的なハードルは低いはずだ。
「どうせ何回も通わないし……」と思っている人。通うから安心しろ。なんだかんだで付き合いで映画館に行く機会などあるし、極端に映画が好きじゃないって人以外なら、年間6本ぐらい見たい映画は公開されるはずだ。
「行く映画館に制約出るの嫌だし……。同じ映画館に行くことなんてそうそうないよ」と思っている人。通う映画館だとか、友達といく映画館は自然と絞られるもんだから安心しろ。
恋人や友達と遊びに映画見に行く場所なんて、六本木・東京・渋谷・新宿・池袋ぐらいだろう。で、自分一人で行くにしても、たいていこのエリアになるはずだ。
ここら辺のエリアを網羅している映画館の会員カードを作ればいい。それだけだぜ。
この3枚の会員カードがあれば、たいてい事足りる。
私は3枚映画館の会員カードを持っているが、これだけあれば1800円で映画を見ることはまずなくなる。大抵1100円か、無料で映画を楽しむことが出来るようになるのだ(友達が多い人はそうならないかもしれない、付き合いで映画見ることだってあるだろうから)。
では、3枚の映画館会員カードを紹介していくぞ。
TOHOシネマズ シネマイレージカード
私がメインで使っているカード。積極的に映画館はTOHOシネマズで見るようにしている。
かなり映画が好きで、年間に何本も見る、見たいという人は、このカードの利用に絞ったほうが良い。
詳しくは公式を見てくれればいいのだけれど、基本情報および魅力をまとめると、
①入会費500円、2年目以降は300円の更新料がかかるが、6本見れば1本無料になる。
⇒最低6回通うだけで、元が取れる。
②六本木・日本橋・新宿・有楽町・渋谷と都内の主要駅付近に大体ある。
⇒大体のメジャーな作品は上記エリアで網羅されているうえ、有楽町にあるシャンテ・スカラ座・みゆき座ではマイナー目の作品も公開されているから、穴がない。出かけたついでとかにも気軽に寄れる。
ちなみに、2020年までに、池袋と日比谷にもTOHOシネマズがオープンするらしい。すげーな。
③シネマイレージ制度で、1ヶ月見放題チケットがもらえる。
映画の上映時間ごとに、マイルが溜まっていく制度があり、例えば100分の映画をみると、100マイル貯まるような仕組みになっている。
(これは上記した「6本見れば1本無料」とは別物)
マイルは2年間有効で(詳しくは上記リンクを見てほしいが)、6000マイルでTOHOシネマズで1ヶ月映画が無料見放題のパスがもらえてしまう(六本木とお台場は対応してなかったはず)。
大抵の映画が100分だとして、2年間で60本見れば良いのだ。1年30本。1ヶ月2~3本。映画が好きな人は、十分目指せるレベルだと思う。
なお注意しなければいけないのは、
◇会員の特典で無料で見た映画については、マイルはたまらない
⇒マイルを貯めると決めたら、無料で見るのはしばらくお預けにしたほうが良い。というのも、6本見たら1本無料というのは、ポイントがたまってそれを交換する仕組みとなっている。その「鑑賞ポイント」の有効期限はないので、1ヶ月無料パスを取得して、マイルがすっからかんになったタイミングで、一気に利用すると良い。
◇1ヶ月無料パスは、オンラインチケット購入に対応していないので、窓口で購入する必要がある。
ということ。
特に私は去年1ヶ月無料パスを交換して、1ヶ月に16回映画館に通うとんでもない無茶をしたが、オンラインチケット購入に対応していないのは非常に不便だった。
なので、無料パスを使う際には、①平日の朝など混み合っていない時間帯に映画館に行く、②休日なら朝一に映画館に行き、一日に見る分の映画チケットを一気に発券してしまう などの工夫が必要だと思う。
2018年10月15日から一部サービス内容が変更となるようなので注意。
来年 2018年10月15日(月)より シネマイレージサービス 一部変更のお知らせ || TOHOシネマズ
会員は通常よりも早めに予約が開始される(SMTの方では既に実装されているサービスだが、あまりメリットを感じたことはない)。
鑑賞ポイント(6本見て1本無料のやつ)に有効期限がつく。
1回の上映ごとに、鑑賞ポイントおよび1か月フリーパスの席制限が設けられる。
といった内容。まーちょっとした劣化だが、1か月フリーパスなんて大盤振る舞いにもほどがあるから、バランスをとったといった感じだろう。
SMT Members カード
対象劇場が絞られているので利用しにくいが、利用の仕方が上手ければ常に1100~1200円で映画を見ることが出来る。
そこそこ映画館に行く、かつ新宿ピカデリーが好きな人にオススメ。
◇使える場所について
こちらを見てほしいのだが、都心で使える映画館が少ないのがネックだ。
しかし、公開作品もかなり多く、劇場も綺麗な新宿ピカデリーで使える上に発行するのに100円しかかからないので、頻繁に新宿に通う人は作っておいて損はしないと思う。
ちなみに、TOHOシネマズよりもSMT劇場の方が割引料金で映画を見れる日は多い。TOHOシネマズの1ヶ月無料見放題チケットを狙っていない人で、新宿に通いやすい人はSMTメンバーズカードをメインカードにしたほうが、割安で映画を見れる可能性が高い。
◇割引について
詳細は↑こちらを見て欲しいのだけれど、簡単に言うと。
①6回見たら1回無料(TOHOシネマズと同様)
②1回有料で映画を見ると、リピーター割引でネット予約が1200円
⇒これが強い。映画を見終えた後60日間はリピーター割引を利用できるので、継続的に通い詰めれば1200円で映画を常に見られるということだ。
③誕生日に1000円で映画を見れるクーポンをもらえる。
⇒実質1000円デーが1日増えるってことだね。
※なお、TOHOシネマズが14日に11000円デーを実施しているように、SMTでも20日に1100円デーを実施しているので、年間通じての1100円デーの数はTOHOシネマズよりもSMTの方が多いということになる。
場所の制約は多いが、新宿ピカデリーのラインナップを信頼して集中して通うならTOHOシネマズシネマイレージカードよりも安く映画を見れるよ!といったところだろうか。
個人的な印象としては、新宿ピカデリーはアニメ映画を結構漏らさず公開してくれる印象がある(TOHOアニメーションの作品は別だけど)。裏にアニメイトを構えているだけあるな。
TCGメンバーズカード
最後にこれ。TCGメンバーズカード。
テアトルシネマグループ、角川シネマ、シネマートで利用できるカード。
テアトルシネマグループは、前述したTOHOシネマズのような大きな劇場ではやっていないようなマイナー作品をガンガン公開してくれていて、いつもお世話になっている。
「マニアックな作品も見たい!」という人はぜひとも作ってほしいカード。
◇使える場所
こちらに書いてあるが、決して大きな劇場をたくさん持っているわけではないので、当然数も少ない。
しかし、ヒューマントラストシネマ有楽町/ヒューマントラストシネマ渋谷/テアトル新宿/シネ・リーブル池袋と山手線の主要駅を押さえた場所に満遍なく劇場が配置されているので、使える機会は多いと思う。
ラインナップは劇場のHPで見ていただきたいのだが、興行収入ランキングTOP10に入らないような作品も数多く公開されており、映画好きの心をくすぐってくる。中高どっぷりオタクをしていた頃には、シネ・リーブル池袋のアニメ映画のラインナップの多さに大変お世話になっていた。
◇特典について
TCGメンバーズカードが最も使い勝手が良く、分かりやすい会員カードである。
ポイントだとかなんだとかという煩わしい機能は一切ない。ただの割引カードである。
①会員カードを持っているだけで1300円で映画を見れる。
⇒無条件で、常時500円引き状態。お得。
②火曜日と金曜日が1000円デーになる。
⇒ちなみに、メンバーカードを持っていなくても、毎週水曜日は1100円である。使い勝手が良すぎる。
③年会費¥1,000だが、発行すると『¥1,000』で映画を見れる優待券をもらえる。なお、この優待券は発行したその場で使うことが可能。
⇒年会費が1000円と高いのだが、仮にその場で1800円払って映画を見ようとしていた場合、総額200円の損で映画1本と会員カードを作ることが出来る。
1回以上TCGメンバーズカードを使える劇場に足を運べば、その場の200円の損など取り戻せるだろうから、どうせ1800円で見る予定だったのであれば、その場でカードを作った方が得だ。
今回のオチ
以上、映画館の会員カードのオススメでした。
書き終えて気付いたことがある。
3つとりあえず紹介したんだけど、他に映画館の会員カードってあるのかな・・・?
なかったら、とりあえず全部持っとけってことだよね?だとしたらすごく頭の悪い宣伝をしているような気が・・・。
あえて、ググらないままこの記事を〆させてもらいます。
【美女と野獣】ガストン様の魅力(感想:ネタバレだらけ)
実写版の「美女と野獣」を見てきた。
1991年公開のディズニーアニメ「美女と野獣」の実写化ということもあり、大体の人がストーリーは知り尽くしているだろうから、ネタバレだらけの記事を書いていこうと思う。
予告を見ていただければわかるが、いつものディズニー通り、「予告で我々に抱かせたその作品への期待を一切裏切らない完成度」の映画であった。
130分と普通の映画よりも長めの尺でありながら全く間延びした印象もなく最後まで退屈しないで見れたのは、エマワトソン演じるベルをはじめとするキャラクター達の魅力が輝いていたからに他ならない。
キャラクターの掘り下げ、という視点で「美女と野獣」を語るぞ。
アニメ版「美女と野獣」との違い(以下スゴイネタバレ)
アニメ版「美女と野獣」が86分であるのに対して、実写版「美女と野獣」は130分。
「同じストーリーなのに随分尺が伸びたなあ」なんて劇場に入る前は思っていたのだけれど、実写版は伸びた尺分でキャラクターの掘り下げを丁寧に行っていた。
※ちなみに、アニメ版美女と野獣のネタバレはwikiで見れるので、知らない人はこちらを読んでからの方が、この記事を楽しめるかもしれない。
ポイントは2つ。
◇実写版ではベルの出自の謎を解明している
◇実写版ではガストン様がさらなるクズに
ベルの出自について
本作はヒロイン・ベルと王子・野獣の愛の物語でもあるが、同時にベルとその父親モーリスの父娘の絆の物語でもある。そして、ベルと野獣の関係と、ベルとモーリスの関係はストーリー上密接に関わり合っている。
例えば、半幽閉状態になっていたベル(実質はダンスまで踊ってイチャイチャ状態なんだけど)を開放することを決意したのも、ベルがモーリスの身を案じているということを野獣が理解したからであり、「それこそが野獣にとっての愛である」と我々視聴者に表明する重要なシーンとなっている。
「ベルと野獣」そして「ベルとモーリス」の接着剤的エピソードとして、アニメ版にはなかったシーンが追加されていた。
ベルと野獣が仲良くなり、イチャイチャ生活をしていたある日。野獣が魔女から渡されたという「世界中のどこへでも行ける旅を疑似体験できる本のようなモノ」が登場する。
その本のようなモノに手を触れ、行きたいところを思い描くと実際にその場を訪れることが出来るというもの。野獣とベルはその本に手を重ね、空想上の旅行に行くことにした。
ベルは生前の母が住んでいたパリに思いを馳せた。そこで、モーリスと母親の秘密に触れることになる(どうやら過去にも行ける魔法のグッズだったらしい)。
母親が疫病にかかってしまい、モーリスは泣く泣くベルを連れてパリを去ったという事実をベルと野獣は目の当たりにする。ベルはモーリスの抱えていた思いを知り、涙する。
・・・といった内容だ。
このシーンが持つ役割は大きい。
野獣がベルを開放する理由付けである。
父を愛し、愛されているベルを知っているからこそ、ベルを同じように愛した野獣はベルを開放することを心に決める。
ちなみに、実写版では野獣の出自にも軽く触れられていて、ポット夫人が「野獣のわがままな性格は幼くして母親を亡くしたから」と語っている。
つまり、野獣も同じくして家族を亡くしている痛みを知っているのだ。
このエピソードを通じて、野獣がベルに同情する気持ちの理由が明確になっている。
このシーンのおかげで、野獣がベルを開放するまでの心の変化がアニメ版よりも分かりやすくなっていると僕は思った。
ガストンの徹底した悪役っぷり
次にガストン様の変貌について語りたい。というか、ブログのタイトルにしちゃうぐらい、この人の魅力はすさまじかった。
ディズニーヴィランとして、ある程度茶目っ気のある悪役として登場していたアニメ版ガストンが、実写化してどうしようもないクズとなってしまった。
はっきり言って、やりすぎだった。
だが、徹底して最低であってくれたが故、中途半端な悪役ではなく、純粋悪としてベルや野獣、モーリスに立ちふさがってくれた素晴らしいキャラクタ―であるとも言える。
具体的なエピソードを述べていこう。
①モーリスを殴る
アニメ版・実写版ともに野獣の城から解放されたモーリスは、街の酒場でガストンに助けを求めるが、その後の経過が少々異なる。
◇アニメ版
相手にされず、モーリスは一人で野獣の城を探しに街を出る。
◇実写版
ガストンとル・フウが助けに行こうと名乗り出るが、なかなか野獣の城にはたどり着けない。ガストンが痺れを切らし、狼が出てくる森の中でモーリスと喧嘩。
モーリス「娘とは絶対に結婚なんてさせない」
ガストン「は?」
ガストンの正確の悪さがここで発揮されるのだけれど、その後ガストンは
Step1.モーリスを殴る
Step2.縄で縛る
Step3.狼が出る森に放置して自分らだけ街に帰る
と街一番の人気者とは思えない極悪非道っぷりを発揮。
その後運よく魔女に救われて街に帰ってきたモーリスとご対面したが、モーリスなど大衆を味方につけているガストンの敵ではなかった。饒舌な舌でモーリスを精神病患者と決めつけ、病院送りにしようとする。
まぁこの後のシナリオは、アニメと同じで、ガストンと町の住民たちが野獣の城に乗り込んでいくわけだが、ここからもガストンの卑劣さが際立っていく。
②野獣との戦闘に度重なる銃火器
クライマックスシーン、野獣とガストンがぶつかりあう。
せめて町一番の腕っぷしをこのシーンで発揮してくれればよかったのだが、野獣にケガを負わせたガストンの攻撃は全て銃火器での遠距離攻撃であった。
しかも、うち一回は命乞いをした後の不意打ちである。
↑なお、youtubeの公式動画ではカットされているが、このシーンで彼は不意打ちが得意と公言している。だからと言って、本当に不意打ちでヒーローを死に追いやるなよ。
そして結果的には、橋の陥落に巻き込まれて死亡。
徹底的に最悪なうえに、あっけない死を遂げたガストン様。
しかし性格はひん曲がっていたが、その外見上の美貌と根拠のない自信、そしてベルを手に入れるためになら何でもやるという真直ぐな意志は、強力な個性として見る者すべてを魅了していた。
ちなみに、エイプリルフールにこんな企画が持ち上がるほど、彼はディズニー公式的にも推しメンである
悪役が黒くあればあるほど、ヒーローは光輝く。それを再認識させてくれたのが、僕らの人気者ガストン様だったのだ。
プリンセス映画の実写化では、男性の深堀がすごい
実写版「美女と野獣」の魅力であるキャラクターの掘り下げについて書いていたが、男性陣の話ばかりで、肝心なエマ・ワトソン演じるベルについて一切書いていなかった。
が、率直な感想を言ってしまうと、ベルはアニメ版でも十分にキャラクターが描かれていたので、実写版で描写が増えても「ベルの知らない一面が見れた!」という印象は持たなかった(原作アニメーションのベルというキャラクターを完璧に演じきったエマ・ワトソンは素晴らしい、とも言える)。
まぁそれも当然と言えば当然であり、ベルは「美女と野獣」における主人公である。ディズニープリンセスが登場する作品において、プリンセスへの描写が甘い作品はまずない(「アラジン」はディズニープリンセスが登場する作品でありながら、主人公がアラジンだったので、重きは彼の描写に置かれていたが、それでもプリンセスジャスミンの描き込みが甘いという印象はなかった)。
しかし一方で、「王子様がどういう人物なのか」がよくわからないディズニープリンセス作品は結構多い。
例えば、シンデレラとか。アニメ版ではちょい役ぐらいの登場だった。
しかし、実写版では王子様のバックグラウンドに結構な時間を割いている。
映画『シンデレラ』日本版エンドソング「夢はひそかに (Duet version)」
昨今ディズニー長編アニメーションの実写化が増えてきているが、そのうちのプリンセス物2つは共通して「女性だけを描くストーリー」ではなくなっていると思う。
それは「女性がプリンセスに感情移入するには、恋する相手である王子様がちゃんと絵が描かれていないといけないから」かもしれないし、「僕みたいな男性が見ても楽しめるように女性の一辺倒な恋心だけを描くわけにはいかないから」かもしれない。
理由は定かではないが、いずれにしてもちょっとだけリアリティを持たざるを得ない実写映画を作るにあたって、登場人物に人間味を持たせようと努力するのは良いリメイクの方向性だと感じた。
ちなみに、「美女と野獣」を見て、僕が純粋に抱いた感想は
「ベルが可愛い」
「野獣でもベルと結ばれる。まだ僕にも希望がある」
であった。
こういうチョロイ男性も幸せにできるプリンセス映画に感謝を伝えたい。
【夜は短し歩けよ乙女】乙女がひたすらに可愛い(感想:ネタバレだらけ)
来場者特典の話だけして、本編の話を一切してなかったので、今更ながら本編の感想を書こうと思う。
この映画の魅力を一言に凝縮するならば、「黒髪の乙女(cv:花澤香菜)がひたすらに可愛い。付き合いたい」なのだけれど、視聴者万人が感じるであろう黒髪の乙女への淡き恋心を声を大にして語ってもひねりがないので、「上手いなー湯浅監督!」という点をいくつかピックアップしてみた。
乙女が可愛い
・・・とは言ったものの、ヒロイン、黒髪の乙女の魅力無くしてこの映画は語ることが出来ない。
徹底的に黒髪の乙女が可愛いというだけで、この映画は大いなる輝きを放てている。可愛いとは価値なのだ。可愛いだけで勝ちなのだ。この作品を見終えた後、友人と共に焼肉に行ったのだけれど、私はひたすらに「可愛かった、こんな人と付き合いたい」としか言っていなかったらしい。映画の感想を書くブログをちょこまか更新しているような人間の発言ではない。
しかし、可愛いものは仕方がない。可愛いポイントを書かせてくれ。
①アホ毛
キャラデザ万歳!と言ったところなのだが、常に彼女の左耳あたりにぴょんと一本アホ毛が出ているのが可愛い。公式サイトの「キャラクター紹介」を見てくれ。
②声
花澤香菜さん。
③好奇心旺盛(ここから先、ちょっとずつネタバレ)
キャラクター紹介にもあるが、彼女は人目を気にせず面白い!と思ったものに躊躇なく飛び込める天真爛漫さがある。この性格が「夜は短し歩けよ乙女」の物語を動かしていくのだが、何事にも楽しそうに臨んでいく姿勢には誰もが惹かれるだろう。
やっぱりいつもニコニコしていて楽しそうな女の子は、魅力的なのだ。
そんなことに気付かせてくれたのも、黒髪の乙女だった。
ちなみに具体的に可愛いと思った瞬間をいくつか挙げてみたい。
◇詭弁踊りを躊躇なくこなす姿
口を蛸のようにして腰を落とし腕を振るいながら練り歩くという、誰がやっても気持ち悪い「詭弁踊り」が本作には登場するが、それに「我こそが」と果敢にチャレンジする乙女。
◇文化祭で鯉を担いじゃう姿
身体の丈ほどある鯉型のリュック的なものを、躊躇なく背負ってしまう可愛らしさ。
◇文化祭の即興ヒロイン力
経験はございませんが(←ここ重要)、キスだってやぶさかではないという役への思いの深さ。
④誰にも媚びず、平等に接することが出来る健気さ
スケベ親父にはお友達ぱんちを繰り出し。
誰もが恐れる李白老人とも酒を飲みかわし、説教さえしてしまう。
友人たちが風邪をひいたときには全員の介抱に回る。
「冬」の李白さんに対して「人との繋がりの尊さ」を語るシーンがあるが、彼女が一つ一つの出会いを大切にしていることが行動の端々から感じ取れるのが良い。
⑤恋に気付いた瞬間
鯉をぎゅーっとして、どたばたしちゃう姿。一瞬しか映っていないが、究極に可愛らしい瞬間だと思う。ベストシーンオブ「夜は短し歩けよ乙女」
・・・こんなところだろうか。
彼女の全力が胸を打つ。黒髪の乙女が楽しければ、我々も楽しい。
先輩と同じ目線で、乙女に恋をすることが出来る映画であった。
一晩に詰め込む(以下めちゃくちゃネタバレ)
春は李白との飲み比べ。
夏は古本市。
秋は文化祭。
冬は風邪の流行。
原作は京都の春夏秋冬を楽しめる小説であったが、劇場版は春夏秋冬を一晩に詰め込んだ。
なんと無理がある、一晩があまりに長いだろう、とは思ったものの、一夜続きであるがゆえに物語の繋がりが良くなっている部分があった。あっぱれ脚本さん。
たとえば、
秋、文化祭でパンツ総番長と紀子さんが恋に落ちるきっかけは、春に錦鯉センターから巻き上げられた鯉が頭に落ちてきたこと。
夏、先輩が必死に収集した「ラ・タ・タ・タム」は冬に恋が成就する鍵となっている。
特に前者のパンツ総番長の件は「うまいなあ」と感心した。
短編×4の印象が強い原作に対して、一続きの物語を意識しているのが劇場版だと思う。
「四畳半神話大系」からのファンがにやにやできる(以下ネタバレ)
森見先生×湯浅監督と言えば、ノイタミナ枠で放送していたテレビアニメ「四畳半神話大系」である。本作が森見先生原作のアニメ化第一作であったと記憶している。
こちらも原作の良さを活かしつつも、アニメーションならではの工夫をもってして別の魅力を引き出せていた素晴らしい作品であった。
私は元々森見先生の作品が好きだったので、「四畳半神話大系」を見ることにしたのだが、本作で湯浅監督のファンになった人も多かろう。私もその一人だ。
そんな「湯浅監督の描く森見作品」の虜となった子羊達を、「ほれこういうのが好きだろう」としっかりと導いてくださったのも、「夜は短し歩けよ乙女」の魅力である。
ちゃんと「四畳半神話大系」からのファンのニーズも満たしているのだ。
まずは、古本市に現れた「本の神様」について。
こちらもキャラクター紹介を見てほしい。
どっからどう見ても、小津である。
小津と言えば「四畳半神話大系」の人気キャラクター。残念ながら世界観は共有していながらも、「夜は短し歩けよ乙女」の原作には一切顔を覗かせない人物であった。
それを、本の神様として登場させてしまうとは。劇場版では全く同じ顔つきで、小憎らしい立ち回りを演じてくれていた。
そして、冬、病床に臥している先輩の脳内会議にて。
乙女への誘惑と純情の間で揺れる先輩の脳内会議に、乙女が乱入してくるシーンに、最も湯浅監督らしさを感じた。
ぐりぐりとカメラを回しながら、背景をぐにゃぐにゃと歪ませて、乙女は上へ上へと向かっていく。「このシーン、やりたかったんだろうなぁ」とニヤニヤしてしまった。
ちなみに、この脳内会議のシーンでは性欲の代名詞と言える「ジョニー」が大活躍する。こちらも「四畳半神話大系」のアニメ版で活躍したキャラクター(キャラクターと言ってよいのかわからないが、「夜は短し(ry」のキャラクター紹介に並んでいたので、キャラクターで良いのだろう)だ。
性欲を暴走するカウボーイで描くのは面白い比喩表現だなぁ、と四畳半の時にも感心していたのだが、そういう良い点をしっかりと次作に引き継いでいく潔さに拍手を送りたい。
というわけで、これから「夜は短し歩けよ乙女」を見る人には、「四畳半神話大系」を見てから劇場に足を運ぶことをお勧めしたい。
ちなみに
「夜は短し歩けよ乙女」の話題はこれで以上である。
劇場の予告でやっていたのだが、湯浅監督の最新作が今年公開するらしい。
完全オリジナル作品は初めてらしい。こちらも期待したい。
↓ちゃんと見てきたので、感想を書いたよ。
【夜は短し歩けよ乙女】2週目に見に行くという誤算(来場者特典の話)
やってしまった。
僕は森見登美彦さんが大好きで、『夜は短し歩けよ乙女』の劇場版が公開されると聞いて胸を躍らせていた。
『四畳半神話大系』も原作・アニメともに気に入っていて、「湯浅監督の森見作品」というだけでもう作品のクオリティは担保されているようなものであり、僕はどんなに忙しくても劇場に乗り込もうと心に誓っていたのである。
しかし、僕は歳をとりすぎていた。公開初日、4月7日(金)に映画館へ足を運ぶ気力もなく、8日、9日は惰眠をむさぼり、結局映画を見たのは4月16日になってしまった。
高を括っていた。「1ヶ月近くは劇場でやっているだろう」と。「まぁスケジュールが空いたときに行けばいいや」と。
間違えていた。劇場版のアニメ作品との付き合い方を間違えていたのだ。
16日、いざ友人と共に映画館に入場すると、入り口付近で可愛らしい店員さんが、店員さんに負けず劣らず可愛らしい冊子を配っているではないか。
文庫サイズの薄い冊子。淡いピンク色で、中央に大きく林檎のイラストが描かれている。林檎の中にはこんな文字が。
「劇場来場者特典 夜は短し歩けよ乙女銀幕版」
ふむ。これは噂の原作者のオリジナルストーリーが読める特典だな。
私は素直に喜んだ。森見先生の描く先輩、あるいは乙女の世界がまた少し広がるのだ。映画本編もさることながら、私は冊子の中身に思いをはせ、胸を膨らませていた。
しかし、ふとそんな気持ちに影が差す。来場者特典。TOHOアニメーション。
僕は、傷物語を思い出していた。
もっと言うと、「傷物語の 来場者特典が、週によって変わっていた」ということを思い出していた。
そこで冊子をもう一度よく見てみる。
「劇場来場者特典 その2」
やってしまった。1週目に「劇場来場者特典 その1」が配布されており、2週目以降に「その2」が配られる座組だったようだ。公式ホームページにも、ちゃんと書いてある。
なぜ、失敗から学ばないのか。アニメ映画と来場者特典は切っても切り離せないのに。
原作者に力がある作品ほど、特典に原作者が携わることが多いのに。
思えばこの作品自体の公開を知ったきっかけは星野源のANNで、しかも彼が声優を務めるという発表のときだった。おそらく、公開が決定しただいぶ後の話だろう(あとでググったんですけど、公開発表と星野源登用のタイミングは一緒だったみたいですね)。
感度が低すぎるのだ。ほんわかと好き好き言っているだけでは、好きを満たす絶好の機会を逃してしまう。情報収集を怠ると痛い目を見ると痛感した。
とは言ったものの、終わったことは仕方がない。「来場者特典その2」を隅から隅へと味わうことで、その1への届かない思いを胸の奥へのと封じ込めることにした。
で、肝心の中身なのだけれど、公式ホームページにある通り
その1⇒先輩から乙女への手紙
その2⇒乙女から先輩への手紙
となっている。
その2は7ページの冊子で、「拝啓」ではじまり「かしこ」で結ぶ手紙が綴られている。手紙なので当然「乙女」による一人称の文章だ。
森見登美彦さんの作品に「恋文の技術」という本がある。この作品も手紙形式で物語が展開されていくのだが、彼の文豪を思わせる硬派さにほんわかとした小気味良さが顔をのぞかせる文体はとても「手紙」に適していると思う。森実作品屈指のヒロイン「黒髪の乙女」の手紙を読むことが出来るなんて、なんて幸せなのだろう。僕はしみじみ読み溺れた。幸せな7ページを過ごした。
「その2」とあって手紙形式となると、「その1」の先輩から乙女への手紙を読んでないと中身が分からないのかと読む前は心配していたのだけれど、全く問題なく内容を楽しむことが出来た。ちょっとだけネタバレすると、羽貫さんとお出かけした話が綴られております。
配布は15日(土)~とHPに書いてあったので、劇場によってはまだ残っているところもあるかもしれない。ぜひとも手に取ってほしい。
映画自体の感想は、またそのうち。
更新したよー
【NICO Touches the Walls】TOUR 2017 ”Fighting NICO” 4/1東京公演 @ NHKホール 感想
1年ぶりにNICOのライブに行ってきた。
前回は「勇気も愛もないなんて」のツアーに広島(4/3 @BLUE LIVE 広島 )まで遠征して参加したので、本当にまるまる1年ぶりである。
で、今回参加したのはツアー"Fighting NICO"の東京公演1日目@NHKホール。
3階の左寄りの席だったので結構遠め。去年BLUE LIVE 広島で参加したときには、メンバーが目の前にいたのに。やっぱりホールよりもライブハウスのほうが好きだなぁ、と感じつつも、やっぱり参加し終えたら大満足なんだよねホールでも。
音楽には詳しくない上に、セトリちゃんと覚えきれてないからメモ的になってしまうが、感想を書いていくぞ。
↑まだ更新されていないけれど、いずれセトリが記載されるでしょうから、こちらご確認ください。
記憶を探り探りのセトリ
一応、記憶をたどってセトリを書いてみたぞ。正解かどうかはわからん。
1.新曲
2.チェインリアクション
3.そのTAXI,160km/h
4.バイシクル
5.手をたたけ
6.Diver
7.夢一号
8.GUERNICA
9.Aurora
11.April
12.天地ガエシ
13.MOROHA IROHA
14.妄想隊員A
15.渦と渦
16.新曲
アンコール
18時開演、20時20分ぐらいに終演だった。MCは短めだったかなあ。
5人目、参戦。
私が知らぬ間にメンバーが増えたのかと思ったら、浅野尚志さんがゲストとして参加されていた。
NICOのNHKホール初日!楽しかったー!
— 浅野尚志 (@takapiasano) 2017年4月1日
こんな感じの要塞でがんばってます。明日もがんばる🍜 https://t.co/S6RxQuBjFy pic.twitter.com/Bh8VClcZbb
twitter更新されていますね、画像見ると分かる通り、キーボード?とバイオリン?と思われる弦楽器とギターを弾いてました。
※キーボードがいろんな音出せるのは分かるんだけど、バイオリン?と思われる弦楽器は、明らかに私が知っているバイオリンの音色とは違っていました。僕の耳がおかしいのかしら?
彼の参戦により、かなりライブの様子がいつもと違っていたと思います。キーボードとバイオリンの貢献がすごい。
印象に残った曲は・・・
5.手をたたけ
イントロがピアノ
9.Aurora
キーボードとボーカルのみだった。ライブで聴くのは初めて、好きな曲だったからうれしかったなあ。シンプルさが映える曲。
12.天地ガエシ
バイオリンの音色でよりカントリー風に。ディズニーランドのウエスタンランドの曲のバイオリンを思い出してほしい。あんな感じだった。
17.THE BUNGY
古村くんと浅野さんがソロ対決してた。かなり尺とってて大盛り上がりでした。
4月を意識した構成
アンコールのMCで新生活への応援を光村くんがしてくれて、その後にストラト→マシ・マシと続く流れは完璧なストーリーが出来上がっててこみあげてくるものがあったぞ。
「正解はもう辞書になくたって戦うだけなのさ」
「あとはきみしだいです 全部きみしだい」
ツアー名も"Fighting NICO"だし、〆に相応しい曲だった。
「April」もまさしく4月ということで、1年ぶりにライブでまた聴けて気分は「ただいま」である。
新曲が2曲も!
知らない曲から始まって困惑してたのだけど、最後のMCで新曲だということが判明。あぁ、新曲だったのか、と胸を撫でおろした。
ステージの上にサイレンを発生させる装置(!?)があって、光村くんが回すと「うぅ~~」って鳴るわけですよ。そんな中演奏が始まった一曲目のカッコよさ。
最後に披露した曲も慣れてきたらみんな手拍子の回数合わせてくるんだろうなあというノリのいい感じの曲でした。ちゃんと光村くんが拍数を指で教えてくれてたね。
その他小ネタ
◇「妄想隊員A」がタオルぶん回し曲になってた。
いつの間に?
ライブでグッズは買わない派なんだけど、タオル回し曲があるバンドのライブの場合はいつも購入するようにしている。次回から買うか。
◇「ニワカ雨ニモ負ケズ」がない!?
私が参加したNICOのライブでは総じて演奏していたが、今日が初めての「ニワカ雨ニモ負ケズ」を演奏しない公演だった。
ラスサビの前の光村くんのコメントが毎回の楽しみだったから、少々残念。
◇「MOROHA IROHA」のポテンシャル
マシ・マシのカップリングだったので、演奏するだろうなとは思っていたけれど、CD音源で聴くよりもずっとイケててビックリした。個人的には「豹変」と言っても良いぐらい。ちゃんとCD音源を聴き込んでいたらまた違う感想が持てたかもしれない。
ここでもサイレン発生装置が活躍。祥太郎さんのドラムが輝いていた。
◇GUERNICA、流石の長さ
これもライブで初めて聞いたけど、それぞれのソロパートがあって、楽器で完璧に魅せられた。間奏が"間"と称すにはもったいないほど主役級。
以上、感想というかメモ程度だけど、終わり。
今回はストラト→マシ・マシのストーリー性とカントリー要素強化された天地ガエシが2強でした。次は、遠征して踊り狂えるライブハウスに行こうっと。